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0117「インディアンとカジノと苫小牧」

昨年11月、北海道コンサドーレ札幌のオフィシャルトップパートナーにハードロックカフェでおなじみのハードロック・インターナショナルの日本法人であるハードロック・ジャパンが加わった。

ハードロックカフェのことはおそらく多くの人が一度は目にし、あるいは耳にしたことがあるだろう。そのブランド力ある会社がいきなりトップパートナーとなったので私を始め多くのコンサドーレサポーターはこの一報に驚き、喜んだと思う。一方で、なぜハードロックカフェがコンサドーレのスポンサーに?という疑問もあったはずだ。

統合型リゾート

その答えは苫小牧における IR (統合型リゾート)構想の布石と見て良いだろう。私も気になって調べるまで認識していなかったのだが、北海道の苫小牧に IR 建設の構想があり、複数の事業者が開発に名乗りを上げているのだそうだ。そしてハードロック・ジャパンはその中でも一歩リードしている存在だそうだ。

先日アクセスサッポロで構想が発表された際にはコンサドーレの野々村社長も登壇している。

セミノール族?

ますますハードロックのことが気になって調べてみる。するととあるワードが頻出することに気づく。

Wikipedia

2006年12月、カジノ・リゾート事業を展開するフロリダ州のインディアン部族、セミノール族が、関連事業(世界のHRC124店舗、ハードロック・カジノホテル2箇所など)を買収している。

オフィシャルサイト

セミノール族とともに

セミノール族とはなんだろう。どうやらネイティブアメリカン(インディアン)の部族の名前のようだが、なぜ部族が事業買収、という表現になるのか。

インディアン・カジノ

調べて分かったことをざっくり書くとこうだ。欧州からの白人の入植以来、ネイティブアメリカンは土地を奪われ、住む場所を制限された。強制的に住まわされた場所は白人が誰も好まないような痩せた土地であったそうだ。そのような理不尽な命令に反旗を翻したのがセミノール族で、熾烈な戦いでは多くの犠牲が出た。この争いは1957年にようやく和解にこぎつけたという。
また法廷でも闘争は続く、まともな土地に居住することを許されなかった彼らは収益源として賭博場(ビンゴ場)を設置(この動きでも先陣を切っていたのがセミノール族だったようだ)、これに反発する州との争いが絶えなかったという。しかし1970年代終盤以降、ネイティブアメリカンの自治権を認める判決が続き、彼らは賭博場、カジノを運営する権利を獲得していった。このようにしてネイティブアメリカンによって運営されるカジノをインディアン・カジノと呼ぶ。

このように、アメリカではカジノはネイティブアメリカンの重要な収益源であるとともに、そのビジネスで大成功を納めた部族もおり、収益は主に部族が元来保有していた土地の買収などに充てられているようだ。もちろんセミノール族は成功を納め、その資金でハードロックを買収したのである。

おわりに

ざっと調べただけなので大したことは書けなかったが、コンサドーレのスポンサーきっかけで意外な歴史の勉強をした。
苫小牧の IR 事業がどのように進むかも注目したい。北海道にインディアン・カジノはできるのだろうか。

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