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【レース回顧Vol.70】第57回七夕賞

競馬というものは必ずしも能力通りには決まらない。能力通りに決まらない理由は無数にあるが、単純にして明快なのは「トラックバイアス」だと思う。先週のラジオNIKKEI賞で一体何を見てたの?今週も引き続き内前祭り絶賛開催中だったのに、まだ後ろから買うか…。予想というのは強い馬を探す作業ではなく、上位に来る馬を探す作業である。

20210711福島11R(1)

まずはロザムールとトーラスジェミニによる先行争い。互いにガリガリやり合う感じはない。外のほうは総じて遅い。

20210711福島11R(2)

何となくだが、全体的に緩い感じ。先行争いは内のロザムールが先制する形であっさり決着。トーラスジェミニは当初からハナを奪う気が無かったらしく、折り合い重視で2番手追走。先ほどのプロキオンSとは逆に前がスカスカで後ろが固まり気味。

20210711福島11R(3)

昨年の覇者クレッシェンドラヴはショウナンバルディと並んで丁度中団、ヴァンケドミンゴはそこから2馬身ほど後方の外。今の馬場状態を考えるとちょっと微妙な位置取り。ペースも緩いし、この辺りから仕掛けないと届かないかも。

20210711福島11R(4)

ロザムールとトーラスジェミニは4コーナーで後続に詰め寄られたがそれもそのはず、この2頭の手応えには余裕あり。いわゆる引き付け逃げの態勢。

20210711福島11R(5)

今週も結局内前決着。内ピタのロザムール(青)に外からトーラスジェミニ(黄)が被せに行く展開。直後は既に全力追い、馬群の中からショウナンバルディ(緑)が追い上げ態勢。クレッシェンドラヴ、ヴァンケドミンゴは外を回してまだ後方。

20210711福島11R(6)

前は止まらず、後ろは来ない。いつか見た光景(というか、先週見た)。デジャヴですなぁ。スカーフェイス?後ろのほうを走っていますね。クレッシェンドラヴとヴァンケドミンゴもまだ後ろ。みんな揃ってぶっ飛び~。

内からロザムール、トーラスジェミニが先行争い。マウントゴールド、ブラックマジック、ショウナンバルディなど内枠を中心に前は賑やか。ただ馬場が渋っていてペースはさほど上がらず。道中は縦長、3コーナー過ぎから後続が詰めていく。今の福島はハイペースでも前が残っており、先週同様内前有利で考えておきたい。差しは捲りをスパイス程度に加えたい。

当たってんじゃねーかよ!何でこれで外してるの?意味分からん。展開とトラックバイアスを把握しているのに外して反省って斬新過ぎ。

1着○トーラスジェミニは内のロザムールを意識して突っ込まず、最初のコーナーでロザムールにハナを譲って2番手追走。安田記念で速い流れを経験した後にも関わらず折り合いピタリ、直線で誰もいない馬場の3分どころに持ち出してスパート。ロザムールの粘り腰で僅差の勝利となったが、ゴール前の手応えに余裕があり見た目以上の完勝だった。

2着-ロザムールは出脚こそ今一つだったが、トーラスジェミニに譲られる形でハナ奪取。直後をトーラスジェミニに張り付かれたものの、得意の単騎逃げで余力を残した状態で直線へ。驚異の二枚腰で粘りに粘り、3番手以降には抜かせず。今日の好走要因は単騎逃げ5割、内前馬場のアシスト3割、湿った馬場2割といったところか。

3着-ショウナンバルディはスタートして内に入れ、最初のコーナーでマウントゴールドとカウディーリョの後ろ、6番手の内を確保。4コーナー付近で馬群に突っ込み、直線に向いてブラックマジックの外に持ち出してスパート。唯一外を回して突っ込んできたプレシャスブルーとの叩き合いになったが、何とか差し返した。コースの内を通した岩田康誠騎手の作戦勝ち。

10着◎スカーフェイスはゲート出が甘く後方からの競馬が確定。その後のポジショニングも上手く行かず、1コーナーで馬群の中に埋もれてしまった。道中動きたいところで動けず、まともに追えたのは直線半ば。最初から最後まで何もさせてもらえなかった。評価不能。

12着△ヴァンケドミンゴは大外枠から特にポジションを主張せず中団後方の外。3コーナーに差し掛かってもまだ後方の外。4コーナーにかけて上がって行こうとしたがなかなか押し上げられず、直線に向くところで密集した馬群の外に膨らんでジ・エンド。内前馬場で後方外では何も出来なくて当然。今回この馬から流した人は猛省が必要。

【△】ヴァンケドミンゴ
クレッシェンドラヴ以上に福島ラヴ。というか福島以外ではほぼ来ない。ただ外捲りメインで今回大外枠、内前馬場で届くかどうか微妙。

13着▲クラージュゲリエはスタートこそ出て行ったが内に入れず、外を通って中団。ずっと外を走らされ、4コーナーで不本意の外捲りを敢行して直線ガス欠。内枠ならまた違ったかもしれないが、普通に力負けな感じもしなくはない。とりあえずブリンカーは何の効果も無かった。

14着△クレッシェンドラヴは好スタートを切ったものの行き脚がなく後方。道中はショウナンバルディの外、8番手付近。いつもなら3コーナー過ぎから楽に上がっていけるのに、今回は押っ付け通し。それでも上がっていけず、遂には追い鞭まで入った。4コーナーで内は密集して進路無し、已む無く外に振って詰み。ちょっと負け過ぎ。

【△】クレッシェンドラヴ
福島だと内外から華麗に捲って上位に来る。ここ3戦はGIで度外視可。ただ今年は内前馬場だし、初の58kgで捲り切れないかもしれない。

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