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野呂英作【シルクガーデンソックソロ】で靴下を編んでみた!

  1. シルク、モヘヤ混のソックヤーン!

  2. 太さ、撚りの強さに波のある単糸。

  3. BOはぺギストで!

  4. 30回以上洗濯してみた。

  5. 手荒に扱った野呂ヤーンの見本....…。

1.シルク、モヘヤ混のソックヤーン!

編み物を始めたばかりの頃、存在を知って以来、「素敵....…!素敵だけど高級な糸....…!ちょっと手が出ない....…。」「手入れはドライクリーニングかあ。ちょっとハードルが高いなあ。」と、憧れの気持ちは有れども、中々購入に踏み切れなかった野呂ヤーン。
しかしある日、ソックヤーンの存在を知る事となります。
「セーター着分の購入は無理でも、靴下1足なら1玉で編める!お値段もそれ程他のソックヤーンと変わらない!」
そして何より、晴れた日の春の野山の様な色彩に心撃ち抜かれて、シルクガーデンソックソロを購入したのでした。

1/2ずつ重さを測って玉巻きして分けたシルクガーデンソックソロ。

購入したサイト、そして公式のホームページにもある通り、洗濯表示の一番左のマークは「洗濯処理は出来ない(水洗い不可)」を意味するマーク。ドライクリーニング推奨と言う事です。

シルクガーデンソックソロの洗濯表示。上段左から、「洗濯処理はできない」「漂白処理はできない」「タンブル乾燥処理はできない」「日陰での平干し乾燥」、下段左から「底面110℃限度のスチームなしのアイロン」「石油系溶剤でのドライクリーニングができる(弱い処理)」「ウェットクリーニング処理はできない」

しかし。しかしだ。
世の中に、靴下を履く度にクリーニング店に持って行って「ドライクリーニングでお願いします。」と預ける人間が居るだろうか?普通に家では洗えないのか?クリーニング代掛かるよ???
と思った私は、スワッチを編んだら4つに畳んで洗濯ネットに入れてほかの洗濯物と一緒に普通コースで洗うと言う暴挙に出ました。

ゲージは毎回紙タグに記入して編み地と一緒に保管しています。

さて、洗濯前と洗濯後のゲージを比べてみると、10㎝×10㎝が、洗濯前は27目×44段だったのに対し、洗濯後は23目×45段と、横方向は若干縮むものの、縦方向には僅かに伸びる。この縮み分を考慮に入れて目数を割り出して編めば、洗濯機で洗う事が出来るかも知れない!

洗濯前の編み地。
洗濯後の編み地。
洗濯後の編み地を裏から。糸端がフェルト化して固まり始めている。

編み地表面の手触りは洗濯前よりも柔らかくなり、表面と糸端が若干フェルト化しています。ふと、「フェルト化はしてもそんなに縮まないのでは?」と言う考えが頭を過ります。
思い込みんだら止まれない、早速割り出しの計算を済ませてCOです!

2.太さ、撚りの強さに波のある単糸。

さて、この糸は、糸の名前に「ソロ」と付く通りに、単糸です。この色番T1は、春の霞の懸かった空を思わせる水色に、ピンク、黄色、茶色、濃い青などのカラフルなネップが混ぜ込まれて紡がれた、とても素敵な糸です。手紡ぎらしく、強く撚りの掛かった細い部分もあれば、太く原毛を引き出して紡いだんだな、と思う様な、ポコリと太く、撚りの甘い部分も有ります。

作り目の途中で切れた糸。



今回も、作り目はsokei's favorite COで編み始めたのですが、最後の一目を偶々太くて撚りの甘い部分で拾おうとした所、フツっと糸が切れて仕舞いました。
余りテンションが掛かる編み方には向かないかも、まあ糸が可愛いのでメリヤスオンリーな感じの靴下にするんですけどね!と思いつつ、編み進めます。

3.BOはぺギストで!

踵は引き返し編みの踵、足首はやや丈が長めになったので、表メリヤス→二目ゴム編み→一目ゴム編みと編み地に変化を付けて、脹脛の膨らみに沿う様に仕上げました。

高温、スチーム禁止なのを忘れてうっかり高温でスチームを当てて仕上げてしまった。


履き心地は抜群!

履き口は、単糸なので、摩擦が掛かると繊維が絡まって糸が痩せて切れて仕舞う事を考慮して、グラフィック社刊行の「棒針編みの作り目と止め 211のバリエーション」で紹介されている「ペギーズ・ストレッチィ・バインドオフ・フォー・K1、P1リブ」で、伸縮性のある伏せ止めにしました。伏せ止めをする前段でかけ目を入れる編み方で、覚えておくと、今回の様に切れ易い糸の場合などに重宝します。「棒針編みの作り目と止め~」は名著なので、御興味の有る方は是非購入される事をお勧め致します。編み物の可能性が広がる!!!!

4.30回以上洗濯してみた。

靴下が完成した……と言う事は!実験の時間だ!
履き心地は、真冬の1月でも、履いて歩いていると足元が冷えることは無く、「これがシルクとモヘヤの力……!」と感じる暖かさです。嫌なチクチクする感じも有りません。
さあ、この可愛くて上等の靴下を履き終わったら洗濯機にネットにも入れずそのまま投入して洗う事凡そ30回。ちょっと緩めに編んだので、最初の洗濯で足にピッタリサイズになるのは計算通り。なのですが.......。
「キ、キツくなってる!?」
読者諸賢、特に羊毛の取り扱いにお詳しい方ならばもうお気付きかと思いますが!
「フェルト化する=伸縮性がほぼ無くなる&縮む」
なのです!フェルト化とは何なのかを理解していなかった私の敗北です。

フェルト化して縮んだ靴下。
編み地はかなり密になっている。

「えー、縮んだ?まっさかねー?」と思いつつメジャーを当てて計測した結果がこちら。

足の甲部分。一周が約19cmしかない。
足首部分。一周が約15cmしかない。

縮む前の寸法を測り忘れてしまったのですが、足の甲回り=23㎝で割り出して編んでいるので、縮んだのは確実。何より見た感じが編み上げたばかりと違うし、足捻じ込まないと履けないし。

5.手荒に扱った野呂ヤーンの見本.......。

と言う訳で、結論としては、
「野呂さんの糸はドライクリーニングしようね!」
です!
ですが、手洗い、又は、洗濯ネットに入れておしゃれ着洗いコースで洗っていたら、また違う結果になっていたかも知れません。
「手洗い実験用と、洗濯ネット&おしゃれ着洗いコース実験用にもう2玉必要。色違いにしよーっと。」
と、新たなシルクガーデンソックソロをポチった懲りない鯨骨堂なのでした。
今回の縮んだ靴下は教訓として箪笥に仕舞っておきます.......。


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