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最近読んだ仮面ライダー漫画と20年前に読んだ穿ったヒーロー漫画を結んだ線上の創作小噺vol.1


多分20年くらい前に、月刊アフタヌーンというマンガ雑誌に連載していた

「ぽちょむきん」という漫画がある。

作家さんは北道正幸さんという人で、裏辻から斜めに繁華街を眺めているような印象を受ける独特な感性の漫画家さんだ。

当時はとても面白く読ませていただいていて、ちょっと楽しみしていた連載だった。

全然物語の内容は違うのだけれど、最近の仮面ライダー漫画で

「東島丹三郎は仮面ライダーになりたい」という漫画がある。

作家さんは柴田ヨクサルさんという人で私は30年前に「谷仮面」という漫画から知った。以来ずっと色々な作品を読ませて頂いていて、ちょっとズレた情熱が迸りひた走る希有な漫画家さんだ。

二つの漫画の共通点は、「正義のミカタ」だったり「悪の組織」だったり「隠された真実」だったりする(気がしている)

最近読んだ仮面ライダー漫画がきっかけになって、昔書いた小噺を復活させようかな。なんて考えている。

そこで、11年前に書いた小噺を引っ張り出してきてもう一度物語を摘むんでいこうか。


第一話  仕事

俺は悪の組織に勤めている、しがないサラリーマンだ。

事務の仕事をしているので、一目で悪の組織とは喝破されないが

それなりに会社愛があるので正義の味方は嫌いだ。

この前、上司に戦闘構成員になりたいですと転属届けを出したが

「君には向いてない」と一蹴された。

「それに君にあっちに行かれると困るよ~、ここは無駄な人員なんていないんだ、最近は戦闘構成員も派遣が多いし、殴られて歯を折られても労災なんておりないよ~」 とたしなめられた。

戦闘構成員及び怪人幹部の皆様はこの会社の花形だ。

露出も多いし給料も高い、何より会社の理念の体現者だ。

かっこいい、単純にかっこいい。

俺はビジネス専門学校が最終学歴で

怪人開発やアジト誘致及び地上げ交渉、怪人改造者スカウト及び拉致など裏方でも会社に貢献している喜びの多い部署には転属できそうがない。

彼らの大半は大学卒のエリートだ。


ルールを覚えるには最低限、大卒であってほしい会社の考え方による。


それなら、せめて体を張って黒タイツの一着でも着ようかと思ったが

彼らは派遣だったのか・・・・・

話によると時給はなかなかいいらしい

でも誓約書に必ずサイン(怪我や死亡の際に会社に責任がないこと、訴訟や損害賠償など起こさないこと、機密保持のため自爆装置の埋め込みや死亡時や戦闘不能時には体が溶けて消えるような手術を受けることに同意する等)が必要。

そうだよな・・・・・

体を張るってそういうことだよなぁ・・・・

3ヶ月研修の基礎体力向上プログラムで根をあげる人も結構多い

簡単に説明すると「キーキー」言いながらサーキットトレーニングを延々とし続けるようなものと聞いた

俺のこの腹じゃ無理か・・・・・


今日も、会社の備品の伝票や上がってきた領収書の整理だ

最近トイレットペーパーの消費が多い

誰か社員が自宅にもって帰っているのかなぁ

なんて思った。




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