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パン・ペルデュ

料理は面白いもので、外国の調理方法を取り入れようとする時、◯◯風などとつけることがあるが、それがそのまま正式な名前のようになることがある。
最近、調べて知ったのが、フランスのお菓子でアングレーズソースというのがあるが、あれはイギリス風のソースという意味。エッグベネディクトに欠かせないのは、オランデーズソースだが、これはオランダ風のソースという意味。

フレンチトーストはアメリカ生まれなのだが、この流れで調べていて、フランス風という意味かと思いきや、フレンチさんという人が考案したものらしい。(諸説あり)

てっきり、「フランス風」のパンの食べ方なのだと長年信じていた。

ところが、卵と牛乳をといた液にパンをつけて調理する方法がフランスにはある。

それが、「パン・ペルデュ」

パン・ペルデュは、フランスで毎日のように全国民が主食として食べるフランスパンが残った時の調理方法だ。
「ペルデュ」とは「失われたもの」という意味で、パン・ペルデュとは要するに、古くなったパンとか捨てるパンということだ。なんとも残念な名前だ。だから、ブリオッシュやクロワッサンでも卵液につけてしまえば、それはパン・ペルデュということらしい。

だから、華やかなデザートのイメージはない。

近頃、フレンチトーストを、フランス語のほうがオシャレだからと、パン・ペルデュというところがあるみたいだけど、僕としては少々違和感を感じる。

ただ、パン・ペルデュのレシピには、甘くせずに、粉チーズやブラックペッパーを加えて、デザートでなく、食事として食べるものがある。
それを数年前に知ったあとは、時々、我が家のランチで作っていた。

今回、それを店のメニューにしてみることにした。
馴染みのない食べ方だから、どれくらい受け入れられるかわからないけど、少し続けてみるつもりだ。




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