村上政彦

小説家。1987年、『海燕』新人文学賞受賞。以後、5回続けて芥川賞のリングに上がるが、…

村上政彦

小説家。1987年、『海燕』新人文学賞受賞。以後、5回続けて芥川賞のリングに上がるが、腕力自慢の選考委員らからボコられる。しかし吉行淳之介氏、古井由吉氏が味方になってくれたので、辛うじて命拾い。日本文藝家協会常務理事。ムラマサ小説道場主宰。

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1. わたしの手 わたしの手はよくはたらく。マニラにいたときは鉄くずをひろったり物乞いをしたり食器をあらったり橋の下の家をそうじしたりお金をかぞえたり家族のためにはたらいた。自分のためにも少しだけはたらいた。絵をかいた。字もかいた。でも学校へはかよえなくなった。中学で終わり。  中学は好きだった。とくに友だちのニコル。かのじょは利口で気がきいて友だちおもいだった。彼女の家は橋の下じゃなかったけどばかにしなかった。すごくあいしょうがよかった。「イシンデンシン」って感じ。勉強も

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