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大島さんとサングラスと恵美須さん

通勤途中で、大島さんに会った。


歩いていると視線の先に白の軽バンが止まり、窓をあけて誰かがこっちを見ている。

大島さんだ。

近頃は、町内の人とも会う機会がすっかり減っている。大島さんの顔を見るのも2か月ぶりだ。


僕はサングラスとイヤホンをはずして、挨拶した。

真夏の暑い日差しの中での通勤時、僕はレイバンの真っ黒なサングラスをかけて歩いている。目に入る強い光が日焼けのもとになると聞いてから、ずっとそうしている。
田舎にいて、日常的に街中で真っ黒なサングラスをかけている人はあまり見かけないが気にしない。ただ、今のこのご時世でマスク姿にサングラスはいよいよ怪しい人になるから、どっちかにしないといけない。


そんな黒いサングラスをかけている僕を見つけて、少し冷やかしたかったらしい。
そういう人だ。
ちょっと軽口を言いつつ、冷やかしながらも、
最後は「今から仕事か。がんばれよ」と言って、車は去っていった。

大島さんはまあまあいかついおっさんだけど、話をした後はなぜかいつもあったかい気持ちになるから不思議だ。(おっさんなど言っているが、歳は5つしか違わない)

そこから少し歩いて、恵美須さん(街角にあるちいさな恵美須神社)に、いつものごあいさつをする。
すると、ふわっと顔がほころぶのがわかった。

今日は、なんだかいい日になるようなそんな気がした。

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