【レースレポート】IRONMAN Philippines 2023
はじめに
2021年から本格的にトライアスロンを始めて、2022年にミドル初参戦
2023年からはトライアスロン雑誌Lumina企画のKONAチャレンジメンバーにも選出いただきロングへの挑戦を試みています
一気に飛躍しすぎだろというツッコミは受け付けませんw
正直ここ2年半近く仕事と練習しかしていない生活を送っており、自分なりに最大限コミットしたつもりでした
そして今回はいよいよIRONMANデビュー
言わずとしれた鉄人レース
3.8㎞泳いで、180㎞自転車を漕いで、42.195㎞走るフォーマット
しかしながら結果としてはとてつもなく恥ずかしいレースに、特にKONAチャレメンバーとして全く相応しくないレベルとなり、世界の壁を痛感しました
今回はそんな自分への戒めとしてもアウトプットして供養させていただきます
備忘録
レース前の備忘はこちらに自分用に別途まとめ
スタート前
3時起床で日本から持ち込んだ朝食をお粥状にして食べる
そして今回も宮古島同様全く便意が来なくて焦る
旅先での慣れない食事ですぐ便秘気味になるのは本当にどうにかしたい
時間も迫っていたので諦めてスタート地点まで徒歩で向かう
前日預託したバイクセットの確認、作成したドリンクをセット、T1の流れを脳内シミュレーションしていざスタート地点へ
いよいよアイアンマンデビューが幕開け
今回の目標設定は、完璧を求めずベターにこなすことを心掛けてまずは完走、ベストは世界選手権ニースへのスロット獲得圏内でのゴールに置いて望んでいた
スイム
スイムは左回りに2周回のコース
海はそこら中にゴミが浮かんでいて全く前も見えない最高の透明度
そして強風と高波で国内レースなら確実にスイムスキップになるレベルのバッドコンディション
前に70.3がスタートしていて、後ろのウェーブの参加者は波に戻されて全く前に進めておらず30人くらいスイムスキップしていたようにも見える
とにかくゆっくり丁寧にヘッドアップして流されず、まっすぐ向こう岸に見えた大きい目標物だけを見て泳ぐことを意識
ほとんどの参加者が点在するブイに沿って泳いでいたが、
自分は波に流されることを加味してかなりアウト気味に入ったのでバトルを避けて泳げた
1周目を終えた時点で後ろに前のウェーブキャップカラーがかなりいたので、概ね苦戦しているのだろうと悟る
手元の心拍は想定通り
2周目も同じペースで淡々とこなして終えようと決める
ペースは維持したものの、途中でジェルを戻してしまいこれがこの後に熾烈な嘔吐の戦いが待っているとは知れず…
スイムアップして時計見た時には目標タイムより大分遅くテンション下がるものの、結果的にはエイジ4位でフィニッシュできていた
T1
IRONMAN初参加はスイムのウェーブが最後だったが、まだバイクラックにはかなりの数が残っていてみんなスイムに苦戦していると悟る
トランジションは想定シミュレーション通りで特に大きな問題なくバイクパートへ
Bike
土砂降りじゃねえかよ、と笑いながらバイクに跨り一般道を抜けてヒリーな高速道路入口へ向かってそこから4周回する侮れないコース
スタートしてしばらくは踏みすぎないようにとにかくパワーメーターと心拍を睨めっこ
しかしGARMINの表示は心拍数こそ想定通りだがパワーが明らかに低い
焦らずに心拍とパワーの相関性だけを信じて低いパワー表示を目安に走ることに
途中で気づいたのだが使用しているペダル型のパワーメーターの右側が機能しておらず上手く表示できていなかった模様
おそらく前日から当日の雨が影響していたと思われるのでここは自身の感覚を頼りにするハメに
しかし1周目を終えた頃からにまたしても吐き気を催し始める
そして2周目の途中あたりで固形の補給を食べるもここから胃が受けなくなる
やばい食べられない…
そしてついに嘔吐してしまいエアロバーに大好きなエネ餅をぶちまける
ここからみるみる心拍も下がり始めてしまい力が出なくなり始める
これが低血糖というやつか…
原因は旅先での食事?当日のトイレマネジメント?スタートまでの食事?
全て考えられるので今後特に海外レースでは気をつけたい
高速道路にはいたるところに車に轢かれてしまったカエルの死体が転がっていて、皮肉にもまさに今の自分のようで恥ずかしくなってしまった🐸
3周目に入り残り半分からはもうぶち抜かれまくりでどうでも良くなり始める
この時点でもう順位とかニースとかKONAとかどうでもよく思えてしまった
もう速くゴールしてホテルで寝たい
さっさと日本に帰りたい
KONAチャレメンバーとしても本当に恥ずかしくなり、
こんな分不相応なジャージを今すぐ脱ぎたいという感情はゴールまで続いた
4周目はもうほぼ覚えていない
フラフラしていて明らかにペースが遅くなっていたのをマーシャルが察したのか、大丈夫かと声をかけられた
もう死んでしまいたい、カエルになりたい🐸
4周回を終えてを一般道に戻りいざT2へ
あとはフルマラソン走ったら終わり
T2
もうフルマラソンだけだと自分に言い聞かせて落ち着いて準備
ネガティブな感情をリセットしようと一度笑顔で叫んで自分に喝を入れる
反省はゴールしてからいくらでもできる
屍な状態でもシミュレーションのおかげか、ルーティンかのようにスムーズにトランジットをこなす
ただ補給が受け付けなっているのでほとんど力が入らず、一度座った後立ち上がれなかったが、トイレを済ませていざスタート
Run
ランは比較的フラットなコースを4周回、天候は土砂降りで舗装されていない道にはところどころ踝まで水がつかる程に
1ヶ月前まで膝の痛みが気になっていたのでピッチだけ意識してエコな走りを心がける
この時点で逆流した胃酸で胃腸は荒れまくり、舌も痺れて声すらほとんど出せない状態に
バイクではもう固形物を全て嘔吐してしまい、何も受け付けられずなんとかゲータレードと水だけで息を繋ぐ
トレッドミルでハムスターのように練習して体に覚え込ませたテンポとペースで1周目、2周目をなんとかキロ6程度で回る
しかし2周目の終盤にあるエイドで上手くコップを受け取れず止まったところでTHE END
全てをゲロゲロゲロッピしてしまった
もうトライアスロン辞めたいと思った
レースで初めて立ち止まってしまい、そこから歩いてしまった
ここからは全く体が動かなくなり雨の中で悪寒が始まる
せめて明るいうちに帰らないと次は低体温になると思い気力を絞る
不甲斐なかったけど体が動いているのが不思議なくらい限界だった
その後は新調したシューズソールが剥がれるくらい足を引きずってなんとか次のエイド、次のエイドと体を動かす
残りの2周回は死ぬほど地獄
この時間が一生続くんではないかとすら思えた
そしていよいよゴールライン
ゴール直前では嬉しさよりも悔しさが優ってしまい正直あまり感動とかなかった
悔しすぎて涙すら出てこなかった
フィニッシャーを歓迎ムードの中で迎えてくれるゲートを作り笑いで潜ったことは一生忘れないだろう
レース後
諸々済ませてホールの休憩スペースで日本人に声をかけられるも不貞腐れて塩対応をしてしまったことは猛省
トラッカーで追ってくれていた友人にゴールの報告だけして平常心を取り戻す
友達って大事
ブッフェが用意されていたがすぐに口に入らなかったので、30分程座りこんだ後に、スパゲッティなどを細かく刻んで干からびた体に栄養を送ってあげた
トランジションアイテムを回収して、ゴール地点からバイクでホテルで帰路へ
翌日に帰国するハードスケジュールを組んだのでバイクパッキングが終わるとすでに深夜になっていた
長くて壮絶な1日が終わった
総じて
結果はエイジ10位
同じエイジカテゴリの選手と戦う以前に自分自身にぶちのめされた
練習内容も自分なりに調べて試行錯誤をしながら計画性を持ってこなせたつもりだった
完璧なプランでは通用しないと思っていて、いくつかレースシミュレーションを立てたつもりだった
どれも一切通用しなかったので全てが準備不足
これを書いているのは日本までの帰り道だけど、
今の段階では正直何をどう改善すればいいか整理がつかない
すぐに練習再開したいくらいの気持ちだけど
1週間くらいはゆっくりしてからまたゼロから下地作りに励むしかない
正直これからレッドオーシャン化するKONAスロットを取れる実力は現時点ではない
だらだらといつかKONAに行きたいという漠然とした目標ではなく、
まずはこのエイジでKONAに行きたい
半年に1回レースに参加するとしても残りは3回ほどしかチャンスがない
その3回のためにこれからも色々犠牲にしていく覚悟はできている
要するに婚期が遅れそうということです
最後まで読んでくれた優しい人はご飯でも誘ってください
それでは乱文失礼いたしました
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