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一点豪華主義の功罪

あれはバブルが弾ける前後のことだったと思う。
片岡義男氏の小説に髪の長い髪美しい女がやたらと登場していた時代だ。
そもそもこの小説には白Tシャツにリーバイスの501を穿いただけで絵になる男女しか出てこない。※個人の感想です。

で、そんなシンプルな服装で唯一お金がかかってるとわかるのが舶来品の時計であった。代表的なのがロレックスのオイスター。さりげなく着けているのがカッコいい時代。

これが一点豪華主義の始まりであったと記憶する。本当か嘘かは人の感性次第なので異論があることは承知の上である。
一点豪華主義、とは言っても「張りのある肉体」と「艶のある髪」がすでに「贅沢」で「豪華」なものであることに気がつくのは人生も後半にさしかかってからであろう。

最近の医療や美容整形、美容歯科の進歩のおかげで、実年齢にそぐわない真っ白な歯やフサフサの髪、ツヤツヤのプラスチックのような肌を手に入れることが可能となった21世紀。
もちろん、男根についても「張り切って参りましょう!」とばかりに様々な媒体で広告が打たれている。
スポーツ新聞には若めの”奥さん”の肩を抱く老齢期の壮年。「妻も大喜び!」というコピーとともに拳を突き上げる写真広告が載る。

でもね、たるんだ背筋が支えきれなくてポッコリと飛び出たお腹の下からニョキっと天狗の鼻みたいのが生えてきてもそんなに大喜びはできない気がする。
ましてバイアグラなんか服用して「ムダに」長持ちされてもしんどくなる乙女心はわかって欲しいよね?女子たちよ。ま、こっちもオバさんなんだけども。

高額なインプラントも獅子舞みたいな仕上がりになることもある。
増毛育毛を重ねても骨格は70代だとカツラかぶってるようにしか見えなかったりもする。つまり何が言いたいのかというと、その身そのままで無理しないでいきましょうよ、ってこと。

健康で食べるものが美味しくて、空を見て微笑む時間がある。そんな心があれば人生は最高!それこそが「一点豪華主義」ではないだろうか。

とはいえ、もう少しあがきたいと思うのも人情。
色々試して、後悔のない人生を歩んでいただきたい。と、最後は丸投げして終了。

ではまた。

Live your life, as you like.



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