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●バトンタッチ

誕生日のケーキを買いに行くくらいの頻度で訪れる、近所の洋菓子店。なので、年3回くらいかな。近所といっても、徒歩で15分くらいのこのお店が家から一番近いケーキ屋さん。

ここに引っ越してきて間もなく丸5年。賑わった駅前とかではない住宅街という感じの町なので、引っ越してきてすぐ、娘が転入したクラスメイトに「この辺で美味しいケーキ屋さんはどこ?」と聞いてもらって教えてもらったお店。どうやら昔からあるみたいで、みんな小さい頃からそこのケーキで育っているようだった。

店構えも昔ながらで、ケーキなどのデコレーションもおしゃれというよりはシンプルで昔懐かしい感じ。でも、マカロンも置いてあるんだよ、これが思わず笑顔になる美味しさ。もちろんケーキもシンプルで飽きのこない美味しさ。


先日の長女の誕生日は、投票行って外食するんだコースだったので、お腹いっぱいケーキは後日パターン。

ということで今日、病院の帰りにひとつ前のバス停で降りてそのケーキ屋さんへ。ルンルン。


遠目で見たところ、シャッターが閉まってる。あれ?今日休業日だっけ?たしか水曜日だったよね、お休みは。


・・・張り紙してない?イヤな予感。

予感的中。閉店のお知らせ。しかも、5月30日って、5カ月以上前じゃんかー。


確かに店主は高齢の方で、数年前に"もう閉めようかなぁ"なんて言っているのを聞いたこともあったけど。地域のみなさんがよく通っていたので、売上じゃないと思うんだよね。


張り紙に詳しいことは書かれてなかったので、事情などはわからないけどなんか寂しい気持ちでいっぱいになった。4月の私の誕生日に食べたケーキが最後だったか・・・。

私なんかはたった5年で、しかも年3回くらいしか訪れてなかったから、それに比べたら地域のみなさんの寂しさはどんなだろうと思う。


実家に帰るとその度に、馴染みのお店がどんどん閉店していってる。自分の年齢を考えると当然のことではあるけれど、懐かしいなぁと思える場所がどんどん減ってくって本当に寂しい。

そういえば先日、物心ついた時からそこにあった近所の商店街にあるスーパーが閉店してしまって、やっぱりショックで。まだその姿は見てないんだけど、母が本当にがっかりしてるし、不便だと嘆いていた。

その商店街自体も、閑散としてしまって昔の姿とはまるで違う。生まれ育った町の変化はこうも寂しいものかと、帰省するたびに痛感する。


時代が変わる』というか、『時代が終わる』という言葉の方がしっくりきてしまうのも心が痛い。


思わぬ方向に話が飛んでしまった。


あちこちで目にしたり耳にする『風の時代』という考え方。昨年の12月からその時代に入ったそうです。それまでは『地の時代』が約200年続いていたらしく、読んで字のごとく"地に足つけた生き方をする時代"だったようです。これからは、風のように軽やかに自由に生きる時代。


こういう話は、どちらかというと好きなのでなんの抵抗もなくむしろ乗っかっていく方だけど、地元商店街の姿もそういう一部なのかなと思うと、やっぱり『時代が終わる』という言葉に納得してしまう。


寂しいよ、寂しいけど

最大限の感謝をして、これから起こることに存分に期待をして楽しみたい。

それが、これまでの時代を創ってくれていたすべてに対しての敬意。


ありがとう。

楽しかったよ、嬉しかったよ、美味しかったよ。

お疲れさまでした。

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