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強いチームを創る上で欠かせない「傾聴」について考えてみる

1.強いチームを創るうえで、なぜ傾聴が大切なのか?

みなさんは、強いチームについて考えたことはありますか?

個人的な強いチームの定義は、上下関係をベースに、マネジメントといわれる手法でうまく関係性を保つ考え方ではなく、横のつながりにおいて、共通のビジョンに共感した個人同士が、それぞれの強みやミッションを認識し、積極的にコラボレーションしながら、個人の成長はもちろん、掲げたビジョンの実現に向けて自律的に向かっていける、そんなチームだと考えています(もちろん、事業内容や組織の規模などによっていろいろな最適解があるので、あくまでも一つの考え方として捉えてください)。

そして、そんな強いチームを実現する上で欠かせない要素の一つとして、「相手の意見を傾聴すること」があると考えています。なぜならば、異なる強みを持つ個人同士が、それらを積極的に活かしあうためには、仲間とのコラボレーションが必要ですが、そのコラボレーションは、傾聴がベースにあってはじめてその成果を発揮するからです。

2.傾聴と心理状態の関係性

ここでは、傾聴について少し掘り下げてみたいと思います。

傾聴が求められるシーンにおける人間の心理状態を考えてみると、あるテーマに関して、「自分が見えている世界・持っている意見」以外に、「自分の知らない世界や、別の角度から見た意見」が存在していると認識している心理状態の時は、相手の意見を素直に傾聴しやすいと思います。もしくは、自分より圧倒的に経験を積んでいると認識している人の意見も傾聴しやすいはずです。

つまり、傾聴しやすいのは、全体(自分の知らない世界や、別の角度から見た意見)が、部分(自分が見えている世界・持っている意見)より圧倒的に大きな状態の時です。

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しかし、「自分が見えている世界・持っている意見」以外には、「自分の知らない世界や、別の角度から見た意見」が存在していないと思い込んでいる時はどうでしょうか? つまり、部分(自分が見えている世界・持っている意見) ≒ 全体(自分の知らない世界や、別の角度から見た意見)の時です。

この心理状態の時は、人間は相手の意見をなかなか素直に傾聴できないと思います。「まあ、意見は聞くけど、最終的には自分の答えが正しいからね」という状態です。

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これらをまとめると、相手の意見を素直に傾聴できるかどうかは、「自分が見えている世界・持っている意見」以外に、「自分の知らない世界や、別の角度から見た意見」が存在しているという気持ちの余白を持ち続けられるかどうかで決まる、といっても過言ではないと思います。

3."全体"という概念そのものが拡張していく

では、「自分が見えている世界・持っている意見」以外に、「自分の知らない世界や、別の角度から見た意見」が存在しているという気持ちの余白を持ち続けるって、一体どういうことでしょうか?

約80億人が住んでいるこの地球において、「自分が見えている世界・持っている意見」なんてほんのごく一部に過ぎない。自分が見えている世界の表と裏だけではなく、まったく違った角度からの見方や、私たちが見えていない奥行きが存在することを自分の中で認識しておくことだと思います。

もっと言えば、"全体" という概念は、そもそも人によってその大きさが異なります。また、ネットが普及し、人間の興味・関心が広く可視化されると同時に、それらが社会に広く受容され、価値観が多様化していく中で、この "全体" という概念そのものがどんどん拡張している時代。どうせなら、"全体" を大きく、深く認識できると素敵ですよね。

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4.最後に

傾聴って言葉でいうのは簡単ですが、相手の意見に耳を傾けられる人と傾けられない人では、全く見える景色が異なると思います。もっと言えば、人間がさまざまな学びや経験を積み重ね、成長し続けている限りは、部分 ≒ 全体になることはないはず。

普段の仕事や生活の中で、相手に対していろいろな気付きを与え、相手からも気付きを受け取れる、そんな関係性は本当に心地よいですよね。また、そのような関係性が創れているチームは本当に強い。私自身も日々意識していきたいと思います。

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