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イベントサマリー「3年後のM&Aイグジットを見据えた準備スケジュールと実情」

こんにちは!SOICO note編集部です。今回は6/27に開催された弊社のCFOセミナー「3年後のM&Aイグジットを見据えた準備スケジュールと実情」のイベントサマリーを公開したいと思います。

登壇者紹介
牧田 彰俊(まきた あきとし)
有限責任監査法人トーマツ入所、各種業種の法定監査、IPO支援に携わる。その後、ファイナンシャルアドバイザリーサービス部門にてM&A アドバイザリー業務・財務デューディリジェンス業務・企業価値評価業務等に従事。組織再編によりデロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリー合同会社に異動し、主に国内ミドルキャップ案件のM&Aアドバイザリーとして、豊富な成約実績を収める。 2018年、より経営者様の各種ニーズに応えるべく株式会社M&A DXを設立。2020年、新たな層の獲得のためYoutuber「M&A DX」としても活動中。著書に『シリアルアントレプレナー/連続起業家』(幻冬舎)。

大門 弘和(だいもん ひろかず)
早稲田大学政治経済学部卒業後、東証一部上場化学メーカーの管理部門にて、予算策定・決算業務等に従事。その後、日系コンサルティング会社を経て、SOICO(株)に入社。世界13カ国に展開するグローバルスタートアップの株式報酬制度設計(付与対象者に外国居住者を含む)、NASDAQへの直接上場を果たした日本企業のストック・オプション設計などを主担当。米国公認管理会計士。

【日本ではまだまだIPOが主流】M&Aでのエグジットの現状とは?

牧田:日本では、ベンチャー企業のエグジットはIPOが主流になります。ベンチャーキャピタルから投資を受けた企業が最終的にIPOとM&Aどちらでエグジットするのかを調べたものがあります。日本は6〜7割がIPOになります。一方でアメリカはM&Aでのエグジットが9割を超えています。私の予想ではあるんですが、最終的には日本もアメリカに近づいていくんではないかなというふうに考えております。

①大手と組んだ方が事業を伸ばしやすい
M&Aで大手と組んだ方が、事業を伸ばしやすいという理由からアメリカではM&Aエグジットが増えています。一番有名な例ですと、FacebookのInstagram買収の例が挙げられます。インスタが売り上げゼロのときにFacebookにM&Aを行いました。
②使いたいサービスを自分で開発する
日本ではあまりない概念なのですが、Googleなどのサービス利用者がサービスを利用しているときに「こんなサービスがあったらいいな」と思い企業するというパターンがあります。この場合はGoogleなどに売却することがゴールになっているので、自然とM&Aエグジットがメインになって行きます。

あと一方でですねUSの方がIPOの審査が厳しいというですねそういった理由もあってですね、いう人はIPOやM&Aのが多いというのが実情でございます。

【仲介会社の選定から最終締結まで】ベンチャーM&Aのプロセスとは?

牧田:まず、M&Aを一から解説ということで、簡単にM&Aエグジットのプロセスを説明していこうと思います。

①仲介会社の選定
個人から大手まで、様々な仲介会社があり、多くが相談が無料なので、まず相談してみましょう。また相談する際には、報酬体系なども確認して行きましょう。相談時には事故防止のために守秘義務契約(NDA)を締結しましょう。
勿論、業者を利用しない方法もありますが、後述の様々なフェーズで専門家の必要性が高いフェーズがあるので、基本的には業者を利用することをお勧めします。

②バリエーション、株価評価
自社の実態を掴むため、企業の収益性や財政状態・成長性・業界特性・経営計画などを総合的に確認し、客観的な評価をしてもらいます。
評価手法としてはDCF法やマルチプル法など様々な評価手法があります。注意点としては、資金調達時の評価額とM&A株価は異なるということ、企業評価で提示された客観的な評価が、最終的なM&A株価になるとは限らないという点です。

③ノンネームシート(NN)の作成
買い手候補企業に対して、譲渡企業の内容を正確に理解してもらうための資料を作成します。
ペライチで作成し、沿革、商品内容、サービス内容、業績、財務状況、強み・課題、株主構成、取引先などの企業名を伏せて記載します。
ノンネームシートの内容を受けて、秘密保持契約を締結した買い手候補のみに企業概要書やインフォメーションメモランダムなどを送付し、より具体的な情報を提供します。

④マッチング、トップ面談、現地視察
次にマッチングと顔合わせをします。その場で企業文化とか経営理念の理解とか、互いの戦略や狙いの理解というものを深める場をセットします。これは複数回実施することもあります。
このフェーズで注意しなければいけないのが売り手の自社で開催する場合は従業員にM&Aが悟られないよう注意することですね。M&Aで会社を売却する場合、最後に至るまで非常に重要な幹部のみだけで秘密裏にすすめられることが一般的です。現地視察で色々な人が来ると従業員が勘ぐってしまうことになるので、M&Aが悟られないように注意いたしましょう。

⑦基本合意契約、買収監査
トップ面談を経て条件面のすり合わせというのを行った後に基本合意というものを契約し契約します。 なぜ仮契約なのかというと、この後に本格的な買収監査(デューデリジェンス)が行われるからです。
法務・税務・財務の面から買収企業について多くの調査をすることになります。非常に負荷のかかるフェーズになるので、買い手も売り手も

⑧クロージング、最終契約
デューデリジェンスが行われた後、買収監査を反映した最終的な条件を記した契約書を締結します。最終的な株価、クロージング期日、表明・保証などを記載して行きます。分量としては20〜50ページ程にもなり、見慣れない文言、内容も多数あるので、専門家の採用をお勧めします。

以上をもって、M&Aが完了します。これがM&Aの一連の流れになります。


M&Aエグジットを達成するためにどのような準備を行うべきか

牧田:ベンチャーM&Aを上手く達成するには、創業間もないときから準備に入るということが非常に大事になってきます。では創業間もない時からどのようなポイントを意識するべきなのでしょうか?私は大きく四つポイントがあると思ってます。

①決算内容が悪くても諦めないこと
ところは何かといいますと、非上場会社ですと、C的に計上している費用またはですねオーナーズコストという、社長のですね、住居であったり、交際費であったりとか、そういったものがあるわけなんですが、これらを考慮すれば十分利益の出る会社になることもありますし、特にベンチャーの場合は事業内容や将来性、こういった部分も考慮してくれるケースがたくさんあります。

②組織として会社が成立している
社長がいなくても事業が回る状態になっていると、M&Aで会社が売りやすくなります。
創業間もないときは社長への依存度が高くなってしまいます。IPOするときまでには解消しましょうと、早く証券会社さんに言われたりしますが実際にはですね、社長への依存度を限りなく低くして社長がいなくなったとしても、売上利益が維持される会社というのは非常に売れやすいというふうに言えます。

③自社の価値の源泉を理解説明できること
経営学的にはSWOT分析等々と言いますが、何が自社の価値で強みがあって、例えば改定となるM&Aで解決なるお客様に何を訴求できるのかこれをですね、日々整理、自問自答ブラッシュアップしていくということが非常に重要になります。

以上がベンチャーM&Aをする上で重要なポイントになります。また、顧客データ顧客基盤といった隠れたお宝要素があったりですとか、あとあのベンチャーですとあの科学系のベンチャー等々であれば例えば許認可とかですね、特許とかそういったお宝要素があると非常に売れやすくなります。


【スマートキャンプ&Paidy】日本でのベンチャーM&Aの一例 

牧田:事業承継型のM&A、後継者不在ですという案件が多かったのですが、ベンチャーM&Aも増えているというふうに言えます。ベンチャーM&Aのエグジット事例が何個か記載させていただきました。

①マネーフォワードによるスマートキャンプ買収
次にマネーフォワードさんがですね、スマートキャンプさんというアウトドアのですね、プラットフォームですねこれを売上高6億円のときになんと20億円って買収した、しかも最終利益は赤字のマイナス1億円いう状態で売却しました。今回のケースは、M&Aエグジットでは赤字でも売れるという代表的な事例になります。

②PaypalによるPaidy買収
決済サービスを提供するPayPalが日本のPaidyさんですね。いわゆる後払い決済と言われる後払いサービスを提供するページという日本の会社を、アメリカの会社が、なんと3000億円で買収したという事例でございました。

ここに書いてあるM&Aは何十億とか何千億というですね非常に景気がいい事例でにはなりますが、今ですねベンチャーM&Aも、価格がつきやすくなってきています。

ーこのように今後はM&Aエグジットも増えてくると思います。是非M&Aでのエグジットも視野に入れて、会社を成長させていっていただけたらなと思います!

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