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0108「私、井筒陸也選手のファンになります」

ビックカメラのポイントサービスセンターに電話をしたら想像の12倍くらい丁寧かつスムーズな対応をしていただけたのでそれに絡めて今日はサッカーに関するデータの見える化について書こうと思っていたのだが、タイムラインに流れてきた井筒陸也選手の引退の記事や彼の note を読んでいてとても面白いと思ったのでそちらを書き留めておくことにする。

大変恥ずかしながら今日まで井筒選手のことを知らなかった。慌てて調べて、関西学院大学で主将を務め、大学タイトルを総なめにしたこと、その後徳島ヴォルティスに所属し3シーズンが過ぎたところだと言うことも分かった。

24歳という若さでの引退と聞くと大抵は戦力外通告を受けたり、怪我や病気で続けられなくなったりと、本人は続けたいが続けることができないというパターンを想像するが、彼の場合はそうではない。「ずっと辞めようと思っていた」と言うのだ。

現にクラブからは以前より複数年での契約延長を打診されており、来シーズンの契約延長オファーもあったようだ。しかし彼はそれを辞退してプロサッカー選手を引退したという。

なかなかレアなケースだが、このように外から見るとある分野に才能を発揮している人でも、本人がその分野に熱中できなかったり、なぜ評価されているか分からず、モチベーション的に続けられなくなってしまうということは稀にあると聞く。先日TVでも放送されていたが、大学駅伝で歴史に残る活躍を見せた出岐雄大選手の引退も競技へのモチベーションが続かなかったことが理由と言われているようだ。

しかししかし、井筒選手の場合はどうもそういう訳でもなさそうだと感じたのはこの note を読んでからである。

プロサッカー選手を引退する理由について、核心を突くような直接的なことは明らかにされていないものの、なんだか凄い。勢いを感じる。ただサッカーに情熱を無くしてしまった人間の文章ではない感じがする。この note では結局なんで辞めるのかよく分からなかったが、興味を持った。そこで note の本文にも引用されていた徳島ヴォルティスのリリースを見てみる。

やっぱり凄い。勢いが凄い。「3年間ありがとうございました。」の後に間髪入れず賛否両論の話に持っていっている。そしてスポーツの価値の話までしている。こんな引退リリースは見たことがない。

ますます興味を持って他にもいくつかの note 記事を読ませてもらった。具体的にはこの辺の記事を読んだ。

そして分かったこと

いくつかの記事を読んで分かったことがある。井筒選手は少し気になったことやおかしいと思ったこと、上手く説明できなかったことや感情など、普段誰しもが感じながらも曖昧なまま(ほぼ無意識で)スルーしている問題や違和感を論理的に言葉をもって納得のできる説明をしたいタイプだ。それこそが引退 note の「内面の追求」に他ならないのではないか。そして彼は普通の人が(これも最早無意識のうちに)面倒臭がって怠っている論理的な説明をし続ける力とそれを言語化する力がある。そして note での発信に見られるように「内面の追求」はそれをアウトプットするフェーズに入っている。

ここからは推測だが、プロサッカー選手としての生活と、「内面の追求」とそのアウトプットという活動が、モチベーション的にも割ける時間的にも両立できないレベルまで後者の熱が上がってきているのではないか。

今となってはこんなにインテリジェントで発信力もある選手の存在に引退リリースをもって気づいたというのが残念でならない。このような考えや活動をしている選手の現役時代を見たかった。しかしそれを言っても仕方ないのでこれから井筒選手をウォッチすることにする。引退がきっかけでその名前を知る選手はいる。しかしそこでファンになる選手は初めてだ。

最後に Ziso. のリンクを貼って今日はおしまい。


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