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【レース回顧Vol.100】第26回秋華賞

流れが緩かった上にユーバーレーベンがノーリアクション。これではソダシはキレ負けしますわ。結果、切った2頭のワンツーで無事師坊。金子さんは白い馬がコケても赤い鳥の娘で無事勝利。本当に漫画みたいな御方である。

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ホウオウイクセルがゲートに寄り掛かって激しく出遅れ。昨日の府中牝馬Sの回顧でも書いたが、出遅れ癖はまず治らない。ホウオウイクセルはかなりの重症で、もう競争馬としてはダメかもしれない。ユーバーレーベンは一完歩目が遅かった。内のほうを見遣るとソダシもあまり出が良くなかった。

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エイシンヒテンの直後にソダシが入る。その外に早くもアンドヴァラナウト。これは絶妙。アールドヴィーヴル、アカイトリノムスメも外から前に寄せていく構え。

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エイシンヒテンが2馬身リードの単騎逃げ。ソダシはピタリと折り合っての2番手追走。3番手以降が少し離れて理想的な展開、のように思えた。

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アールドヴィーヴル3番手、スルーセブンシーズ4番手インもさることながら、差し構えるアンドヴァラナウト5番手、アカイトリノムスメ6番手は絶妙。ここからならソダシの仕掛けを見てから追い出せる。いわゆる「勝ちに行く位置取り」

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1,000M通過61秒2。緩い。ファインルージュ、ステラリアはここからだと届かないのでは・・・。

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さて、こうなったら後方にデンと構えておられるユーバーレーベン@デムーロさんにレースを動かしてもらいましょうか。・・・。あれ?動かない。

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直線に入ってもエイシンヒテンが1馬身リード。ソダシは既に追い出しに入っていたがエイシンヒテンに並びかけるところまでいかない。アールドヴィーヴル、アカイトリノムスメ(黄)、アンドヴァラナウト(緑)がこの直後まで迫っていて、かなりマズい状況。ファインルージュ(青)も外差しに構えてこれらに加わりそうな雰囲気。

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残り200M、内からアンドヴァラナウト、外からアカイトリノムスメがソダシを捉えて交わしていく。差し比べでは敵わない。終わった。

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アカイトリノムスメが抜け出し、最後の最後にファインルージュが差してきて切った馬のワンツーの出来上がり。はいはい。秋GI全敗まであと10。

エイシンヒテンがローズSに引き続き単騎逃げも、今回はソダシという強力な先行馬が直後をマーク。スライリー、サルファーコスモスもこれに続いて先行集団を形成。アカイトリノムスメ、ファインルージュ、アンドヴァラナウト辺りは先行集団を前に置いての追走。3コーナー過ぎからユーバーレーベン@デムーロが一気に動いてペースアップ、前もこれに連動して早仕掛け。直線は消耗戦の様相。どちらかと言えば差し優勢。外回しより内で脚を溜められそうな馬が狙い目。

ペース読み違いでハズレ。エイシンヒテン単騎逃げの時点で流れが落ち着くのは分かっただろうに・・・。逆に2番手追走のソダシのほうが追い込まれてしまった。このレースのハイライトはアカイトリノムスメとアンドヴァラナウトの「勝ちに行く位置取り」。

1着-アカイトリノムスメはすぐ隣のアールドヴィーヴルに寄せていく形で1コーナーに進入、アールドヴィーヴルとアンドヴァラナウトに行かせて6番手を追走。ソダシまで2馬身の位置で直線に向いた時点で勝負あり。スローで脚を伸ばす展開ならディープインパクト産駒の同馬に分があった。

【-】アカイトリノムスメ
オークスはソダシ徹底マークからの抜け出しで2着。今回は外枠でポジションが後ろになりそうで、外を回らされ続けるようだと苦しくなる。

2着-ファインルージュはスタートを決めた上ですんなり引いて後方待機。スロー縦長の後方6番手は後ろ過ぎるように思えたが、4コーナー出口で一気に押し上げてそのまま大外からスパート。適度に競り合った内の争いをまとめてスイープ、アカイトリノムスメに迫ったところがゴール。緩い流れでここまで詰めてこれたら上出来。ルメール騎手は桜花賞(サトノレイナス)、オークス(アカイトリノムスメ)、そして今回とそれぞれ異なる馬で2着。

【-】ファインルージュ
オークスは折り合い重視で控えて直線前が壁、紫苑Sは外から突き抜ける強い勝ち方だった。ただ今回はロングスパート想定で、外枠からでは苦しい。

3着▲アンドヴァラナウトはゲートを出た後、エンスージアズムの前を横切ってソダシに神速寄せ。ただ間にアールドヴィーヴルが挟まって、4コーナーはこの直後で待機。直線で内に入れてソダシをあっさり交わし、エイシンヒテンを捉えに行ったところを外からアカイトリノムスメ、続いてファインルージュに捕捉されてしまった。当初からアールドヴィーヴルの位置を取れていれば、というところだった。

【▲】アンドヴァラナウト
ローズSは程良い流れでコースを広く取っての差し切り。阪神は3戦3連対、今回の距離は2連勝中。枠順的にソダシをマークできそうなのも良い。

6着△ステラリアは出負け気味のスタートからクールキャットに蓋をされ、外からも締められて後方からの競馬が確定。後方馬群から直線は外に持ち出してのスパートで、結果としては差し遅れ。後方で脚を溜めていた割にさほど弾けなかった。やはりこのクラスに入ると力不足。

【△】ステラリア
オークスは自ら仕掛けて勝負に出て撃沈。今回はソダシの直後に入れそうなのが良さそう。力は足りないが内で脚を溜めてのチョイ差しに期待。

7着(同着)アールドヴィーヴルは好スタートから行き脚が付き、労せずソダシの直後3番手を確保。4コーナーで押っ付けながら早めスパートでソダシを追ったが、坂に差し掛かったところで脚色が鈍ってしまった。スロー前付けは妙策だったが、馬がこれに対応し切れなかった。まだこれから良くなっていく馬だと思う。

【△】アールドヴィーヴル
ローズSはフラフラしていた春先に比べれば芯の入った走りになっていた。華奢な馬で中3週は不安が残るが、2,000Mという舞台自体は向く。

10着◎ソダシは出負け気味のスタートからリカバーして2番手。折り合いは上々だったが、4コーナーでエイシンヒテンより早く手が動き始め、直線に向いてもエイシンヒテンに並びかけるところまで行かなかった。坂下でアカイトリノムスメらに捕捉され万事休す。レース後、ゲートにぶつけて歯茎を負傷していたことが判明。踏ん張りが利かなかった原因の一つになりそうだが、そもそもスローの追い比べでは他の馬に分があった。

【◎】ソダシ
札幌記念は早仕掛けの展開に対応して早めの押し切りも52kgで直線平坦。阪神で2戦2勝といえど今回は一周の坂ありコース。それでも力で押し切るか。

11着○スルーセブンシーズはスタートを決めた上で内枠を活かした立ち回りで4番手を確保。前はスカスカで詰まる心配無し。ただ4コーナーで早くもついて行けないような手応えになり、坂下でアンドヴァラナウトに置かれて終了。前々で受け止められるほどの力は無かったということか。

【○】スルーセブンシーズ
紫苑Sは直線半ばまで前が壁、坂を上り切ってからのスパートで2着。特段捌きが上手いということはないが、最短距離を走れるのは良い。

13着△ユーバーレーベンは軽く出遅れてそのまま後方待機。このスローで無策ともいえる位置取り。このままなら確実に飛ぶ。おそらくは3コーナーから捲り始動だろうなと思いきや、3コーナーを過ぎても微動だにせず。直線に向くところも後ろから数えた方が早い位置で、何もしない(出来ない)ままレースが終わってしまった。敗因が云々というより、人馬共に全くやる気が感じられなかった。

【△】ユーバーレーベン
オークスは外差し馬場の恩恵もあったが、結果として距離延長ローテが結実。捲り上げの脚があり、自ら勝ちに行けるだけにいきなりから注目。

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