旧劇エヴァ最終回

アニマックスにてエヴァの最終回を見た。
自分が好きになれず自らの価値はないと思い込む主人公碇シンジの姿は信じられないくらい今の自分に重なった。故にアスカやレイ、ミサトからシンジに向かって放たれる言葉の数々はしっかりと自分の胸に刺さった。
自分を好きになれない、というのはなかなかに厄介なことで自分が好きになれない自分を他の人が好いてくれるはずがないと勝手に思い込んでしまう。
だが実は多くの人が自分のことを好きになれないからこそシンジの悩む姿が共感を呼び社会現象的なヒットになったのではないか。 
旧アニメ版の最終回は主人公が頭の中で作中の登場人物と対話をし自分の殻を破る形で自己完結をして終わる。アニメの中で仕掛けられた複線はほとんど回収されず、半ば放り出されたような形で終了した本編に消化不良のような思いを抱いた人が大多数だったはずだ。しかしながら、言うまでもなく旧劇、新劇の数作品を経て「人類補完計画」などの複雑な伏線も回収され、物語は真の意味での完結を迎えた。大人になったシンジの神木隆之介の声をあてがわれた爽やかな姿が記憶に新しい。
旧劇も新劇も悩み苦しみ現実と向き合おうとしないシンジの姿は相変わらずだったが、ループのように繰り返される日常を経て彼はマリと山口県宇部の駅でハッピーエンドを迎えた。
人生も同じ、なはずだ。惨めで暗い思いをしたって、同じような日々の繰り返しにしたって実は一歩ずつ前に進んでいる。
改めて見返してみて、重厚な心理描写(特に大人サイド)やしっかりとした世界観の構造などエヴァは本当に名作だったのだと思う。また改めて本編、旧劇、新劇も見返して見てみたい。

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