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ソロでも心地よい「常宿」を見つけよう

初めての温泉地を訪ね、さまざまな温泉を堪能する。そんな湯めぐりはソロ温泉の愉しみのひとつである。

だが、ソロ温泉を続けていると、「この宿、最高! ここなら住みたい!」と惚れ込むような相性のよい温泉宿との出会いがある。

そんな宿が見つかったら、定期的に訪れる「常宿」としてリピートしよう

ちょっと一人になりたいとき、日常に疲れたときに、お気に入りの「常宿」と温泉に訪ねる。明日を生き抜くエネルギーをチャージしてくれる場所があることは、心の支えとなるはずだ。

お気に入りだった箱根と湯河原の温泉

私がまだ東京に住んでいた頃、仕事や人間関係に疲れたら、緊急避難的に訪れる温泉は決まっていた。

日帰りなら箱根の姥子温泉「秀明館」。湯治場の雰囲気を守るため、施設がPRに積極的ではないので、ここでくわしいことは書かないが、温泉の質が後回しにされがちな箱根では、湯の鮮度が図抜けている。岩盤から湧出した源泉が湯船をそのまま満たす奇跡のような湯船をもつ。箱根とは思えない静かな環境も気に入り、数えきれないほど通ったものである。

宿泊なら湯河原温泉「オーベルジュ湯楽」。湯河原では源泉を循環ろ過している宿も少なくないが、正真正銘の源泉かけ流しである。男女別の浴場だけでなく、貸切風呂が3カ所あるのもうれしい。

なによりも食事が抜群にうまい。和食とイタリアンを融合させた創作料理が一品ずつ運ばれてくる。朝食も旅館の料理としては抜群なおいしさ。都内で同じようなコース料理を食べようと思えば、6000~7000円はするのではないだろうか。朝食は都内のシティホテルに引けを取らないので、2000~3000円の価値はあるだろう。

現在は人気宿となり、宿泊料金も多少アップされているが、当時は1万5000円以下で泊まれたので、コストパフォーマンスは抜群であった。

とにかく温泉にも食事にも間違いなく満足できる。そんな宿が自分の温泉リストに入っていることは大変心強いものだ。「温泉入りたいなあ」「ひとりになりたいなあ」と思ったら、空室さえあればすぐに出かけられる。

現在は札幌に住んでいるが、日帰りなら毎回、市内の豊平峡温泉にふらっと出かける。大自然に囲まれた広々とした露天風呂と個性的な源泉には何度通っても癒やされる。

移住してから1年弱であるので、まだ宿泊用の「常宿」は定まっていないが、すでに候補がいくつかある。大手を振って旅行ができるようになったら、定期的に通うことになるだろう。

常宿を「別荘」として利用する

ソロ温泉の旅でお気に入りの宿が見つかったら、定期的に訪ねる「常宿」にすることを検討してみよう。思い立ったらすでに旅に出られるように、アクセスのしやすい近場の温泉地が理想だ。

金銭的条件がクリアされ、なおかつ何度も通いたくなるような居心地のいい宿はなかなか見つかるものではない。「あそこに行けば、温泉で心身ともリラックスできる」という宿があれば、精神的な安定剤となる。

常宿をもつことは、温泉付きの別荘を手に入れるようなものである。ちょっと仕事に疲れたら、「次の休暇はいつもの温泉に行こうか」とふらっと出かけることができる。当然、別荘を購入するよりも圧倒的に安上がりである。

また、定期的に宿泊することで、宿の人に名前と顔を覚えてもらえるメリットもある。滞在中に万一困ったことがあったときも、親身になって世話を焼いてくれるだろう。なにより温かく出迎えてもらえれば、第二の故郷に帰ってきたようなほっこりした気分にもなる。

さらに、その土地が気に入れば、将来的には移住という選択肢も出てくるかもしれない。いずれにしても常宿をもつことで、人生が豊かになることは間違いない。


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