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【レース回顧Vol.453】第65回宝塚記念


レース結果・収支

1着【▲】ブローザホーン(3番人気)
2着【-】ソールオリエンス(7番人気)
3着【△】ベラジオオペラ(5番人気)
・・・
5着【◎】ローシャムパーク(4番人気)
6着【○】ドウデュース(1番人気)
7着【△】ディープボンド(8番人気)
・・・
10着【△】ジャスティンパレス(2番人気)
・・・
単勝1点+1点ハズレ 馬複5点+4点ハズレ 3連複10点+6点ハズレ
レース収支:-2,700 累計回収/投資:57,580/92,300(62.4%)
※ノーベット収支:0 ノーベット累計収支:+2,010


率直な感想

2021年の大阪杯でモズベッロがコントレイルやグランアレグリアに先着したように、雨が降ると補正が掛かる。モズベッロはプラス、コントレイルとグランアレグリアはマイナス。言うなれば天から降ってきた「自然のハンデ」。今回はブローザホーンとソールオリエンスがプラス、ドウデュースとジャスティンパレスがマイナス。今回は適性に全振りでないと当たらなかった。予想には何かしらのテーマを持たせるべきだと思った。


トラックバイアス分析・展開予想の振り返り

レース前の見解

  • 火曜に56ミリ、金曜も22ミリの雨が降ったものの土曜朝時点のクッション値は9.7。2歳未勝利(芝1,600M)で1分33秒5をマークするなど、10週連続開催にしては依然として高速を維持。トラックバイアスは完全に外。しかしこれから降り続く雨で全てリセット。当日の馬場を見定めたい。

  • 明確な逃げ馬不在で展開がよく分からない。前に行った馬が有利と思える反面、ドウデュースやローシャムパーク、ソールオリエンスといった捲り上手が複数いる。縦長は考えにくく、少頭数であることを考えると後続が4角で外を捲って、前が早めに潰されての差し決着を見込むのも面白い。

レース指標

LAP:12.4-10.9-12.3-12.7-12.7-12.9-12.2-11.4-11.7-11.3-11.5
勝ち時計:2.12.0(重) テン3F:35.6 上がり3F:34.5

レースの振り返り

当日朝のクッション値は8.9、含水率もやや水分を含んだ程度でベチャベチャとは言い難い普通の重馬場。トラックバイアスは芝が使い込まれるほどに外差しの様相を濃くしていた。これはもう外差しで間違い無し。全馬一団の状況からローシャムパークとドウデュースが外を捲り上げての外差しワンツー。前で何かが残すか、更に差しが飛んでくるといった狙い。

ジャスティンパレスがゲートの中でソワソワ。これは出遅れるぞ、と思って見ていたら案の定遅れた。その隣のベラジオオペラが絶好の飛び出し。しかし他が行くならどうぞといった感じで横山和生騎手は外を見ていた。それに応えるべく、カラテが前へ。ルージュエヴァイユ、プラダリアもベラジオオペラを交わして前へ。最高速度は67.5km/hと普通。

ルージュエヴァイユの逃げ。巡航速度は55km/hと遅い。プラダリアが外を通って2番手、カラテを挟んでベラジオオペラは4番手。ディープボンドは中団。この位置ではキツい。幸さん何やってんの。その後ろにシュトルーヴェ、ジャスティンパレス、ソールオリエンス。ローシャムパークはこれらの外。不気味なほど折り合っている。お?これはいい感じなのでは・・・。

ドウデュースはブローザホーンと並んで最後方。外を取ったのはブローザホーンで、ドウデュースはブローザホーンに蓋をされる形。3コーナー過ぎからローシャムパークがジリジリ進出。ベラジオオペラもこれに連動して進出。ブローザホーンも後方から追い上げ態勢。ドウデュースは最後方のまま。あれ?仕掛けるの遅くない?まさか内を突く気か?

レース直前に再び降ってきた雨は更に強さを増して、4コーナーは横殴りの雨がハッキリ見える。プラダリアが外を牽制しながら回ったことでベラジオオペラとローシャムパークは大外へ。手応えは悪くないけど距離ロス・・・。しかし4角外前は取れた。戸崎、GO。

紅一点ルージュエヴァイユが馬場の中央で頑張るが脚色一杯。代わってプラダリア先頭。えー?GIIキングに負けちゃうの?その外からベラジオオペラ。そうそう。GI馬だもんね。プラダリアなんかには負けない。ローシャムパークも続け。・・・伸びない。オワタ。ドウデュースは内から差してきているもののこれも届かない。完全にオワタ。ベラジオオペラがプラダリアを抑えつつゴールへ向かって邁進。

ベラジオオペラはコースのかなり外を走っていたが、更にその外からブローザホーンがぶっ飛んできて並ぶ間もなく先頭。続いて同じコースからソールオリエンス。ベラジオオペラ3着、プラダリア4着もみんな外。少し離れてローシャムパーク5着も外。外・外・外。完全外決着。えーっと、アイビス宝塚ダッシュですか?

アイビス~ほど極端ではないものの、全馬外に寄せての追い比べ。
こうして写真で見ると馬場の掘れ具合が一目瞭然。
ドウデュース(内から2頭目)ですら馬場の真ん中を進んでいた。

ブローザホーンは外枠から馬なりでポジションを取りに行かず、終始外々の立ち回り。天皇賞春で2着に来たほどのスタミナ自慢だし、いつでも追い抜けると言わんばかりの追走。それよりもドウデュースに蓋をしていたのは見逃せない。3コーナーまで壁になって外に出させず、自らは大外をぶん回して大外のまた外へ。距離ロスしても溢れ出すスタミナと抜群の重適性で突き抜け。競馬はその時その条件に最も適した馬が勝つように出来ている。

ソールオリエンスも横山武史騎手が当初から外差し一本に絞った乗り方。4コーナーは外に持ち出すことだけに専念。ブローザホーンのすぐ内の位置からブローザホーンと同じ脚色で伸びてきたが、前を走っていたベラジオオペラに外に行かれてこの外に振り直すロス。単独2着確保もブローザホーンには離された。重馬場で外差し決め打ちならこの位走るということらしい。

ベラジオオペラはスタートを決めた上で好位を選択。4角外前に到達した際の手応えはローシャムパークより良かった。最後は外差しの餌食になったがこの馬場で前付けで3着を確保したのは評価したい。プラダリアは4コーナーでベラジオオペラの内にいながらラスト競り負け。京都記念とは全く逆のレース振り。GIの壁を感じる。

ローシャムパークはいつも通りの外を通って上がっていく競馬だったが、大阪杯ほどの覇気を感じず。4コーナーもすぐ内のベラジオオペラにあっさり遅れて、追っても反応薄。いつもなら向こう正面で鞍上と喧嘩するぐらい行きたがるのに、今回は不気味なほど折り合っていて変な感じはした。単に元気が無かっただけ?重馬場も良くなかった。

ドウデュースはスタートを決めた上で徐々に外へ。しかしヤマニンサンパとブローザホーンが壁で外に持ち出せず、道中はずっとブローザホーンに蓋をされる展開。結局外に持ち出す機を逸し、ガラ空きの内を突いてスパート。内といっても馬場の中央。外に行けば行くほど伸びる馬場でこの位置を通っていては届かない。ちょっと、というかかなり消化不良。怒りの札幌記念参戦がありそう。

ディープボンドはスタートから押して位置を取りに行った割に5番手。向こう正面でヒートオンビートにも抜かれて6番手。4コーナーでジャスティンパレスに圧を掛けながら前に出かかったもののそこまで。前にも行けないようならいよいよ引退か・・・。

ジャスティンパレスの行き脚が落ちているのは近走のレース振りを見れば分かることで、この馬場で内から出遅れたらゲームオーバーでしょと思ったら見事に出遅れ。ずっと馬群に包まれて外に持ち出せず、そのまま内を通らされてヘロヘロ。直線で鞭を落っことしたヤマニンサンパにも抜かれての10着。重馬場は間違いなく合っていない。


レース結果からの教訓

  • 競馬はその時その条件に最も適した馬が勝つように出来ている。極端な馬場の時はテーマを決めてそれに全振りするのも手。今回であれば重馬場巧者狙い撃ち、京都巧者狙い撃ち、外差し狙い撃ちなど。

  • 極端な馬場の時はスタートを失敗する(行き脚が付かない)と詰む。ジャスティンパレスは内枠からスタートで遅れて何もさせてもらえなかった。

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