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デジタルツインとは

デジタルツインとは、僕らが身を置いているフィジカル(物理)世界のもの、たとえば建物、家具、機械、植物、動物、人などが持つあらゆる情報を、そっくりそのままデジタル世界側にもまるで双子(Twin)のように複製したものを指します。

デジタルツインがなぜ注目されているか

ほぼ完全なコピー
対象となるものがフィジカル世界において持っている外形、色、質感、機能などを、徹底的にデジタルに変換しています。目の前にデジタルツインを表示すれば、フィジカルな実物と同じように確認したり、触れたりできます。

リアルタイム同期
フィジカル側で起きた変化は、デジタル側に即座に伝えられます。更新は自動で行われ、デジタル側をいちいち手動で更新するという作業は原則必要ありません。このリアルタイム性によって、デジタルツインは常に同一のものとして維持されます。

AIによるフィジカル世界の学習
自動運転にしろドローンの自動操縦にしろ、AIがフィジカル世界について学習するのに、実物の自動運転車やドローンを動かしていたら大変なコストと危険が伴いますが、仮想空間上に自動車やドローンを作り、それを操縦させれば、効率的な学習が行えます。

デジタルツインの活用例 〜冷蔵庫〜

では具体的なデジタルツインの実用例を考えてみましょう。工業的な話はよく目にするので、ここでは生活に身近な例として冷蔵庫のデジタルツインを挙げてみます。

スーパーへ買い物に行って、「あれ、野菜なにが残ってたっけ? 見てくればよかったな…」「オイスターソースは確かあったはず!(帰って見たらウスターソースだった…)」なんてことはないでしょうか?

こんな時、自宅の冷蔵庫をまるでキッチンに立って開けているかのように確認できたら素敵ですね。

冷蔵庫

ARグラスをかけ、スーパーにいながら自宅の冷蔵庫を開ける

デジタルツインが実現するまでに考えられるフェーズ

ではデジタルツインがどのように僕らの生活に入り込んでくるか、順を追って考えてみましょう。

1. フィジカル世界
2. フィジカル世界の情報化(IT化)
3. フィジカル世界の空間的可視化(DX)
4. デジタルツインの実現
5. ミラーワールドの実現

ここでは農園(オリーブ園)を例に、1つずつ見ていきます。

Phase 1. フィジカル世界

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まだインターネットが普及していない段階。フィジカル世界がただそこに在るだけです。

足を運んだオリーブ園には、オリーブの木はただ「木」として、物理的に生えているのみです。農園のオーナーとしては、オリーブの様子を直接見て感覚的に判断したり、ノートに取るなどしていたでしょう。

Phase 2. フィジカル世界の情報化(IT化)

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インターネットが普及し、情報化(IT化)が進んだ段階。フィジカル世界の一部が「情報」として手に入るようになりました。

オリーブ園としてある程度情報化がされている場合、木は「オリーブの木:ID: 7」としてマークされ、どこらへんに生えているかも「地図」としてわかるようになります。個々の木の詳細までは分からずとも、全体感は以前より把握しやすくなっています。

Phase 3. フィジカル世界の空間的なデジタル化(DX)

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フィジカル世界がある程度「空間」として理解できるようになった段階。5Gによる高速通信・常時接続、定点/車載/スマホなどのカメラによる撮影、物体の(大まかな)3Dオブジェクト化などにより実現されます。

オリーブの木がどんな大きさで大体どんな形状かわかり、寸法なども一部わかるようになります。ここまで発展するとオリーブ園に仮想の「目」があるのと同じになり、現地に赴かなくとも園の現況がある程度把握できます。

昨今話題のDX(Digital Transformation)ですが、このフィジカル世界の空間的、立体的なデジタル化も含まれます。2020年現在は、まさにこのDXに取り組み始めた段階といえるでしょう。

Phase 4. デジタルツインの実現

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フィジカル世界のものがほぼ完全な状態でデジタルに反映された段階。周回するロボットやドローンによる24時間360度方向からの撮影、AIによる映像解釈と詳細なデータ分析(過去との比較など)、実物と見まごうばかりの3Dオブジェクト化などにより実現されます。

実際のオリーブの木と見分けがつかないほどの精度で、かつ現在の状況と同期されたデジタルツリーを、いつでも目の前に呼び出せます。健康状態、実の総数、総重量はもちろん、いま葉が何枚あるのか(前日比+ー何枚?)すら把握できます。

Phase 5. ミラーワールドの実現

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あらゆるものがデジタルツインとなった、フィジカル世界そのものがデジタルでまるごと複製された段階。まるでその場にいるかのように歩き回り、触れることすらできます。

この段階の世界はミラーワールド(鏡像世界)と呼ばれています。日本ではCPS(サイバーフィジカルシステム)のほうが知名度があるかもしれません。両者はほぼ同じもので、DXのさらに先にある未来像です。

オリーブ農園の管理はもはやミラーワールドとしての農園を歩き回れば完結し、実際の農園に足を運ぶ必要はほぼなくなります。自宅にいながらオリーブの実り具合を、文字通り「手に取りながら」確かめられます。

まとめ

デジタルツイン、そしてミラーワールドといった未来の方向性が示しているのは、僕らが身を置いているフィジカル世界を徹底的に把握したいという人々の欲望が現れている気がします。

映画『マトリックス』やアニメ『サマーウォーズ』『ソードアート・オンライン』のような世界が現実のものとなるのも、実はそう遠くないのかもしれません。




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デザイナー|独立11年目|ダフトクラフト株式会社 CPO 最高哲学責任者|仕事:UX、UI、xR空間デザイン|注力:DX、OMO、ミラーワールド、教育|思考:抽象化、哲学、汎神論|趣味:アニメ、ゲーム、読書|元FF11、SecondLife廃人|人生略歴 qr.ae/TWzMt3

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