【蛇足】Nobody knows why I can't "Live".

秋田大学文芸部2020年度部誌にて吉川が寄稿した「Nobody knows why I can't "Live". 」の蛇足です。いつもの通り作品外で言うことが特にないので内容は無いです
本編は無料で読めます↓

・タイトルについて
なにも思いつかなくて適当に付けてしまいましたし文法的に正しいのかすら分かりません。

・余命について
本当なのか政府の嘘なのかは個人の解釈にお任せするので別に読まなくていいですが、
一応余命が16年以内という診断は本当であるという前提で書いていました。でも、本人もそれが本当なのか嘘なのかどちらも信用せず生きている状態です。というか本人は祖国の嘘に利用されていると斜に構えていたと思います。ただコーヒーをこぼされてむせているちょっとした描写や、父が病弱という話や恋人の自殺、家族の埋葬の話から、この男から漂う死臭を感じていただければ幸いです。

・主人公について
特に関係ないですが主人公の男はロシア人です。名前はアレクサンドルАлександр、愛称シューリクШурик。父親似。暴力的な母と病弱な父、弟(イヴァン、ヴァーニャ)を持つ。
父は早世、不安定で暴力的な母と弟を守りながら育つ。優しいがそれ以上の愛はなく(そういう家庭で育った彼なりの防衛本能)情緒に乏しい。
空軍出身の宇宙飛行士。
という設定です。顔はこんな感じらしいです。

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・ボリス計画について
ボリス計画は、北極海航路調査の功労者ボリス・ヴィリキツキーに由来しています。目的地が海王星なので、計画名や宇宙船の名前に航海に関する名前を入れています。宇宙船セイラーだけ英語だしほぼ原潜です。普通に考えて16年間無傷なのヤバ幸運艦です。とくに関係ありませんが暇つぶしコンピュータEOUはError of Universeの略です。

・父について
主人公の父は宇宙に恋をしていました。特に理由もなく交際していた主人公と同様、特に恋愛感情のないまま結婚し子供をふたり設けました。父は母を慈しんでこそいましたが母以上に心を砕いた相手がいて、おそらく母もそれに気付いていました。けれどどうしようもなかったんだと思います。

見ていた映画
オデッセイとアド・アストラはインターステラーと一緒に借りたのですが見返す時間がありませんでした。もったいね〜
・オデッセイ
地上波で見ました。記憶にある中ではこれが人生初の宇宙映画です。オデッセイは基本的に登場人物も前向きで陽気なのですが、それでも宇宙物特有の巨大な力と小さな人間という恐怖はありました。でかいものには勝てない。宇宙生活がとてもリアルな恐怖で描かれる。

・アド・アストラ
映画館で見ました。観たあと、目眩のするような虚無感に包まれて劇場のトイレでじっとしていました(やめましょう)。トミー・リー・ジョーンズの衝撃が大きすぎてその後の話を思い出せないのでもう一回見たいです。「父が宇宙と心中する話」と覚えています。
今回の部誌で宇宙の話を書くと決まった時に、宇宙と死ぬ話を書こうと思いました。アド・アストラを見る前にいちど、ソンブレロ銀河に魅入られた天文学者が誰とも結ばれずひとり星を愛でて死ぬ話を書いていました。それとアド・アストラを足して割ったものが今作の原案となっています。

・インターステラー
TSUTAYAで借りて家で見ました。家で良かった。終始泣いてました。娘との別離で泣き、先に到着した仲間の遺体も掬えずさらに仲間も失い何も得ずに時間だけは何十年も経っているシーンで泣く。そうだよこれこれこの虚無感が宇宙映画だよなどと宣えないほど辛い。人間はあまりにも弱く、でも根本的に汚れて生きる人は美しい。インターステラーはよく「愛の映画」と言われます。決して美しい終わり方ではなかったけれど、それさえも人間くささを感じました。見終わった時は午前2時くらいで、はやぶさ二号がちょうど帰ってくる様子がサイエンスZEROで生放送されていました。
EOUの元ネタはTARSやCASEです。TARSやCASE、可愛くて格好良くていいな〜こういう直方体のロボット欲しいな〜と思って生まれたのがEOUです。TARSやCASEと違ってクソアホだけど.......

・ハンターキラー 潜行せよ
潜水艦映画にハズレなし。これは全然宇宙に関係ない私の推し映画です。ただこの映画を見て原子力潜水艦が好きになったので、この映画がなかったら宇宙船セイラーを原潜と例えることはなかったと思います。

メモにあったけど使わなかったセリフに「どうせ帰れないんだから重力なんていらないのにね」がありました(セイラー内で重力を発生させていることに対して)。無重力生活てどれだけ体が衰えたところで、地球には戻れないのにねという冗談でした。

読んでいただきありがとうございます。

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