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16


2014年、16 歳

16歳の1年間の日記。高校1年生の冬から高校2年生の冬までの記録です。

winter


元旦、朝日が綺麗だった。サプライズでちょっと早い誕生日を祝ってもらった。遅刻しといてずいぶん幸せなやつ。

spring


ついに「春色の汽車に乗って」海に行く。

チャリ通で登校中、やたらと転ぶ。幼馴染くんに自転車に乗り方を教えてもらいたいと頼む。夜桜を見に行く。帰り道、プロポーズされた。笑っちゃった。



summer


体育祭、リレーから総合までビリ、悔し泣き。オーキャンでゲリラ豪雨。開幕戦。

真季とお泊り。野球部の先輩がバイトしてると聞いて急ぐ。トラの着ぐるみを着ている先輩とツーショット。

野球部、吹部、美術部がオフ。はじめて4人集まる。美味しいかき氷を食べる。海に行って、ひとりだけ水着を着てる熊本くんに3人とも海に落とされる。濡れたまま、真季のお家にお邪魔してスイカ割り。いちばんやる気なかったひと、大盛り上がり。お風呂を借りて車で送ってもらう。みんなくたくた。

つまらない合宿、長野、雨。


美術にどっぷり浸かって自分の表現の幅を広げていって、今まで頭の中にあった計画を実行していきたいな。


fall


したいこと。絵画教室の先生になって子どもとたわむれる。印象派みたいにお庭で絵を描く。いつまでも真季と仲良く。家族孝行、両親と旅行に行く、兄弟と仲良く。世界旅行、世界一周。いつか幼馴染くんと暮らして毎日寝顔を見る。


文化祭、はじめてふたりでツーショット。楽しくてこれ以来しばらく文化祭の映像をリピート。文化祭のあと真季とお泊り。「清く、柔く」を観る。いい映画だった。


大事にしてるひとを、大事にできるいま、ちからいっぱい愛しく思わなきゃいけない。そばにいてくれるうちに、これからもそばにいてほしいと願いながら、大切に、大切にしていく。


台風で学校は休み。
午後は晴れたので中学の元担任に本を返しに行く。将来について「美大の洋画科をでて、絵画教室を開きたい」と言ったら鼻で笑われた。
帰ってから、後輩くんが高波にさらわれたことを知る。ヘリの音がずっと鳴っていた。


winter

「歌っているよ、聞こえてますか」


一日三食、早寝早起き、元気にあいさつ。本を読む、映画をみる、知らない土地に行く。すこし勉強、すこし運動。部屋の片づけ、家の手伝い、親孝行。


すきなこと、すきなひと、すきなとき。
毎日、今日も疲れたと言ってぐっすり眠る。

あとがき

現在は2024年、わたしは26歳です。2014年、16歳だった時から、10年が経ちました。高校1年生の冬から高校2年生の冬までの記録が書かれています。

中学校の友達、新しくできた高校の友達、美術部のこと、幼馴染くんとの恋、将来の夢、大切にしていること…いろんな季節、場所、気持ちが断片的に思い浮かびます。

幼馴染の男の子が「見せたい場所がある」と言ってサプライズで夜桜が綺麗な場所に連れて行ってくれたことは、今でも大切な思い出です。

日記を見返してみて「絶対に人生を楽しんでやる」という炎のようなものを感じました。わたしの根源には強い意志のような、覚悟のような炎があるんだと、16歳のわたしが教えてくれたように思います。



16歳のわたしへ

高校生、思いきり楽しんでるね。今、漠然と感じている不安は、未来の自分が少しずつ向き合って、なくなっていくから大丈夫だよ。家族のこと、将来のこと、すきな人とのこと、今は不安かもしれないけど、その不安はずっと続くわけではないし、自分なりに道を見つけられるようになるからね。あなたは、今しかない高校生生活を、うまくいくことも、うまくいかないことも含めて味わって、そのまま楽しんでね。10年後は、あなたからしたら信じられないくらい楽しい暮らしをしてるかも。お楽しみに。

26歳のわたしより
2024年7月

※文章に書かれている名前は仮名です。

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