わざとどもることについて|イギリス人の吃音と吃音者の吃音の違い
吃音(どもること)について悩んでいる方は一定数いると思います。実は、私もそうで、私の場合は幼少期からですので、かれこれ60年以上のどもりの人生を歩んできました。今後もこのままで、死ぬまでどもりと付き合うことになります☺
最近、ヤフーの知恵袋に、面白いどもりの記事があると教えていただきました。
■イギリス人の吃音
この知恵袋の質問と回答を、ざっと要約すると、次の3点になります。
イギリス人にはわざとどもる人がいる。
アメリカ人にはわざとどもる人はいない。(他の国でもわざとどもる人はいないようです。)
イギリス人の上流階級の人々の中に、「上流気取り」で、特徴付けのために、どもった喋り方をする人もいる。知性の高さを象徴しているらしい。
わざとどもるという話しを聞いて驚きました。イギリス人の一部にはそういう向きもあるようです。上流階級の一部ということですので、われわれが普通に目にはしないですね。
でもどうして知性の高さに結びつくのか疑問は消えません。確かにソクラテスを始め有名人がどもりで知られています。最近ではアメリカのバイデン大統領ですね。しかし、ソクラテスやバイデンを真似ているわけでもないでしょう。不思議な風習です。
しかし、この事実は本当かどうか疑わしい気もします。なぜなら映画「英国王のスピーチ」では大統領が必死になってどもりを治そうとしているからです。つまりどもりを「治す対象」として扱っています。ここで分かることは、わざとどもることと、吃音とは全く違うものだということです。
YouTubeをご覧ください。この動画の左の人がときどき、どもります。字幕を表示させるとよく分かります。IやYouで、ときどきわざとどもっている感じですね。これは吃音ではありませんね。あくまでも強調の域ですね。なぜなら吃音なら、音が出にくい、もっと力が入っている、いたるところで詰まる等の現象があるからです。
■それでも、吃音者よ、わざとどもろう☺
わざとどもることと吃音は全然違うものですが、それでも私は、吃音者がわざとどもることについての効用を話したいのです。私のどもりの記事をご覧ください。
重要な箇所を引用しておきます。
私の実体験です。私は臨床心理士です。みなさんの話を聴くのが仕事です。それでもカウンセリングの最後のほうで、少し、こちらの感想や助言を言ったりする場面があります。
そのとき【味のある心理士】になるには、【重要な場面でどもる】のです。これをワザとやる。
・よし、ここでどもろうと思って、どもる。
吃音者は、どもりの専門家です。ですから演技じゃなく、本当にどもることができます。この迫真な感じが、相手に伝わるのです。
また、あえてどもろうとすると、緊張が下がるため、どもれなかったりします。【どもろうとしたのにどもれなかった】という体験もすることになるのです。これは良いことに思いますよね?でも違うのです。どもれない場合は、心理職としてはマイナスです。なぜなら、どもって場の空気を作ろうとしたのに、それに失敗しているワケですから。
でもこの失敗を地団駄ふんで後悔する「俺はなぜどもれなかったんだ!?」までいくと、気がつくと吃音は軽減しているでしょう。
どうでしょうか。私は臨床心理士になって、どもりが軽減しました。どもりのみなさん、臨床心理士などはいかがでしょうか☺
いまはかなり軽くなったのかもしれませんが、いまでもどもっています。あたまの中ではどもっている感覚があります。いつどもるか?予想がつきません。
調子が悪いとどもることが多い
調子が良くてもどもることが多い
リラックスしているときもどもることがある。例えば、温泉に浸かっていても、ヨガをしていても、マインドフルネスでもどもる。
どもりはリラックスとは関係ないところで起こっている不思議な病です。軽快したとしても気分的にはどもっています。以下の記事も参考にしてください。
原因は心因だけではなさそうです。遺伝(DNA)とも関係があるのかもしれませんが、軽快するというところが、遺伝的でないですね。
⇒解決しない悩みのある方は、ソレア心理カウンセリングセンター へご相談ください。
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