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キャバクラ派遣の審査に落ちた理由

前置き

 受験生時代、ひとつも大学に受からなかったら家を出て夜職で食べていこうと考えていた。年老いて仕事ができなくなったら人生を終わりにすればいいか、と。無事にとある大学に拾ってもらえたので、これはただの現実逃避をするための妄想で終わったのだが。一人暮らしの生活費の高さ、大学生バイトの時給の低さに耐えかねて、夜の街で働きたいと思うのにそう時間はかからなかった。夜の世界では、おじさまたちにお酒をついでお話をして、普通のバイトの3~5倍のお金が手に入るというのだ。なんて素晴らしい世界なのだろう。

キャバクラ派遣って?

(注)筆者は夜職に就いたことがないので誤りを含む可能性があります。
 キャバクラ派遣はそのお店と1日単位で働く契約を結ぶ形態である。1日単位で働きたいときだけ働ける手軽さが魅力だ。どこかのお店でシフトを組んで働くのは怖かったので派遣からはじめようと考えたのである。
 ネットでいくつか派遣会社を比較する。最も審査の合格率が高く、未経験者への研修が丁寧だという会社に申し込んだ。

いざ、審査へ

 その場で写真を撮るから化粧をすること、顔つきの身分証明書を持ってくること、が条件だった。慣れないメイク、少しでも可愛く見せるために選んだ私服、どきどきしながら駅前のビルに入った。
 きれいなお姉さんに案内されて席に着く。やったことは以下の3つだ。
①フォームに個人情報、身長体重等を答える
②写真を撮ってもらう。(お姉さんがタブレットで撮ってくれた)
③研修動画?を見る
 事前に言われていた通り、30分程度で終わった。移動のために電車に揺られている時間のほうが圧倒的に長かった。そして、翌日にお祈りメールが届いた。私は落ちたのだ。

落ちた理由の考察

①ブスだから
これが真っ先に頭に浮かんだ理由だ。・・・次へいこう

②メイクが下手
口コミでは研修動画の中にメイクの仕方がある、と言われていたがそんなものはなかった。嘘つき!
髪を巻いてくれるお店はあるそうだが、キャバ嬢さんたちは基本的に自分でメイクをするらしい。メイクができないというのはそれだけで致命的なのかもしれない。

③写真映り
 写真はお姉さんがさほど時間をかけずに撮ってくれた。もし審査に通過してたらお店に見せる用の写真だ。多分顔面がひきつったホラー写真になっていたに違いない。自撮り写真ですらそうなのだから。

④虚偽の申告
これが最も妥当な理由だと考えている。実はフォームに2回答えたのだが、1回目では重めに答えて、2回目では軽めに答えたのだ。ストレスで体重が減っていたことを1回目に答えた後に知ったので、2回目は真実に近い値を答えたのだが、5kg程度差が出てしまった。

おわりに

 そんなこんなで夜の街で働く夢は途絶えた。ほかの派遣会社に応募するという手もあるとは思うが、面倒なのと上に書いたような原因の改善が難しいのとで、おそらくしないだろう。
 落ちた直後は「こんなに可愛い私を落とすなんて…!」と憤慨したが、親にも友人にもなんとなく言いにくい、税金の計算のややこしそうな仕事を経験しないで済んで良かった、と今では思っている。





 


 

 


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