臨床研究の長いタイトルを攻略する 〜名は体を表す〜
医療の分野では長い名前の臨床研究がたくさんあります。ChatGPTに頑張って命名方法を解析してくれるようにお願いしてみましたが、日本語の解析は苦手なようでしたので、自分で解析をしてみました。
まずは、どんな臨床研究があるのか?
臨床研究は「臨床研究等提出・公開システム」という所に登録されるので、こちらから一覧を検索することが出来ます。
さて、長い臨床研究名を見てみましょう
とても長い名前で何の研究をしているか分かりません(笑)。
一つ取り出して見ましょう!
とても長い!
しかし、タイトルの構造を見てみるとヒントが出現します。
再発小細胞肺癌患者を対象とした、アムルビシンとデュルバルマブ(MEDI4736)併用療法の有効性及び安全性を検討する国内第II相治験
国内第II相治験
「国内」というのは、日本だけでやる臨床試験だと言うことです。
「治験」というのは新しい治療法や薬などが従来の治療方法よりも良いのかを確かめるものです。
「第II相」というのは、新しい治療が効くのかどうか、安全なのか、を調べる研究になります。
有効性及び安全性を検討する国内第II相治験
この表現はとても親切ですね。
「第II相治験」と記載してあるだけで、「有効性及び安全性を検討する」という意味が含まれていますが、第II相治験の前に付けてくれると分かりやすいです。
○○を対象とした…
「を対象とした」の前にある「○○」にはどんな疾患に対する臨床研究なのかが記載されています。治験に参加する場合には、「○○」の部分を見れば、自分が対象なのかどうかが分かりますし、医療関係者の場合は、自分の専門に関係するものなのかが分かります。
最後に残る「アムルビシンとデュルバルマブ(MEDI4736)併用療法」
研究をしている人からすると、この部分がメインになります。
こんなアイデアがあります、という研究者の知恵が詰まった大事な部分になります。
タイトルから分かることは?
再発小細胞肺癌患者
アムルビシンとデュルバルマブ併用療法
国内第II相治験(Aphrodite study):有効性及び安全性を検討する
という、3つのキーワードが記載されています。
対象となる疾患は、肺癌で、その中の小細胞肺癌という型、なおかつ再発の患者さんが対象と言うことになります。
新しい治療方法は、アムルビシンとデュルバルマブ併用療法という2つの薬を併用する治療方法です。
国内第II相治験であることから、薬が効くのかどうか、安全なのかどうか、を確かめるものです。
治験について:
治験には、第I相・第II相・第III相試験というのがあります。 第I相試験では、主にどの程度の用量で効果がみられるかを確かめます。 第II相試験では、有効性と安全性をみます。 第III相試験では、既存の治療と新しい治療のどちらが効果あるかを比較します。
構造解析をしてみる!
このように構造解析をしてみると、「に対する」という言葉と、最後の「第II相治験」という言葉に着目すると良さそうです。
対象となる患者さん
に対する
を対象とした
における
この3つで対象となる疾患が宣言されています。
これらの言葉がない場合は疾患が宣言されていないと言うことになりますので、研究計画書の中身をよく見ないと分かりません。
治験の種類
基本的には、第I相・第II相・第III相試験のいずれかになります。
しかし、いくつかの臨床研究ではその記載が有りません。
比較試験(第III相試験を暗示)
有効性と安全性に関する検討(第II相試験を暗示)
実地可能性試験(第I相試験を暗示)
探索的(治験に行く前の段階の比較的いろいろ含んだ研究)
観察研究(既存の保険診療の範囲内で行う研究)
何をするのか?何を使うのか?
「…に対する」と「…治験」の間にある固有名詞がそれぞれの研究の中心となる研究テーマです。
始めにリストアップした臨床研究の一覧ですが、以下の様にするとその内容が分かりやすくなります。
いかがでしょうか…?
まとめ
需要があるかどうか分かりませんが、このnoteは私の健忘録でありますので、これで良いこととしますw。なんだか少しわかりやくすなった気がしませんか?
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