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よう実2年生編4巻の感想&考察

楽しみにしていた2年生編4巻が発売されたので、感想と考察を述べようと思います。

◾感想

 3巻では、無人島サバイバル試験が始まり様々な伏線があり、終盤には七瀬と綾小路が和解し協力関係になる中後ろから何者かが迫ってきているという気になる所で終わりました。

 4巻でその何者かの正体が分かるのかと思いましたが、まだ明かされませんでした。その代わりに天沢や椿といった1年生達の活躍が多く書かれており、他にも宝泉vs龍園や天沢vs堀北&伊吹、月城&司馬vs綾小路&鬼龍院のバトルがあるなどとても濃い内容だったと感じました。

 そして、ホワイトルーム生に関してですが作中では天沢がホワイトルーム生として書かれていますが読者としては絶対違うだろうなと思う方も多いと思います。

 今巻で無人島サバイバル試験は終了しましたが、多くの謎を残して終わったのも気になり読者として考察が捗るなぁと次巻への期待が高まります。

 私個人の感想としては、1年生達が2年生を追い込んでいる状況下で2年生は2年生なりの意地や戦略で戦っていたのがとても好印象でした。

 特に宝泉vs龍園では、最初は宝泉の方が圧倒的に力が上だったのにも関わらず蛇のようにいつまでも相手を逃がさず、勝たせない不屈の精神力が如実に書かれていて、龍園が単なる不良では無いという面を見れて良かったです。

 気になったことと言えば、前巻の3巻でもそうでしたが最初のカラーの挿絵の場面がかなり終盤に用意されているのでその場面まで読むのにめちゃくちゃワクワクしながら読んでいたので楽しくてしょうがなかったです。

 他にも一之瀬が可愛かった事や月城のジャージ姿がシュールだったことなど色々ありますが感想はこの辺で。


◾考察

 4巻を読み終わった方の多くがもやもやした感じになっていると思います。

 私もそうなので、今巻で気になった部分をピックアップして考察していきます。

 まず、ホワイトルームからの刺客について。

絶対、天沢じゃないやろ〜。


 ほとんどの方がこう考えていると思います。

 天沢がホワイトルーム出身であることは事実だとしてもホワイトルームからの刺客では無いと考えられます。

 と言うのも、天沢一夏の独白で自身が綾小路を崇拝していると証言しているのと、憎悪の感情を持っているのとでは根本的に異なるからです。

 そもそも今巻では謎な部分を残して終わりました。特に憎悪の感情を抱いているホワイトルーム生が明かされなかったことです。

 当初、ホワイトルーム生の候補であり綾小路を退学させようとした七瀬は白、天沢はホワイトルーム出身だが憎悪のホワイトルーム生とは異なるだけでなく綾小路を助けるような行動をしている。

 この事からホワイトルーム関係者は少なくとも2人以上はいると考えられます。


では、天沢の他にホワイトルーム生はいるのか。

答えは、います。

 おそらくこの人物こそが憎悪の感情を抱いているホワイトルーム生です。2巻終盤のミスリードのような感じだと考えられます。

 その人物について今巻では所々に匂わせられた伏線や表現があったので、それらを順に考察をします。


①34ページで書かれたもう一つの足跡

 天沢が綾小路とホワイトルームについて話をした後、去っていった足跡を確認すると天沢のものより僅かに大きいと思われる足跡があったこと。

 3巻最後のページで木の棒を持った人物が描かれていましたが、棒を持っていたのは右手で綾小路と接触した天沢は左手で持っていたことから別の人物から木の棒を奪ったのではないかと推察できる。

 そして、その人物の足跡は天沢の足跡よりも僅かに大きいとあるので宝泉や宇都宮のようなガタイの良い男子とは考えにくい。また、七瀬は綾小路サイドなので白。

 つまり、候補は八神か椿、もしくは他の生徒となります。

 他の生徒である可能性も無くもありませんが、八神か椿かの2択でしょう。

 この2人は今巻で今まで以上に活躍しており、怪しさ満点です。


②170ページで宇都宮と八神の会話

 椿が綾小路退学計画の予行練習をしており、宇都宮と話していると八神が現れて椿に話しかけるが宇都宮が遮る。そして、「昨日はどこへ行っていた」という質問に八神が「腕時計が故障してスタート地点に戻った」と証言。

 その後、八神の腕時計の故障は2度目だと判明する。

 八神の怪しいポイントその①は腕時計の故障が2度目という部分です。

 一回は12日目に故障、もう一回は不明です。

 もしかするとこの不明の一回は小宮達を襲った時に意図的に故障させたもなのではという考察ができます。また、12日目に八神がいなかった理由は櫛田からの接触があったから、または天沢と会って一悶着したのではとも考えられます。

いずれにしろ、八神という人物が今巻でより怪しく見えてきます。

 椿に関しては謎な部分もありますが、今巻を読んでいる分には非常に頭が切れ、宝泉相手にも引けを取らない度胸のある人物だと感じました。

 以前からの考察通り、椿が頭で考え、宇都宮が動くというシンプルなペアであることが判明し、椿が宇都宮にかなりの信頼を寄せている描写からそうとう信頼関係が築いていると分かります。

 椿から宇都宮はそうですが、宇都宮から椿に関してはまだハッキリとは分かりませんが後述する謎の行動の動機として椿が関わっているのではと考えられます。


③229ページのトランシーバーの話し相手

 宇都宮が鬼頭を椿達がいるキャンプ地へ行かせないように足止めをしていたが、うっかり落としたトランシーバーから鬼頭は椿が指揮官だと分かり去って行った後に、宇都宮が話した人物は椿の計画が失敗することを予期していた。

重要なのは以下の会話。

「流石ですね宇都宮くん」

「で、椿の計画は?」

「あなたのお望み通り失敗しましたよ。わざわざ綾小路先輩に早めの警告を出さなくても、最初から成功するはずのない陳腐な戦略だったとは思いますが」


まず、宇都宮をくん付けで読んでいることから宝泉では無い。

 次に、宇都宮は椿の計画が失敗する事を望んでいたと分かる。これについては椿が宇都宮を信頼しているように宇都宮も椿を信頼している関係にあり、椿が退学にならないようにしたいと宇都宮が考えていたのではと思われる。

 そして、最初から成功するはずのない陳腐な戦略だったという言い回しから椿以上に頭が切れ、まるで自分の方が上手い戦略を思いついたと言っている感じです。

 これらの考察材料から考えられるに、何者かが宇都宮に椿が退学にならない提案をして、その提案に乗る代わりに何者かの手足のように動いた。それを悟られないと宇都宮は椿に自分が勝手に動いたと証言。

 宇都宮を見張り役にしたのは自分の存在を隠す為。

 トランシーバーの人物は誰かが指揮官を見抜く為に調査に来ると予想していたとも捉えられます。


④291ページで天沢が堀北達と戦う前に誰かと戦っていたこと

 天沢曰く、「先輩たちの前に、ちょっと一戦やってきたところで、さ」と言っていることから、以前にも天沢は誰かと戦っていたと分かる。

 そして、本来なら苦痛に表情を歪ませ、歩くことにも支障をきたすレベルのはずだと堀北が考えていることから、気になる点が生まれます。

 それは、腕時計が警告アラームや救助を必要とするような状況になるのと同じでその場合、何かしらの痕跡が残るということです。

ですが、その痕跡を残さない方法があります。

 それが腕時計を意図的に壊すことです。腕時計を壊せば誰がどこにいるのか分からず、警告アラートなどもならないので自由に行動できます。

 そして、天沢と堀北達が接触する以前に腕時計が壊れている人物は今巻では八神が1番怪しいという考察ができます。

 万全な状態の天沢を相手にかなりの痛手を負わせられる人物はホワイトルーム生しか考えられず、腕時計が壊れている人物=ホワイトルームからの刺客とも考えられます。


考察に関しては今のところこんな感じで考えています。

もしかしたら抜けている所があるかもしれないのでまた読み直す機会があれば新しく考察記事を書いていこうと思います。

◼️最後に

 ぶっちゃけ八神が怪しいということは周知の事実ではあると思いますが、今巻で手を出してこないのは意外でした。

 月城達がいるI2でてっきり一騎討ちでもするのではと思っていたので、もしかしたら月城達が今回の試験で学校を去ることも計算していたのかもしれませんね。そうだとしたらとんでもない実力の持ち主で綾小路と対決する時が楽しみになりました。

 椿に関しては完全に白だとは言い切れませんが、真っ当な戦略を取っていることから坂柳タイプだと感じ、もう一度誰かと頭脳戦をやってほしいなと思います。

 色々と書きましたが、次巻は4.5巻になるか5巻になるかまだ不明ですが、個性豊かな人物達の活躍を楽しめるよう実って最高だと改めて実感したので気になる点や考察が出次第書いていくのでよろしくお願いします。

では、また。

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