愛着をめぐる鍵の話|あなたの人生、彼らの人生で落とした鍵は何ですか?
【お返事】落とした鍵の重大さは、あとになって気がつくことが多いでしょう。世にヒットする映画やドラマなどは、そういうストーリーですね。それって、誰でもわかっているはずなのに、鍵を落としてしまう。人生ってママならない、そんな苦みをなめ続けている人もいるでしょう。
今回は、こちらの記事についての補足です▶人生や生きることについての普遍的な考察|マイナスイメージしかもてない、わたし
落とした鍵ーこれは誰にでもあるのか、そうではないのか、それは私もあまりよく分かっていません。誰にでもあるようにも思います。そして死ぬ直前に、落としたことに愕然とする人もいるでしょう。途中でそれを発見する人もいる。そんな秘密のドラマが隠されているのが、この人生劇場のように思います。これはおそらく、ユング的な考え方ですね。
※今回の記事はラジオでも視聴できます。テキストを見ながらどうぞ▼
※この記事は、Twitterの質問箱に来た質問を深掘りして回答したものです。
■愛着障害の人の落とした鍵
愛着障害の人の落とした鍵は、基底欠損の世界から抜け出す扉を開けるための鍵ですね。質問者さんのおっしゃる通りです。月から地球へつながる「どこでもドア」を開けるための鍵ですね。こちらは、哲学ではなく、実際の臨床的な話です。そして、その鍵もドアも、ちゃんとあります。
その鍵によって、恐怖の世界から抜け出すことができます。火星や月から地球へ降り立つことができます。
しかし、その鍵を手にいれることで、地球へ永住するわけではありません。また、ときどき彼らのふるさとである火星や月へ戻ります。その大気の薄さがいいんですね。それが彼らのふるさとです。
これは異星人のように見えますが違います。異星人は、地球人ではなく正真正銘の火星人だったりします。愛着障害の人は地球人だけれど、生まれ落ちた家庭環境によってそこを追われた逃亡者のようなものです。
さて、愛着形成不全の人の落とした鍵、普通の人の落とした鍵は、何の扉を開ける鍵でしょうか。
■愛着不全の人の落とした鍵
愛着不全の人の落とした鍵は、親との関係に決着をつけるドアを開く鍵です。そして鍵は「感情」でしょうね。質問者さんのおっしゃる通りです。
感情をキーワードにして、感情の行き着く先を見届けるのが愛着不全の人の辿る道です。ということは、感情の変化を経験することになります。そのたびに新しい鍵を発見しつつ進むことになります。そして開けるドアもそのたびに変わります。
彼らが最後に手にいれる鍵は「あきらめ」です。最後のドアは「あきらめのドア」。こういう過程をたどるので、愛着不全の人の回復には時間がかかるのですね。
愛着障害の人のどこでもドアは、開くまでが大変ですが、いったん開くとその先の道は1年~数年くらいでしょうか。でも愛着不全の人の道のりは、数年以上は見ておく必要がありそうです。
■普通の人の落とした鍵
普通の人の落とした鍵は、人生をバージョンアップしていく鍵です。かつて70年代に井上陽水(*)が「探し物はなんですか。見つけにくいものですか。探すのをやめたとき見つかることもよくある」そのように歌っていました。
普通の人の落とした鍵は、そんな鍵です。少し近視眼になっているので、視野が狭くなっているので、いったんがむしゃらに探す行動から離れれば、視野が広がって、その片隅に落とした鍵が見つかるよ、そんな鍵です。
(*)井上陽水, 夢の中へ, 1973
■まとめ
人生のドアを開く鍵ー落とした重大さは後になって気がつく
愛着障害の人の落とした鍵は、基底欠損の世界から抜け出す扉を開けるための鍵
愛着不全の人の落とした鍵は、親との関係に決着をつけるドアを開く「感情」の鍵
普通の人の落とした鍵は、人生をバージョンアップしていく鍵
◇ラジオのおやすみ談話室:愛着不全は愛着障害から学ぼう。(最近の私のカウンセリングの変化。)愛着の視点で考えると、地続きではないが、参考になるものが多い。
それぞれの時代の春の雨。1978年、1981年、1989年。
■他の助けを求めるのもいいでしょう
もし、あなたが自分の落とした鍵がみつからない場合は、臨床心理士などの心理の専門家にアドバイスを求めるとよいでしょう。時間はかかるかもしれませんが、あなたのカウンセリングがうまくいきますように。
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