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「映画:THE FIRST SLAM DUNK」を観た。

自分はスラムダンクに思い入れがないので、フラットに観ることが出来たというのもあるかもしれないが、客観的に観ても、どんな人にもオススメできる傑作だと思う。

声優が変わったことなどが批判されているが、映画的には間違いなく傑作で、2度観て、内容が分かっていても泣いてしまう映画だと思う。

劇場で観たスラムダンクは、久しぶりに観た映画だった。

最近はサッカーW杯の試合を観ていたという事や、年末で少々忙しく時間があまり作れなかったというのもあるが、時間ができても映画を観に行く元気がないような時期がたまにあり、そんな時期に久しぶりに観に行く映画には、映画論だとか、メタファーだとか細かい事は考えずに、感情移入できて、ワクワクして、感動して、ずっと観ていたい、子供の頃に友達と観に行った時のような映画体験を望んでしまう。

この映画には、期待通りのそれがあった。

全てが詰まったエンターテイメントで、純粋に楽しくて、かっこよくて涙さえ出た。一人で観に行ってよかった。

昨年観た「トップガン マーヴェリック」と似ている映画体験だった。

原作の漫画も好きだけど、正直に言ってファンと言っていい程に思い入れはない。キャラクターの名前もうろ覚えだし、どちらかと言うとシュートというサッカーの漫画の方が好きだった。

それでも、これほどに感情移入出来て、観終わった瞬間にもう一度観たいほどに楽しめたのは、作品愛を感じたからだと思う。

作品から逃げずに結末をつけようという熱意と、原作を読んでいない人にも最低限の情報は与えつつ、あくまで新しいスラムダンクとして作られているからこそ、説明的ではなく、今作にかける熱意も強く感じた。

回想シーンが入る事で、新規のファンも観やすい上に、その回想シーンにも新しい要素が含まれていて、昔からのファンをも飽きさせない。

それでいて、あくまで主軸は山王戦の試合なので、全員がこの映画の結末がこの試合終了のホイッスルであると理解した上で観ることができる。

「トップガン マーヴェリック」では“ミッション"だった分かりやすい目標が、この映画では山王戦なのだ。

アニメーションも実際の人の動きをトレースしたかのようにリアルだけど、時にはアニメでしか出来ないような大胆なカメラワークで、惹きつけられた。

あまりにもトレースが過ぎる絵には、逆に作り物であることを感じてしまう時があるが、アニメの良さは失わない良いアニメーションだったと思う。

スラムダンク好きな人にも、知らない人にも、アニメが好きな人にも、映画が好きな人にも、もれなくオススメできる傑作だと思う。

また観たいし、何度も観たい。

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