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【124話】【ネタバレ】俺だけレベルアップな件【翻訳】

「年間36億ドル。一日に1千万ドル。」
机に酒の瓶を叩きつけ、ユーリオルロフは赤ら顔にゲスな笑いを浮かべて言った。


「その金額を支払えば好きなだけゲートを塞いでやる」
「一日に千万ドル?!」
冷静沈着なレイジが提示された金額に目を剥いた。
「1年に36億ドル払えば国が存続できる。 たったの36億だ。 トーマスに比べてはるかに安い価格だろ」
レイジの後ろに控えているルノーがカナに小声で話しかける
「カナ、ロシア語ちょっとは分かるか? あの酔っぱらいは今何を言ってるんだ? 」
「何の話か分からないけど、良い話ではないことは確かね」
「どうだ。一日千万ドルで国を買うか、それとも金を惜しんで国を滅ぼすか?ウハハハハッ!」
口から酒の臭いを発するユーリの高笑いが部屋にこだました。
「今貴様らが冷や飯と温かい飯を選り好みできる立場かよく考えろ。私の靴を跪いて舐めたとしても足りないくらいだろ」
「それだけ実力に自信があるということですね」
「もちろんだ。そこに突っ立っている雑魚を100人雇うより得だぞ。悩む必要があるか?」

「今俺らのこと馬鹿にしてるよな?」
「言葉は聞き取れなくてもそれくらい分かるわ」
剣呑なオーラが2人を包んだ次の瞬間には、2人はユーリの結界に閉じ込められていた。
「私の許可なしにはそこから一歩も動けないだろ。出られるものなら、出てこい」

(俺たちもS級だぞ!?どうやって俺らの動きを動きを···!)
(ちくしょう·······拘束されて動けないっ!)
ルノーとカナはユーリの結界の前にピクリとも動くことができずに心の中で毒づいた。
「S級ゲートを封鎖し、おまけにそいつらの命まで助けてやる。どうだ?これくらいならそちらも満足のいく取引じゃないか」
「あなたの能力は理解しました。 ですが、その程度の予算を政府が承認するかどうか…」
冷静な口調とは裏腹に、肘置きに乗せられているレイジの手は怒りに震えていた。
(今のところ彼を信じてみるのが最善か··· )
「いや、わかりました。少々失礼しても?電話をかけてきます」
「勿論だ」


「行ってきます」
玄関で靴紐を結びながら、旬は後ろに立っている母親に言った。
「ねえ旬。お母さんが心配するようなことはないのよね?」
不安そうな母の声に一瞬驚いた旬だが、そのまま前を向いて答えた
「当たり前だろ。約束があるだけだよ。行ってきます、母さん」


母の心配そうな顔を見たくなくて、そして自分の嘘を見破られる気がして、旬は振り返ることなく玄関を出た。

ITEM 【[名前:カルテノン神殿の鍵]入手難易度:?? 種類:鍵カルテノン神殿に入ることができる鍵です。 ゲートで使用できます。 指定されたゲートの位置は、一定時間が過ぎた後に公開されます。 】
【残り時間:0時間01分02秒】
【残り時間:0時間0分56秒】
【残り時間:0時間0分32秒】
【残り時間:0時間0分15秒】
【残り時間:0時間0分11秒】
【残り時間:0時間0分06秒】
最後の1秒が過ぎると、手に持った鍵が音を立てて発光した。
【鍵を使用できるゲートの位置が公開されます】

建物の一部が大きく破壊されて規制線が張られている場所。

「同じ場所にゲートが二度も発生するなんて。 」
「休校してよかったものの、生徒たちがもしいたら統制すらできなかったな」
現在は休校している葵の通う学校で、ハンター協会の職員たちが話し込んでた。
「あ、ここに入ってはいけません!」
そこに近づいてくるフードの男に気がついた職員が男を制止する。
幹線道路に発生したレッドゲートで旬を制止した真面目そうな女性職員だった。
フードを取り払った顔を見て職員が驚きの声を上げた。
「み、水篠ハンター!?」


「ゲートが発生してからどれくらい経過してますか?」
「もう3日目です」
(やられた!)
女性職員の返答に旬は苦々しく眉を顰めた
(ゲートの情報が公開されるって言ったんだけど、この時間にゲートが生成されるんじゃなかったのか。 まさか3日も過ぎてたとは···)

(ゲートはC級ぐらいかな。 等級が高くはないが····· )
「ハンターたちは入りましたか?」
「はい、2時間ほど前に」
「今すぐレイドを中断する必要があります」
「ええっ?でも 測定結果としてはせいぜいC級···」
「それでも攻撃隊が危ないです。 今止まらなければ、みんな死にます」
早口に言い放つと、旬はゲートに向かって歩き出した。
「……?!」
「みんな死ぬなんて、一体どういう···」
「俺が攻撃隊の方々を連れてきます」
「一体どうしたんですか。 せめて何か説明を…」
「そんな時間ありません」
言い切るかどうかのうちに、旬はゲートの中に消えていった。

ゲートの中では攻撃隊がボス部屋の前で立ち往生していた
「ボスの部屋かな? でも、なんで開かないんだよ。」
「このドアどうしますか?魔法を使っても傷ひとつつかないですし」
「ここまで来て諦めろって?」


「それは罠です」
「うおっ!ビックリしたぁ!!」
突然現れた人物に背後から話しかけられて、メンバーは飛び上がって驚いた。
「おお、お宅は大丈夫ですか!?」
「この二重ダンジョンの生存者です」
「二重ダンジョンの生存者?」
「あれ?あの人、もしかして水篠ハンターじゃない? 」
「ウソだろ?S級ハンターの水篠旬だ!」
「ここは非常に危険な所です。 ここからは私が預かるので皆さんは引き返してください」
旬が扉を開けようとするが、固く閉じた扉は動かない。
(開かない。魔法がかかっているのか?)

【現在カルテノン神殿の扉は閉まっています】
【鍵を使用してください】
(前と違う。だから鍵が必要だったんだ。)
鍵を呼び出して手に取る
「えっ、何だ?」
「どうやって開けたの?!」
「さっき確かに開かなかったよな!?」
簡単に開いた扉に、メンバーが次々と驚きの声を漏らす。
「すみません、水篠ハンター。 このダンジョンは、我々勇気ギルド攻撃隊が許可権を買って、レイドをした場所です。 あなたが私たちに出て行けと言う権利はありません。」
リーダーとみられる鎧の男が険しい顔で言った。
「そうですよ!S級ハンターなら何してもいいんですか?!」
「止めはしません。 入りたい人がいるならいくらでも入ってください」
「私が行ってみましょう」
鎧の男が開かれた扉を潜ると、システムが通知を出した
【鍵を持っていない者が神殿に出入りしました】
【出入りを許可しません】
旬が鎧の男の襟首を掴んで後ろに投げ飛ばしたとほぼ同時に、男がいた場所に巨大な剣が振り下ろされて地面を割った。


「中にあるものは全部あんな感じです。 それでも必ずお入りにならなければなりませんか。」
「よくきいてください。これから全員外に出て協会に連絡してください。二重ダンジョンが現れたと」
【鍵の所持者が入場しました】

暗い扉の向こうに旬が入ると、扉はまた固く閉じた。
青く燃えて石造の部屋を照らす炎。
楽器と武器を持つ石像たち。
王座に鎮座する巨大な石像。
そして石板を持つ一体の天使像。

ーここで全てが始まったー

「もう一度……帰ってきた。」
(あの時とは違う。)
(そして今、確かに感じられる)
「この石像は魔獣でも、生命体でもない」
コツコツと石畳みを踏みしめる音を立てながら部屋の奥へと進む
「ただ誰かの操り人形にすぎない。 この部屋から魔力を放つ存在はたった一つ。」
「本当はお前だったんだ」
「いつまで口を閉じてるんだ?そろそろ答えてくれよ」

旬が目の前に立ったのは、王座に鎮座する巨大な石像でも、武器を持つ石像でもなく、石板の天使像だった。
次の瞬間、石像が凶悪な笑いを浮かべた。
『ついにここまで来たな』

※さー!ついにきましたよー!!
こっから怒涛の伏線回収に入ります!
ちなみに私は原作小説読む前は以下のような予想をしてました
⬇️
未来の旬が過去を遡る力を手に入れて、未来に立ちはだかる敵に対応できるように自分自身を鍛えるためにシステムを作った!!
⬆️
どこのターミネーターですか??
考えついた時は自分天才?とすら思いましたけどね。今思うとちゃうやろそれは。ターミネーター見過ぎや。って冷静になっちゃいますね。
それにしてもユーリオルロフは最高に下衆なモブ感出してくれてますね。
こう言うキャラは悲惨な最期を迎えるって昔ばーちゃんが言ってた⬅️(ネタバレやめろ)
来週は29日(木)更新ですね!

※相変わらずの誤字脱字ですが、たくさんのスキをありがとうございます!!
先週"スキ"のリアクションを刷新しました!

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