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やっぱりローズ派?

植物の香りは多種多様とはいえ、人気のある香りに大きな変遷がないのかも知れません。
ローズ、ジャスミン、ネロリ、ミュゲ、ミモザ、アイリス、マグノリアなどなど、やはり花の香りは根強いファンが多いです。

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言わずと知れたクレオパトラのバラの話。
シーザー、アントニウスのために花弁を敷き詰めたわけですが、
そのバラのじゅうたんも70センチの厚みがあったという・・・。本当かは定かでないのですが。バラの花の香りで相手を虜にするというのがもっぱらの話の中心として聞きかじっていましたが、
実際はクレオパトラ自身も香気で満たされ、その香気から癒しを得ていたのだと知りました。
女王という位で日々張り詰めて過ごす生活では、考えてみたら当然ですね。癒しは普通の人以上に必要だったでしょう。。。

とはいえ、あの時代にバラを敷き詰めて歓びを高めるとは。
香りは人のサガで、もともと人類のDNAに刻みこまれているんですよね笑

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たくさんの花びら;ローズだと50本の花の花弁を集めて抽出されるのが「1滴(約0.04-0.05ml)というレアバリュー。ローズ精油は主に水蒸気を利用して抽出するのと、溶剤を使ってアブソリュートを作る2パターンが流通しています。精油は抽出の仕方で成分も香りも変わります。
面白いのは、その2つがかなり違いがある香りだということ。
別ものというほどではないんですが、ナチュラルメイクが似合う女性と、ばっちりメイクが似合う女性、全体のイメージもそれに付随するような感じが、私にはしてしまうんですね。

ローズ・オットー=ダマスク・ローズ(Rosa damascena)は一般的に水蒸気蒸留で抽出され、ほんのりとしかし甘く深いなバラの香りをあとあとまで残します。ℓ-シトリネロール16-35.9%、ゲラニオール15..2-25.7%といったアルコール類が多く含まれています。

一方、溶剤を使って抽出したアブソリュートと言われるローズ(Rosa centifolia)は、2-フェニルエタノール(アルコール類)が約65%以上もあります(ちなみに上記の水蒸気蒸留ローズ・オットーでは1.0-1.9%程度。ゲラニオールが「バラの香りってどんな香り?」と聞かれてとっさに思い浮かぶような、いかにもバラらしい香り。濃厚でまとわりつくような甘さがあります。べたべたした甘さ、ということでもなく、「バラ」の香水、というときに脳裡をかすめるイメージの香りです。

アロマセラピストだとダマスクローズを持っている方が圧倒的だとは思いますし、私の周囲にはローズ・オットーが好きな方は多いようです。でも個人的に香りに関してだけに関して言うと、私は溶剤抽出の濃厚なローズの香りも大好きで、単品でもブレンドでも楽しんでいます。

水蒸気蒸留は熱で壊されたり、水分に溶け出てしまう成分がありますが、溶剤抽出ではそこで抜け落ちない成分も抽出できるし、量も多く抽出できる利点があります。溶剤抽出(アブソリュート)の精油はできれば使いたくないアロマセラピストは多いのですが、香り本位で言うなら、アブソリュートでローズの香りを堪能したいものです。

機会があれば、ぜひ2つのローズを試してみてください(*^^)
新しい自分なりのローズを見つけられるかも。
気になるのは単品の価格(;^ω^)
ローズ・オットーはおおむね1mlあたり5000円以上(内容量にもよりますが)、ローズ・アブソリュートの場合は、少しだけ価格が下がり1ml4000円以上くらいではないでしょうか。

怖い話もしてしまうんですが。。。メチルオイゲノールという発がん性のある成分もローズに含まれています。ごく微量ですが、気になりますよね。でもローズには同時に抗腫瘍活性があるといわれているゲラニオールという成分も含まれています。実際にゲラニオールにはがん細胞毒性があるとのことですが、これが抗がん作用と直結するかいう立証はなかなか難しいようです。ローズはゲラニオールの含有量も多いことですし、ご心配なく。

ローズにはそんなちょっとした毒があって、トータルであの人を惹きつける香りを放っているんですね。

心理的にも肉体的にも、多様な作用をもつローズ。

女性であることを歓べる、自分を認める力を与えてくれるーーローズにはそんな力に満ちているような気がします。

お高いけれど、1本持っておきたい精油です。
「100万本のバラ」を自分自身に♡


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