手巻き寿司_210426
ささやかなお祝いごとがあった先週末のこと。
「嬉しいことがあったらこれ!みたいなメニューがあるとよくない?今日はその記念すべき第1回目。何食べよう?」という私の投げかけから、私たちは好き放題に思いを巡らせた。
「すき焼きかなぁ、でもしゃぶしゃぶもいいよね」「焼肉なら外で食べたいなぁ」「っていうか、やっぱり牛じゃない?」
やたらと肉優勢な会話だったが、なんだかんだ最後は、互いの実家のお祝いご飯でもあった、手巻き寿司に着地。
酢飯の入った寿司桶に人数分の小さなしゃもじ、ネタが並ぶ大皿...普段は使わない道具たちがテーブルに登場するだけでもワクワクする。
お祝いご飯の高揚感は、食べる前からすでに始まっているのだ。
ちなみにネタを並べたのは益子焼の大皿。父が絵付けをし、克己さん(父の弟で陶芸家)が焼き上げたもので、直径33cmある。
「やっぱり手巻きだなー」「開けた日本酒も大正解」なんて言い合いながら、宴の後片付けをはじめたその時、大皿の裏に父のサインが入っていることに気づいた。一人暮らしをはじめて以来の相棒だというのに、なぜ今更...。
80年10月とは、私が生まれてちょうど1年後のことだ。
今の私よりもうんと若い父は、時を経て、私が築く”新しい我が家”の祝い皿になることを想像しただろうか...ふとそんなことを思った。
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