マインドフルネス瞑想について

おはようございます。
今日は「マインドフルネス瞑想」についてお話ししたいと思います。

お釈迦様は瞑想をして悟りを開かれました。そのことから、瞑想は仏教の中でも重要な修行法として後に伝わっています。禅宗の座禅が有名ですが、真言宗でも様々な瞑想法が実践されています。最近では、書店に行くと「マインドフルネス」という言葉をよく見かけますが、これは仏教の瞑想をアメリカのマサチューセッツ工科大学(MIT)の研究グループが中心となって再構成した瞑想法のことを言います。IT系の大企業でも取り入れられたことなどから注目を集め、日本に逆輸入された形です。

マインドフルというのは「何かによく気がついている」という意味で、禅宗的な「無心になる」ということとは少し違うかもしれませんが、方法論がわかりやすく、だれにでも取り組みやすいという意味で、良い瞑想法だと思います。実際に、うつ病などに効果があることも報告されています

 瞑想をする一番の理由は、心の悩みやストレスを取り除くことです。悩みやストレスを感じているときには、私たちの心は外へ外へと向いています。仕事や人間関係、学業など、うまくいかない外の世界のことばかり考えているはずです。瞑想ではそういった考えを全て停止します。そして代わりに心を自分の内へ内へと向かわせます。自分の心のはたらきを一度止めて、自分の身体の内部へと意識を向けていくのです

そのための基本が呼吸です。まず体を楽な姿勢にして目を軽く閉じます。落ち着いてきたら、鼻からゆっくり息を吸い込みます。このときに、鼻を通る空気、それを感じている鼻の奥の感覚やにおい、それからその空気が肺の中に膨らんでいく身体感覚などに意識を向けます。次に口からゆっくりと息を吐き出します。空気を押し出すお腹の筋肉や、喉の奥や口の中を通り抜けていく温かい空気の湿り気などを感じてください。自分の身体の感覚に注意を研ぎ澄ませ、よく味わうことが重要です。

一般的に、吸う時間よりも吐く時間のほうが長くなります。空気を出し切ったら再び鼻から空気を吸い込みます。呼吸のこと以外は何も考えないように集中します。そうすると、私の存在すべてが呼吸である、という状態になります。そのうちに悩みや無駄な雑念がすーっと消えていきます。最初は難しいかもしれませんが、練習によって2, 3分でそのような状態になることができます。いつでもこの状態になれるように練習してください。

 慣れてきたらさらに瞑想を進めることができます。一度落ち着いた状態になり、余計な思考も止まっていますから、次第に明晰な考えが溢れてきます。その中で、自分の感情を揺り動かしている本当の原因を探っていきます。最初に思い浮かぶ表面的なものではなく、より根本的な他の原因が後から浮かんでくるかもしれません。疲れたらまた呼吸に立ち戻ってください。一度の瞑想で答えを出す必要はありません。集中できなくなったら瞑想を終了しましょう。仮に答えが出なくても、気持ちはだいぶよくなっているはずです。

 悩みやストレスに満ちた生活を送っていてはせっかくの人生がもったいありません。自分の置かれている状況を見つめ直すことによって「自分は思っているほど不幸せではない」という気づきを持つことができます。むしろ「自分は幸せである」と思う心を持つことが、自分を幸せにしていくのです。悩みやストレスにとらわれたら、瞑想を行って自分自身にマインドフルになってください。自分は幸せだということに気づき、それからまた前へ進んで行って頂けたらと思います。

 本日は最後までお聞きいただき、どうもありがとうございました。


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