人それぞれの異世界
十人十色という言葉があります。
性格も見た目も、人によって全然違うことのたとえですね。
見えている世界も、人によって違います。
暴力をよしとする人、嘘や悪口雑言が正義だという人、家族より仕事を優先して出世するのが男の本懐だという豪語する人。
人によって異なる価値観は、同じ世界にいながら異世界の住人と接しているような気分にさせられる。
「HSP」という人がいます。
感覚がとても繊細で、普通の人なら気にしないような物音や視線、遠回しな嫌味まで鋭く感じとってしまう、センシティヴな感覚の持ち主です。
その繊細な感覚のために、学校にいけない、会社勤めができない、人間関係で心に傷を負ってしまうといった問題を抱えてしまう。
私も子供のころ、こんなことがありました。
・教室の雑音が神経に触って耐えられない。
・他の子どもの話声や動きに意識が移ってしまって、先生の話が断片的にしか耳に入ってこない。
・注意散漫、努力不足だと怒られる。
そして、だんだん精神的に追い詰められ、ときどき体が動かなくなるのです。
適者生存だというのなら、この世界では私のようなHSPは絶滅してしまうでしょう。
でも、HSPのもつ他人の気持ちを深く理解する能力、共感する感性が欠けた世界は、やはり暴力的で、排他的で、生き辛い世界になってしまうと思います。
そんな世界は、いずれ傲慢の果てに自壊したバベルのように滅んでしまうと思います。
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