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香水はお好きですか 

アロマが心身を落ち着かせてくれる、活気づけてくれるといういろいろな変化をもたらしてくれる一方で、香水はお気に入りの服を着ているような高揚感があります。髪型がばっちり決まったとき、好きな映画に出会ったときみたいな感じでしょうか。
ちょっとどきどき、あるいは背筋がしなやかに伸びるような感覚、個人的にはそれに近い気がします。

そもそも香りに出会ったのは、はるか昔、高校生のころ。
友人のお母さまが愛用していたゲランの「ミツコ」に始まります。
今の流行りの香りとは趣の違う、あまり軽さのない香り、深いのにさわやかさがあり、少しオリエンタルな味わいもある名香です。

バランスと独創性の傑作”と称される〈ミツコ〉は、フルーティなピーチにジャスミンとメイローズを重ねたフレグランスです。神秘的なベースには、下草とベチバーが香るスパイシーな香りが溶け合っています。

『神秘的な感情の香り』GUELAIN  MITSOUKOの香水の詳細ページより引用

振り返ると、
そういえば父のアフターシェイブやら石鹸の匂い、母の化粧品やら香水などのさまざまな「香り」に囲まれており、誰しも差はありながらも、幼少のころから香りは身の前に自然に存在していたのです。
高校の修学旅行で、早くに亡くなった父が使っていた石鹸に近い香りを見つけたときには、思わず喜んで自分のお土産に買ってしまいました。懐かしい香の思い出の一つです。

香りにまつわる話は絶えないのですが、香りは私にとってかけがえのないものであることだけは確かです😊

「天然」と「合成」の香料

について書いてみようと思います。

香料には天然、合成があります。
ひとくちに香料といっても、食品の香りづけになる「食品添加物」と化粧品や香水などの「香粧品」があり、ここでは香粧品のほうの香りになります。
天然香料は「アロマ」、植物から得られた混ぜ物のない天然の香りで、
一方、は単離香料全合成香料半合成香料生合成香料に分けることができます。

      (6月24日、香料を楽しむ講座が初開催)

https://www.kokuchpro.com/admin/e-17f9e63f10d80a6c3af8aef2b4fcdbbb/d-2416365/

単離香料は、たとえば「ラベンダー」や「ローズウッド(現在は保護のため
取引されていません)」に多く含まれるリナロール、柑橘系の果皮に多く含まれる「リモネン」という成分だけを取り出すというもの。
その方法も、蒸留法(熱を加えて分離するもの)、冷却させて成分を結晶化させて取り出す晶析法、そして精油中の成分に化学反応を起こして生成物から成分を単離するもの。

香水=合成香料というわけではなく、合成香料が20世紀前半に商品化するまでは香水は植物の芳香から作られていました。まさに「アロマ」だったのです。ここで香水の歴史になるとあまりにも長くなりますので笑、あえて触れませんが。

アロマは「アロマオイル」とちまたでも呼ばれていたりしますが、本来は「精油」「エッセンシャルオイル」と呼ばれます。天然の香料もまた、おもに水蒸気蒸留、溶剤抽出、CO2抽出、圧搾法などがあります。植物の特性によって抽出方法も変わってきます。たとえば香りが強そうな花の香りですが、精油が採れる率=採油率が極端に少ない(0.02~0.05%)ものも多く、また水蒸気では芳香成分が揮発、破壊されてしまうことで溶剤抽出も多くあります。ローズ(オットー)もネロリも水蒸気ですが、溶剤抽出によるローズ(アブソリュート)やオレンジフラワーはかなりインパクトの強い香りで、香水にはこちらを使うといわれています。

「感覚」を大事にしたい

天然アロマは私に「命の息吹」を感じさせてくれるもの。
自然の恵みを深く感じられる香りとして個人的にも毎日使っています。
たとえばその日の心やからだに合うような香りを選ぶことができるのがアロマ。
精油がどんな作用があるかを考えると、自分にとって必要なものがなんなのかに思い至ることができるのです。そのときに「この香り」と思ったものは、「必要だから」と考えることもできるというわけです。

鎮静したいとき、活性化したいとき、痛みを感じるとき、風邪を引いて鼻の通りが悪いとき、、、など薬理作用と植物の天然の香りが心身へはたらきかけてくれます。そんなときに大いなる自然の恵みに感謝しつつ、いつも寄り添ってくれる精油の偉大さを感じます。

その一方で。
いわゆる合成香料の香水の香りも大好きです。
合成香料と天然香料、私にとっては同じ「香り」の分野なのです。

そこに薬理作用があるか、石油で合成されていないか、というざっくりとした分類はありますが、私にとっては香りによってどんなに気分が変わってくるか、という点においてはどちらも同じこと。

「香りは今の自分の次元を変えてくれる」にほかなりません。
新しい風を、今、その瞬間に吹き込んでくれる・・・それが香りです。
とはいっても、どのように自分を変えてくれるのかには違いがあるのも事実です。
「合成香料をかいでいると頭が痛くなる」という話も耳にすることがたまにありますが、「天然だから大丈夫」というわけではないのです。
化学物質過敏症という、知れば知るほど大変な症状があります。
患者の方にもお話を伺ったことがありますが、天然香料だから大丈夫ということはなく、合成香料と等しく反応が出てしまうのだそうです。
それもそのはずで、精油の成分もれっきとした「化学物質」です。

天然、合成、好き嫌いもあると思いますが、
香りを楽しむときに、「うっすら香らせる」ことで状況が変わってくることもあります。強すぎる香りは天然にしろ、合成にしろ気分が悪くなるものです。
ほんのりとした「自然に漂う」香りを、もっと楽しんでいくためには少しの香りで「感じる」ことも大切だと思っています。

AI勢がますますその力を発揮して、自分で考えることもやがてなくなるのでは、、そんな危機感をちょっと持っていたりする私。それが自分の感覚を研ぎ澄ますかぎになるのでは、、、と考えている今日この頃です。


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