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山口探訪録 国指定重要文化財「菊屋家住宅」

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幕末期に活躍した人物を多く輩出した長州藩もとい山口県、その中心地だった萩には、当時の風情を残した街並みが残っています。菊屋家住宅は城下町の一角にあり、萩の町の発展に尽力した豪商・菊屋家の商家になります。
この建築は、現存する商家として最古のものです。

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丁寧なスタッフの解説と、訪問時に催されていた「萩城下の古き雛たち」の展示によって、歴史好きには特に引き込まれる空間でした。

なお、主屋・本蔵・金蔵・釜場・米蔵の5棟が国の重要文化財の指定を受けています。また一部の敷地は、特別公開の時のみ観覧可能です。

中庭~書院

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菊屋家に入ると、まず御成門が目に入ります。要人を迎えた際、この門より庭へ入り、そこから迎賓館として使用された書院を通られていたそうです。
一般的な商家ではこのような門はありませんが、要人を迎えるために設けられていたとのお話でした。

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書院より見た中庭です。花を用いず、常緑と紅葉のような葉によって、季節を感じさせる工夫をしているそう。
中央に見える大きな石は、駕籠(かご)置石といって、殿様などが駕籠でいらした際に、乗り降りをする場です。

江戸雛

書院では、「萩城下の古き雛たち」の企画で、江戸期に作られていた享保雛が展示されていました。今のものと比べると、頭が大きく、女性の冠が異なります。この冠の意匠が中国由来のものに見えたので、お話を聞いてみると、やはり中国や朝鮮半島からでした。

主屋

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書院を奥に入っていくと、少し雰囲気が変わってきます。こちらは、実際に店として利用していた場所です。
菊屋家は米の他、様々なものを取り扱う総合商社のような商人で、後にしょう油を取り扱うようのなったとのことでした。

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主屋では多くの展示品がありました。武具、民芸品から御殿雛と多種多様。これらの展示品は菊屋家に所蔵されていたものです。当時の豪商の暮らしぶりが垣間見えます。

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主屋を過ぎると炊事場があり、ここから先の本蔵や金蔵は、撮影禁止区間になります。

撮影禁止区間では

日本画や当時の百人一首の展示、地下金庫として使用されていた千両箱などを見ることができます。面白いと感じたのは、千両箱へお賽銭のように小銭が投げ込まれていることでした。豪商にあやかりたいということでしょうね。

訪問した感想

中庭や展示品が見所ですが、スタッフの方々の丁寧な解説によって、着眼点をもってそれらを観覧をすることができました。歴史を知っている方ならより関心がもてるでしょうし、そうでない方にも分かり易い説明をされています。

また、現地でしか見れないものもあります。私たちの間では、千両箱が人気でした。萩にお越しの際は、ぜひお立ち寄りいただきたいスポットです。

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