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愛着障害の、約束をしてはすぐ破るパートナーへの対応は?|約束を守ることは気持ちが良いと伝える

【質問】愛着障害(不安・回避型)のパートナーが、自分からした約束(一緒に出かける約束や金銭的な約束)を破るのは、なぜですか?守れない約束なら初めからしなければいいと思うのですが、また約束をしてきます。
約束を破られた時はどんな対応をしたらいいですか?
いつものことなので、もうがっかりしたり、怒ったりすることはないのすが、このまま右から左に流していいのか疑問です。アドバイスをお願いします。

【解説】愛着スタイルには「不安・回避型」というものはありません。愛着スタイルの不安定タイプは、「不安型」、「回避型」、「恐れ・回避型」に分類されています。「恐れ・回避型」は、不安型と回避型のどちらも強い傾向をもっている人ともいえます。
これら愛着スタイルのの中で、愛着障害と呼べるものは、「回避型」と「恐れ・回避型」の2つです(例外はあり)。愛着障害ということですので、今回は「恐れ・回避型」と判断してお話を進めます。
ちなみに「不安型」は、私は、愛着障害というよりも、愛着不全のほうに分類することが多いです(例外はあり)。

愛着スタイルについては、下記記事も参考にしてください。かなり詳細に書いています。

※この記事は、Twitterの質問箱に来た質問を深掘りして回答したものです。

■愛着障害の約束破りについて

愛着障害であるということは、親に「虐待」されてきたという過去があります。そういう人の典型的な行動としては、

  • 人に合わせる

  • 人から距離をとる(あるいは表面上の薄い付き合いしかない)

  • 常識的なことの理解が浅い(親から教えてもらっていないだけで、常識的なことは大切なことであると、理解する能力はある)

この3つが共存している行動パターンをとることが多いです。

人に合わせているため、成り行きで約束をしてしまうこともあります。また常識的なことが(部分的に)よく分からないこともあって、約束を破る意味、それによって信用が落ちるということがよく分からないということもあります。

  • もともと基本的な信頼感が薄いので、人と信頼しあうことがよく分かりません。そのため、信頼(信用)が落ちることに対しての危機感も、非常に希薄な場合があります。結果、常識的な行動とズレた行動をとることがあります。このズレに対して、ASD(自閉症スペクトラム)とも誤診されている場合があります。

  • 人に合わせる行動が強い人は、人の行動に常に目を配っているので、逆に約束は必ず順守する、約束以上のことをする場合もあります。

  • 人から距離をとる行動が強い人は、約束などしませんので、約束破りは起きません。

愛着障害の方は、がっちり約束を守る人もいれば、約束など守らない人もいるということです。前者は「回避」が強い人、後者は「不安」が強い人と言えそうです。

◇愛着障害の人が約束を守るための対応

愛着障害の人は、約束を守ったほうがいいと忠告をしても、その意味が分からないことがあるので、

  • 約束を守ると気持ち良いよ、と教えていくことです。

この方針は、気持ちのよいことを重ねていけば、愛着障害の人の抱えている「安心感の欠如」が補充されることを目指しています。これに尽きるでしょう。「〇〇すると気持ちいいよ」。この〇〇の部分に、いろんなことが入るでしょう。

例えば、膝を立てて食事している人に対しては、「膝を立てずにゆったりと座って食事するほうが美味しいよ」というように使います。

■愛着不全の約束破りについて

質問の方は愛着障害を想定していますので、ここからは、補足説明になります。愛着不全の人は、見捨てられ不安が強い、不安型愛着スタイルをとることが多いです。

これは見方を変えると、「思春期心性に近い」ものになります。そのため責任感が弱く、「約束は守らなくてもまぁいいや」そのように考えてしまいがちです。

◇愛着不全の方への対応

思春期心性ですので、指示したりすると、逆に反抗する気持ちが芽生えます。ですので、約束を守らないことも、

  • そっかー、めんどくさかったのか」というふうに、逆張りしないことです。その人の行動に抵抗しないことです。

これを繰り返していくことで、だんだんと大人になっていくでしょう。これは実は、親のやる仕事ですので、パートナーがやれるものではないでしょう。

もし質問者の方のパートナーが、愛着障害ではなく、不安型愛着スタイルの愛着不全だった場合は、「右から左に流して」様子をみていくやり方で良いでしょう。責任感のなさがカチンとくるかもしれませんが、気持ちとしては子育ての一環のような対応をとってみてください。

▶解決しない悩みのある方は、ソレア心理カウンセリングセンター へご相談ください。

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