ニキ・サントス・クルーズ
1. わたしの手 わたしの手はよくはたらく。マニラにいたときは鉄くずをひろったり物乞いをしたり食器をあらったり橋の下の家をそうじしたりお金をかぞえたり家族のためにはたらいた。自分のためにも少しだけはたらいた。絵をかいた。字もかいた。でも学校へはかよえなくなった。中学で終わり。
中学は好きだった。とくに友だちのニコル。かのじょは利口で気がきいて友だちおもいだった。彼女の家は橋の下じゃなかったけどばかにしなかった。すごくあいしょうがよかった。「イシンデンシン」って感じ。勉強も