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子どもは他人のせいにするもの。どうすれば自責するようになるのか?|思春期の子育てのコツ

【質問】日常生活においての取捨選択は自己主張になると思うので、子供も自由に判断してほしいのですが、 簡単なこと(服装選び)など、毎回これでいい ? と聞かれたり、自ら決めた直後に後悔し急に変えたりするので、イラッとして抑えられなくなる時があります。叩いてしまうこともあります....
失敗を親や兄弟のせいにする他責の多さも目立ちます(失敗もそうですが、たまたま転んだことを、そこにあなたがいるのが悪い)みたいなのもあります。 育て方に問題があるのは承知しています。どのように対応をしていけば良いでしょうか。


【お返事】自己主張はしてほしいところですね。あなたはそのように思ってお子さんに促していらっしゃるようなので、それで子育てはよいとおもいますよ?まとわりつかれる感じにイラっときているのでしょうか。

※この記事は、Twitterの質問箱に来た質問を深掘りして回答したものです。

■子どもの自己主張、ちょっとした相談ごと

子どもの人生の最初の自己主張は【イヤイヤ期】です。第一反抗期ですね。2歳~4歳くらいでしょうか。人によってはもうちょっと続く場合もあります。母親が最初の試練にぶちあたる時期です。

育てやすい子、育てにくい子はありますが、共通してこの時期は苦戦します。質問者さんは、子どもの自己主張を促す余裕があるようなので、イヤイヤ期を経過し、子どもが学童期に達したあたりでしょうか。

子どもが色々聞いてくるのは、決められないというよりも、他人と比較してどうなのか、という視点もあるかもしれません。つまり、

・他人の視線が気になりだしている

のかもしれません。思春期も近い頃でしょうか。子どもとしては、親に決めてもらう、あるいは自己主張していないというよりも、【ちょっと相談をしている】感覚です。ここで相談できる親だと分かると、子どもは安心します。ちょっとウザく感じるかもしれませんが、時間の余裕があったら、ちょっとした相談につき合ってあげてください。子どもが相談できたと思うと、思春期に入る頃には、親から距離を自分から取っていくようになるでしょう。

中学生になっても、小学生と同じように相談しているようではちょっと困りますが、学童期(小学生)なら十分あり得ます。

■他人のせいにすること

◇自責

一般的には、他責から自責にチェンジするのは20歳を越えてから、つまり、思春期を越えて成人期にならないと自責思考に転換しません。成人の自責思考とは、自分で完全に責任をとっていく思考です。自分にも責任を取り、自分の子どもの責任も取る。これをやれるようになると、

・社会での信用がつきますが、
・抑うつ感を感じるようになります

これはトレードオフです。信用がついて、かつ、抑うつ感を感じないようになればいいのですが、それはムリ。抑うつ感を感じないのを選べば、生き方も他責になります。結果、社会的信用は得られません。しかし、これも仕方ないこと。大人になるとはそういうリスクと引き換えということです。

◇誰でも始めは他責

・例えば、いま小学生なら、人のせいにするのは仕方ありません。

・同様に、中学生が、「すべて自分が悪い」とやっていると、それは我慢している証拠です。思春期は人のせいにバンバンしますから(笑)、自責っぽく振る舞っている中学生は、それはそれで問題児かもしれません。

他人のせいにする子どもを見てると、ムカつくのは当然ですね。それはワガママに直結しているので、よけいに怒りがわいてくるでしょう。子育ては人間関係学習の集大成のような場所であり、会社の仕事よりハードな局面があり、親御さんの気持ちも都度アップ・ダウンすると思います。

■子どもの他責への対応

子どもは他責人間であることは理解していただけたでしょう。そして子どもが他責から自責思考になるためには、彼らが思春期を抜けなければいけないことも理解いただけたと思います。

この思春期を抜けさせるためには、親への反抗が必要なのです。つまり第二反抗期ですね。親へ十分に反抗させてあげられる余地を作ってあげることです。そのためには、次の3つのことに注意してみてはいかがでしょう。

・ダサい親になること
・見守る体制に入ること。そして、後から着いていく
・親の倫理規範に柔軟性があること

ダサい親だと、子どももぶつかりやすいでしょう。カッコいい親は小学生まで。中学生以降は、ダサい生き様を見せてみることです。子どももあんな親くらいになれば何とか社会でやっていけるんだと思えば、自分の未来も明るいし、親側も緊張しなくて済みます。

後ろから見守っていくとは、口出しをしないということ。子どもを先に歩かせて、半歩下がってついていく。子どももそうやって親が後ろについていてくれると思うと心強いものです。口や態度では反抗していたとしても、こころはまだ子ども、親をアテにしているのです。

最後に、親の生きる規範に柔軟性があることが、子どもを楽にします。
親が「絶対東大でないとダメ!」という規範を持っていると、子どもも自由がかなり制限されてしまいます。大学に行くことで自分の進路が断たれる場合だってあるわけで、これだと子どもにとっては死活問題です。親が「一応高校まで出たのだから、あとは自分で考えてやりなさい。いつでも相談には乗るから。」という規範だと、子どもは楽ですよね。このように規範に柔軟性があると、子どもは自由に行動や思考することができます。この自由な行動から自然と生まれてくる責任に対して、自分で負えるようになっていきます。他責から自責へ加速します。

規範に柔軟性がないと子どもの反抗は激しくなります。親への規範に全力で抵抗をします。

■まとめ

・子どもの自己主張は良いこと。学童期になった子どもが色々と聞いてくるのは、他人の視線が気になりだしているのかもしれません。ちょっとした相談として聞いてあげましょう。

・自責は成人期になってから。

・子どもが他責から自責へ変化していくための親の3カ条は、
①ダサい親になること、
②見守る体制に入ること。そして、後から着いていく。
③親の倫理規範に柔軟性があること

⇒解決しない悩みのある方は、ソレア心理カウンセリングセンター へご相談ください。

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