親しき仲にも何とやら

 私がnoteに書くことはリアルの人間に見せる予定のないことである。見せるための文章ならだれかとつながっているSNSを使えばよい。

 日記のような何かをnoteに壁打ちしていると口をすべらせた。
「日記?何それ読みたい」

 いや、あなたのことも書いてしまったから見せられないんだけど。
今からいくつか非公開にするから待って。
「え、やだ。そのまま見たい」「俺だけに見せて。全世界公開しないで」
んーまあこれだけなら。

 送られたリンクを翌日見ることを夢みて、今、彼は眠っている。

 私のことを理解するのにここの記事は役に立つと思う。私に関心をもってくれているのもきちんと分かっている。

 でも。言えない自分の気持ちの避難場所としての役割ががらがらと消えていくのが見えて。それはなんだか不愉快だと思った。

 うっかり送ってしまったここのリンクを消した。多分彼はまだ読んでいないし私のユーザーネームも覚えていないだろう。いや、記憶力のよい彼のことだから覚えているのだろうか。

 朝が来るのが怖い。

 彼には私のすべてを知ってほしいと思う。でもこの場所には仲の良い人間ほど触れてほしくない。見てもそっとしておいてほしい。誰かに見てほしいけど触られたくない何かがここではうごめいているから。



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