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こころの援助者は毎日のセルフケアが重要|自分をケアできないと他人をケアできない


この記事は「シノブラジオ」の覚え書きです。本編が気になったら、下記のラジオのほうもお聴きください。
>>シノブラジオ

【臨床心理士のセルフケアの重要性】


アメリカ心理学会Newsからの抜粋です。

これは援助職を対象にした記事ですが、一般の方にも十分に利用できる有益な記事です。

メンタルヘルスの専門家が燃え尽き症候群になる可能性が高いことはよく知られています。コロナによって人々の間に長期ストレスが加わり、心理療法の需要が高まるにしたがい、心理士の燃え尽き症候群リスクは高まっています。

心理士に多くの新しいプレッシャーがかかって、今まで以上に自分たちをサポートすることが重要です。心理士は、自分のストレスと患者のストレスのバランスをとるだけでなく、自宅で家族と一緒に仕事をしたり、オンライン相談をしたり等、前例のない課題に直面しています。

多くの相談はオンラインで提供できます。しかし暴露療法をオンラインだけで実施するのは難しい。同様に、強迫性障害、恐怖症、社会不安症、孤立、うつ病、買物依存なども適していません。このように解決策がない状態でカウンセリングを続けるストレスにより疲労が蓄積します。

心理士にとって健康は死活問題。健康を害すると患者を援助できなくなる。慢性ストレスによって孤立感の中、注意力が低下し、鈍感になり、共感性の低いセラピストになる可能性があるからです。また緊張状態が続くことことで、柔軟で創造的な思考ができなくなる。



【心理士の6つのセルフケア戦略】

心理士が燃え尽きないためにはセルフケアが必須ですが、一般の人がそれを手にいれるのが難しいように心理士にも困難です。なぜなら現代社会は生産性を最も重視しているから。忙しいスケジュールの中にセルフケアというゆったりとした時間を組み込むのが難しいからです。

心理士にとっては、セルフケアがなければ、良い心理的ケアを提供できないということを思い出しましょう。セルフケアは、心理士の技術の一部です。どうやって自分を癒しているか。それが良い心理サービスを提供する一条件です。セルフケアをルーチンに統合していくことが必要です。その6つの戦略とは…

①基本に戻る
自分が感じているストレスレベル、身心への影響を監視する。【7時間の睡眠、野菜を中心とした食事、1万歩の運動、瞑想】は幸福のための基本要素です。セッション中に緊張していると気づいたら、姿勢を調整し、足を少し動かし、水を飲んでみましょう。


②積極的にアプローチする
自分にとって何が喜びを感じる活動か、誰といることがリラックスできるか考える。どんなときに、リラックスし、熟考でき、リフレッシュできるか考えて、それをルーチンに組み込む。でもたまにはルーチン破りをして楽しむ。これがルーチンをイキイキ使うコツ。

③仕事の境界を設定する
働くことを制限する。家に帰ったら仕事が終わったことを思い出させる儀式をする。着替えたり、コーヒーを入れたり、定番の音楽を聴くなど。これで仕事モードをオフにします。在宅勤務の人は、仕事と個人の時間を明確に分けるルーチンを取り入れます。
在宅勤務において仕事とプライベートの分け方のコツは、「ニセの通勤」も良いでしょう。散歩、ランニングを通勤に見立てるのです。

④サポートを得る
あなたのメンターやSVを見つける

⑤柔軟にやる
あなたが楽しみにしているイベントや活動を計画に取り入れる

⑥自分を思いやる
ほとんどの心理士はいかにセラピーがうまく行ったかを考えています。そしてうまくいかなかったケースに過度に思い悩んでいます。心理士は自分たちがした良い仕事を思い出す必要があります。良い仕事ができなかったとしても、自分を責めることはやめましょう。

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