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ドルフロ考察①「ドルフロ用語辞典ver.1.0」

ドルフロ考察記事の第一回として用語辞典を作ってみました。基本的には二次創作用の独自資料として製作したもので、ドルフロの世界観を理解するための補助やゲーム中に登場した単語の備忘録を兼ねています。おおよそ大型イベント「特異点」辺りまでをカバーしたものなので、ネタバレを気にする方は注意してください。(「秩序乱流」「第十一戦役」で登場する単語も一部含みます)

※この用語辞典はあくまでもファンによる考察であり、公式設定ではありません。また予告なく改定・加筆修正される場合があります。


■英数

7号ファイル
ペルシカの元同僚であった研究者リコリスが残した研究データ。鉄血の勢力下であるS02地区に残されていた。

36号ファイル
パレット小隊所属時にRO635が捜索していた文書ファイル。その正体は人間居住区における犯罪組織の犯罪記録。この捜索の過程でパレット小隊は奇しくも鉄血の新兵器「ジュピター」の存在を察知することになる。

16LAB
ペルシカを所長とした戦術人形の開発研究所。第二世代型戦術人形を世に送り出したほか、AR小隊の開発や新技術の研究などを行っている。
前身は元90wishメンバーであるペルシカとリコを保護するためにハーヴェルが用意したダミー会社「ハーミット」であり、そのため事実上IOP専属の研究機関となっている。
「戦術妖精」や「重装部隊」を開発するなどグリフィンの戦力増強に貢献している影の立役者。

90wunsch
米ソ冷戦時代に東ドイツ・ライプツィヒのカール・マルクス大学に設けられた諜報機関。アメリカおよびNATO軍の防諜活動を目的にする「電磁信号傍受センター」と遺跡を調査を目的にする「第一遺跡残骸調査チーム」の二部門で構成されていた。「90wunsch」の名は初期のコードネームが「90号傍受施設‐残骸(Warck)」と呼ばれていたことに由来する。同機関のもたらす研究成果によりソ連の遺跡技術は当時のアメリカを大きくリードしていた。
1985年のドイツ再統一により解散するも、暗号化された機密文書の一部は大学内の資料庫の奥に眠っていた。

90wish
第三次世界大戦中に姿を現した謎のエリート科学者集団。
技術提供の見返りとして各国へ資金援助を求めるインターネット声明を発信したことで世間に存在が知られるようになった。
元はカール・マルクス大学在籍中にリコが発見した「90wunsch」由来の研究データを匿名で発表するために作り出された架空の組織だった。
「90wish」の名は「90wunsch」をもじったものである。(wunsch=独語で〝希望〟を英語のwishに訳しただけ)

404小隊
グリフィン所属のエリート小隊のひとつ。正式名称は「404 not found小隊」。
UMP45をリーダーに、UMP9、416、G11が所属している。
隠密作戦を得意とする特務部隊であり、グリフィン直属ではなく外部協力者に近い立場で人間の指揮官を伴わず独自に任務を遂行している。そのためかメンテナンスなども本部設備を用いずに外部スタッフの協力を得て行っている。
(グリフィンとの契約に基づく報酬により活動資金を得ているようで、その点でも正規部隊というより傭兵といった印象が強い)
彼女たちの真のクライアントはアンジェリアであり、反逆小隊と共に密かに「胡蝶事件」の真相を探っている。

794基地
S09地区にあるグリフィンの前線基地のひとつ。プレイヤーである指揮官が最初に着任するところ。ロード画面などに表示される「794」の数字はこの基地を表すナンバーである。

AR小隊
グリフィン所属の人形小隊のひとつ。正式名称は「Anti-Rain小隊」。
M4A1をリーダーに、M16、AR15、SOPⅡが所属している。第七戦役後は5人目のメンバーとしてRO635が加入する。
彼女たちは他のグリフィン人形と違い16LAB製であり、ハイエンドな機能が実装されている代わりにメンタルモデルのバックアップが不可能という特殊な立場にある。

CQ
無線通信において用いられる略符号。通信可能な範囲にある全ての無線局を呼び出す場合に使われる。またアマチュア無線では不特定の相手への呼びかけとしても使用される。(「誰でもよいので交信相手を探してます」といった意味合い)
アニメ「どるふろ」ではM4A1がヘリアンへ通信する際に使用していた。

E.L.I.D(広域性低放射能感染症)
低濃度のコーラップス液に被爆することで発症する疾病。人間や生物が高濃度被爆した場合は即死または崩壊現象で消失するが、低濃度被爆の場合では逆崩壊現象により異形の者(E.L.I.Dミュータント、いわゆるゾンビ)と化す。

E.L.I.D感染者
コーラップス放射の汚染によりE.L.I.Dを発症した人間、または生物群。
初期症状では代謝の加速や免疫機能の変調、幻聴や幻覚などの症状が現れるが肉体的には健常者と変わらない。被爆レベルが低ければ治療も可能である。
中期症状では免疫機能障害のほか攻撃性が増し、この段階から臓器や皮膚の一部がケイ素化するなど肉体に変異が起り始める。
そして末期症状に至った個体は「E.L.I.D感染者(E.L.I.D-infected)」と呼ばれるミュータントと化す。攻撃性はさらに増し、体表はケイ素化の進行によりライフル弾でも貫通困難なほどに硬質化している。この段階では生体反応もほとんどなくなり、外部刺激(音や声)に引き寄せられ襲いかかるだけのゾンビと化す。

EMP(電磁パルス)
パルス状の電磁波のことであり、もっぱら強力なEMPを発生させることで電子機器を破壊するEMP兵器(電磁波爆弾)のことを指す。
EMP攻撃は全ての電子機器に対し無差別に影響を及ぼすため、使用する側にも車輌や航空機に電磁シールド処理を施すなどの対策が必要となる。また市街地で使用すれば都市機能そのものを破壊してしまう。

FN小隊
グリフィン所属の人形小隊のひとつ。
FALをリーダーに、57、FNC、FN49らが所属している。

GAVIRUL(ガヴィル/ガヴィルール)
冷戦時代に中国の北蘭島遺跡から発掘された超古代文明人の遺骸。
おそらく遺跡を守っていた衛兵のものと推測されたことから「GAVIRUL(尉官)」と命名された。

GAVIRUL再現計画
1992年に国連遺跡署でスタートした極秘プロジェクト。その概要はGAVIRULの遺伝子から生じた胚胎を利用しクローン人間を作ること。結果として二人の実験体の少女、G-37「ローズ(白薔薇)」とG-114「リリー(黒百合)」が誕生した。二人の少女は7歳にして肉体が14歳程度まで成長するなど特異な性質を持っていたものの、それ以外は普通の人類と大差なく、遺跡との干渉テストでも成果がでなかったことで計画は失敗に終る。
その後バックアップとして実験体の胚胎サンプルが作られたが、戦乱により二人の少女の消息は不明である。

IED(即席爆弾)
即席爆発装置 (Improvised Explosive Device) の略称。
砲弾や地雷など有り合わせの材料で作られた即席爆弾。イラク戦争以降、ゲリラや反政府勢力の使用するIEDによる被害が増加し問題になっている。

IFF
敵味方識別装置(identification friend or foe)の略称。同士撃ちを避けるため特定の信号などにより味方を確認するもの。戦術人形には敵味方を識別するIFFモジュールが搭載されているが、有効範囲が狭く夜戦などにおいては人形の視野の範囲しか識別できない。

I.O.P社
2062年においてトップシェアを誇る戦術人形メーカー。
正式名称は「Important Operation Prototype manufacturing」。現CEOはハーヴェル・ウィトキン。
グリフィンと業務提携を結んでおり、グリフィンに所属する戦術人形のほとんどはIOP製である。
過去には鉄血工造とも技術提携を結んでいたが、戦中のシェア争いや戦後の技術者の引き抜きなどにより関係は断絶していた。
秩序乱流イベント後は新生グリフィンのスポンサーとなる。

IWS小隊
グリフィン所属の人形小隊のひとつ。
IWS2000をリーダーに、AUG、SSG69、G17が所属している。

KGB
ソ連の情報機関・秘密警察。正式名称は「ソ連国家保安委員会」。ソ連崩壊により「FSB(国家保安庁)」などの後継組織に移行されたが、第二次ロシア革命による新ソ連成立によりKGBも組織として復活している。
FSB局長のゼリンスキーは「KGBのミーシャ」と密接な関係にある。

M99小隊
グリフィン所属の人形小隊のひとつ。
M99をリーダーに、97式散、56‐1式、NZ75らが所属している。

MIA
Missing In Actionの略。軍事用語で「作戦中行方不明」という意味になる。作戦行動中に行方不明になり、かつ戦死や捕虜になったことが確認されていない場合に「MIA」となる。
グリフィンの戦術人形の場合はロストから四十日が経過するとMIAと判断される。なお、脱走や敵前逃亡の場合は「AWOL(無断離脱)」となるが、失踪したAR15にはMIAが適用されている。

OKB‐413
ベラルーシ・ミンスク付近に存在する遺跡。2032年に新ソ連に反発する白軍派が占領し遺跡兵器の使用を画策するも、新ソ連赤軍により鎮圧されている。

PMC(民間軍事企業)
元は軍事サービスを行う企業のことであり一種の傭兵組織であったが、第三次世界大戦後にはまた新たな役割を担うことになる。それが国家に変わる外郭地区の安全保障業務である。
大戦により衰退したヨーロッパ各国は地方にまで軍・警察を派遣する余力がなく、そうした地域の治安維持や東欧からヨーロッパへの物資輸送を民間に委託する管理形態が生まれた。これによりPMCは入札により権利を獲得した受託区域の治安維持業務を国家(軍)に代行する形で請け負っている。

PMC条約
2060年代のPMCは条約によって保有できる戦力に制限が課せられている。グリフィン人形たちが使用する銃器が旧式なのはこのため。
重装部隊が使用する重火器などはこの条約に違反しているため、本来ならば保有できない。

S02地区
第零戦役の舞台となる地区。鉄血の旧工廠にリコの遺した研究データが存在していた。

S03地区
低体温症イベントの舞台となる地区。鉄血支配地域であり、雪に閉ざされた山岳地帯となっている。

S05地区
第八戦役の舞台となる地区。AR15失踪後にプレイヤーである「指揮官」の新たな担当エリアとなる。鉄血のいない安全地帯とされていた。
しかし、エルダーブレイン率いる鉄血の大襲撃により放棄される。S05、S08地区の相次ぐ陥落によりグリフィンの立場が悪化し、正規軍の介入を招く結果となった。

S06地区
CUBE作戦イベントの舞台となる地区。鉄血との紛争地帯であり、敵の通信ジャミング装置破壊の任務を受けた404小隊が派遣されていた。

S08地区
第六戦役の舞台となる広大な地区。ネゲヴ小隊とAR小隊が合同でAR15捜索に当たっていたが、アルケミストの襲撃に遭い放棄される。

S09地区
第一戦役~第六戦役の舞台となる地区。プレイヤーである「指揮官」が最初に担当する地域でもある。第3セーフハウス事件(第零戦役)以降、鉄血による襲撃が相次いでいたが第五戦役にて奪還された。

S11地区
第十戦役のエルダーブレイン殲滅作戦にてグリフィンの指揮拠点が置かれた地区。
深層映写ランキング「虚数迷宮」および特異点イベントではグリフィンによる撤退戦の舞台となった。

S15地区
深層映写イベントの舞台となる地区。鉄血支配地域に隣接した汚染地区であり、この地に墜落したM16A1のドローンを回収するため404小隊が派遣された。

TNK小隊
グリフィン所属の人形小隊のひとつ。
K2をリーダーに、AEK-999、TMP、キャリコ、Thunderらが所属している。

T-14
ロシアが2015年に導入したMBT(主力戦車)。「アルマータ」と呼ばれる次世代車輌プラットフォームを採用し、主砲である125mm滑腔砲のほか最新のモジュール装甲、対戦車ミサイル・APFSDS弾を迎撃可能なアクティブ防御システムを搭載している。
グリフィンは数輌のT-14を所有しているが、2060年代においては登場からすでに50年近く過ぎた旧式であるため戦力としてどこまで有効なのかは不明。


■あ行

アクティベート
コンピュータ用語でハードウェアまたはソフトウェアを有効にし、利用可能な状態にすること。

アクセスポート(接続ポート)
端末をネットワークに接続するための入り口のこと。各端末はアクセスポートを介して一つのネットワークを形成し、データの送受信を行うことができる。
人形が基地設備の情報端末からデータを読み取る場合、専用のアクセスポートからデータベースに接続する必要がある。

アルジェリア戦争
2039年に北アフリカのアルジェリアで起きた戦争。1954年に起きた第一次アルジェリア戦争と区別するため「第二次アルジェリア戦争」とも呼ばれる。
この戦争によりEUのアフリカ再植民地政策が加速すると共に、続く2042年のウクライナ内戦と合わせて国家間の対立が深まりのちの国連崩壊と第三次世界大戦を招く一因となった。

アンチジャミング機能
RO635に実装されている機能。鉄血のジャミングを無効化するほか、【傘】ウィルスへの感染も防げるよう対策が施されている。
また第十戦役では正規軍がアンチジャミング・システムを広域に展開し【傘】に対抗しながら鉄血に攻勢をかけている。

イエローゾーン(イエローエリア)
コーラップス災害により汚染された土地。イエローゾーンは汚染レベルの低い土地であり、居住不適地域とも称される。
この地域では一応人類の居住は可能なものの、人々はシェルターに住まい屋外活動を行うには防護服が必要となるなどかなりの制限がつく。

【遺跡】
人類とは異なる文明が残したとされる謎の古代遺跡。世界各地に存在し、内部には共通して「コーラップス液」と呼ばれる物質が保管されていた。
北蘭島の【遺跡】が崩壊したことで世界規模の大災害「北蘭島事件」が起こる。

遺跡署
正式名称は「国連遺跡科学署」。米ソ冷戦時代の東南アジア、中東でのELID感染拡大やソ連崩壊による旧共産圏での遺跡兵器流出危機などの問題に対応するため、国連内に設立された組織である。
北蘭島事件では初代所長レーダー・ロクサットを中心にした遺跡署が朝鮮・日本での避難を主導するがアメリカの内政干渉により思うように行かず、最終的に関係者がワシントンから追放されてしまった。
このことがキッカケとなり、ロクサット亡き後の残された遺跡署関係者によって「ビーコン計画」、そして「プロメテウス計画」が水面下で進行してゆく。

遺跡兵器
【遺跡】から得られた技術を軍事利用した兵器。遺跡技術は様々な分野にフィードバックされているため、狭義では主にコーラップス液や遺跡から発掘されたオーパーツを使用した兵器を指す。代表的なものとして「コーラップス爆弾」や旧ソ連軍が開発した「バラクーダ」があげられる。
ソ連軍が遺跡兵器を実用化したことで、米ソ冷戦は核ミサイルや宇宙開発競争から遺跡兵器開発競争へと変貌した。

遺跡兵器制限条約
遺跡兵器の開発・使用を制限する条約。
遺跡兵器は多大な戦果をもたらす反面、コーラップス汚染によるELID感染症という新たな危機を招いた。ベトナム戦争でのアメリカのコーラップス爆弾の使用、アフガニスタンでのソ連の「バラクーダ」使用により衛生状況の悪い東南アジアおよび中東・中央アジアにELID感染症が拡散する危険性が高まり、1981年に米ソ合意のもとで制限条約が制定され、続く1983年の「ジュネーブ声明」をもって遺跡兵器を封印。冷戦時代の遺跡兵器開発競争に終止符が打たれた。

ウクライナ内戦
2042年から43年にかけてウクライナで起った内戦。ウクライナはオーロラ事件の被害を免れた東欧最大の非汚染国であったが、経済危機により東ウクライナで武装革命が起り内戦に発展した。ヨーロッパ各国は西ウクライナを支援し革命を押し留めようとするも叶わず、結果としてウクライナは東西2国に分裂することになる。
この戦争において史上初めて戦闘用自律人形が実戦投入されるも、当時の人形はまだまだ性能が低く大きな戦果をもたらすことはなかった。

エルダーブレイン
鉄血人形を率いる上位存在。ヒエラルキーの最上位に君臨し、直属の部下としてエージェント・ドリーマー・ジャッジを従える。M4A1に執着し、彼女と直接接触を試みるため自らグリフィンの留置所に乗り込むなど、その行動や目的には謎が多い。
その正体は元ペルシカの同僚である技術者リコリスが開発した統括管理AI「エリザ」。彼女が暴走したことで「胡蝶事件(鉄血の叛乱)」が起こった。

エリート化
鉄血人形に強化改造を施す技術。エリート化された鉄血人形は戦闘力が大幅にパワーアップする。外観的な変化として眼が赤色化し、全身に紅い刺青のような紋様(エッチング理論の応用?)が浮び放電現象が起こっている。

エレクトロ・メンタルグラム
戦術人形の電脳波形図。メンタルデータの転送状況をモニタリングして記録したもの。人間でいうところの脳波図に相当する。これを確認することで戦術人形のメンタルモデルに異常があるかどうかチェックすることができる。

掩体(えんたい)
軍事用語で敵の攻撃から身を守るための設備を指す。コンクリート製の防護壁から土嚢を積み上げた土堤など人工的に造られたものから、瓦礫や地形の起伏を〝天然の掩体〟として利用するケースもある。
(「掩体」は旧日本軍および陸上自衛隊が使用する言葉であり、英語におけるバンカーまたはトーチカに相当する)

オーガス
鉄血が使用する独自のネットワークシステム。グリフィンでいうツェナー・プロトコルに相当する。オーガスを使用しているのは鉄血人形のみであるため、電子戦における敵味方判別になる。また【傘】ウィルスに感染した人形は強制的にプロトコルの書き換えが行われる。
OGAS(オーガス)の正体は1960年代にソ連が開発していた遺跡兵器の指揮ネットワークシステムである。
1980年代に計画が頓挫したとされていたが、鉄血により同システムが復活したことで「胡蝶事件」から始まる数々の戦いの元凶となる。

オーロラ事件
2035年に北欧で起った大規模なコーラップス汚染事件。
これによりスカンジナビア半島の大半は壊滅、バルト海地域とドイツ・チューリンゲン山脈以北の中央ヨーロッパが汚染された。
この事件により国土の半分を汚染されたドイツは首都をベルリンからフランクフルトへ移動する。

汚染区域
コーラップス液により汚染された地域。危険地帯として隔離されている。汚染レベルによりレッドゾーンとイエローゾーンに分けられている。


■か行

カール・マルクス大学
ドイツ東部のザクセン州ライプツィヒに存在する大学。ペルシカとリコリスの母校でもある。米ソ冷戦時代には東ドイツの諜報機関「90wunsch」の第一遺跡残骸調査チームの拠点でもあった。
(現実ではドイツ再統一後は「ライプツィヒ大学」に名称が改められているが、ドルフロ世界では2040年代でも「カール・マルクス大学」のままになっている)

隔離壁
正式名称は「ELID隔離壁」。その名の通りグリーンエリアをELID感染症から保護するための施設である。
壁に併設された「浄化塔」が中和粒子を撒布することでアーチ状の浄化帯を作りコーラップス放射と汚染物質を防ぎ、隔離壁が粒子風と感染生物の侵入を防いでいる。
同時にこれらの壁は汚染エリアに取り残された被災者や合法的な身分を持たない人間をグリーンエリア外に排除するための国境でもある。

【傘 -Parapluie-】
鉄血が使用する一種のスパイウェアプログラム。感染した人形は鉄血側へ情報を送信し、自覚のないスパイ(内通者)と化してしまう。さらには【傘】ウィルスによるプロトコルの書き換えが行われ、感染者はやがては鉄血人形となってしまう。
ウィルスが仕込まれた鉄血の機器と物理的に接触(回線の接続)することで感染し、一定の潜伏期間を経て発動する。そのため【傘】に感染してもウィルスが活性化するまで人形自身には感染した自覚がない。また、アクティベート(活性化)のタイミングはエルダーブレインの意思によって自由に設定できる。

カルパティア山脈
中央ヨーロッパから東ヨーロッパにかけて広がる山脈。主にスロバキア、ポーランド、ウクライナ、ルーマニアと周辺の複数国にまたがっている。
鉄血の支配領域はカルパティア山脈周辺に広がっており、S09地区をはじめとしたグリフィン管轄領域は同山脈の東側に位置している。

感情モジュール
戦術人形にインストールされている擬似感情プログラム。これにより人形たちは人間のような喜怒哀楽にあふれた人格を有している。

グリーンエリア
コーラップス液に汚染されてない安全地帯のこと。グリーンエリアでは近代的な都市が発展し、歓楽街や映画などの娯楽施設も充実している。
現在のところ確認されているユーラシア大陸の主なグリーンエリアは次の通り。
1.モスクワ周辺(ウラル山脈より西の新ソ連領)
2.ウクライナ
3.南ドイツ(テューリンゲン山脈より南)
4.スペイン・フランスを中心にした西ヨーロッパ
5.イギリスおよびアイルランド
このほかにもセルビアの首都ベルグラードをはじめ、隔離壁で囲われたグリーンエリアが複数存在する。

グリフィン
正式名称は「グリフィン&クルーガー」。ロシアの退役軍人であるベレゾヴィッチ・クルーガーにより2053年に創業されたPMC企業。
当初は人間を主力としていたが、IOP社と提携したことで現在は戦術人形を中心に部隊が編成されている。
2061年に「胡蝶事件(鉄血の叛乱)」が起きたことで、管轄地区が隣接していたグリフィン社はその対応にあたることになる。

グリフィンCQC
説明しよう! グリフィンCQC――それは武器を失った状態において、極めて危険な状況に立たされた場合のみ使用される格闘技である。この技を習得した人形は、海草をまとった化け物すら一撃で倒すことが可能なのだ!

グリフィンタレコミ掲示板
MDRが常駐しているネット掲示板。グリフィン版裏サイトのようなもので、(主にMDRの仕業による)指揮官の個人情報から真偽入り交じった噂話まで幅広いテーマについて人形たちが匿名で語り合っている。

グリフィン人形
グリフィンに所属する戦術人形たちを指す。グリフィンの人形はほとんどがIOP製であり、元は民生人形であったものを戦闘用に改造した個体である。そのため使用する武器も旧式な銃器ばかりになっている。しかし、彼女たちが人間の戦闘員よりもはるかに強力な存在であることに変わりはない。

軍用人形
軍隊に所属している戦闘用自律人形を指す。最初から軍事目的に開発された人形であり、グリフィン人形を上回る戦闘能力を有している。
自律人形が戦場に投入されたのは2042年のウクライナ内戦が初であり、第三次世界大戦を経て新ソ連正規軍の主力兵器としての地位を確立した。
民生用の自律人形とは違い無骨な装甲で覆われたロボット然とした外見であり、感情モジュールもインストールされておらず上官の命令を実行するだけの文字通り戦闘マシンである。
主な機種として第三次世界大戦時に採用されたACD-50/51/R/Tなどが存在する。

ケースレス弾
薬莢を廃した弾薬。代表的なものはG11で採用された固体発射薬と雷管、弾丸で構成されたもの。金属薬莢を廃止することでコストダウンを図り、また排莢がいらず銃本体の内部機構がシンプルになるなどのメリットが考えられていた。
だが排莢による廃熱が行われず逆に暴発を起す、弾薬の生産数が少なく返って単価が高くなるなどの問題により普及しなかった。

コア
第二世代型戦術人形の根幹を成すパーツ。「射撃管制コア」とも呼ばれる。戦闘機能が集約された中枢ユニットである。
民生人形に「コア」を搭載することで、高い戦闘能力を持つ「戦術人形」へ換装することができる。コアの詳細はIOP社の技術のなかでも最重要機密に位置し、全容を把握しているのは開発者であるペルシカのみとされる。
編成拡大時には「代用コア」が使用されることから、人形本体に使用されるのが「射撃管制コア」。ダミーに使用されるのが「代用コア」だと推測される。

後方幕僚
指揮官を補佐する人間のこと。グリフィンではカリーナがこのポジションに当たる。

コーラップス液(崩壊液)
【遺跡】から発見された未知の放射性物質。コーラップス液と呼称されるが素粒子に近い性質を持った物質。これが世界中に拡散したことで大規模なバイオハザード(ELID災害)が発生し、国家間の対立が激化したことが第三次世界大戦の引き鉄とな
った。

コーラップス爆弾
物質を崩壊させるコーラップス液の特性を利用して作られた爆弾。1972年のベトナム戦争にてアメリカ軍が史上初めて使用した。
強力な爆発を起こすだけでなく、爆風で拡散されたコーラップス雲により広範囲にコーラップス汚染を招く危険な兵器である。

国連同盟
第三次世界大戦後、従来の国連を新たな超国家機関として再編する計画が持ち上がっている。それが「国連同盟」であり、計画に賛同する国家を新たに加入国として迎えるなど水面下で計画は進行している。

胡蝶事件
2061年に発生した鉄血人形の叛乱事件。
鉄血工造の工廠内で起こったテロに対し防衛プログラムが作動した結果、なんらかのエラーにより全鉄血人形が人類に対して攻撃を開始した。
この「鉄血の叛乱」により管轄地区が隣接していたグリフィンと鉄血間で戦闘が勃発することになった。
本事件の関係者はほぼ全て鉄血人形により殺害されており、真相は解明されていない。

国家保安局
新ソ連の諜報機関。ロシア連邦時代の国家保安庁(FSB)を前身とし、第二次ロシア革命後に新ソ連政府内に大内務省が設置されるとその下部機関となる。しかし大内務省をはじめ新ソ連共産党の組織は旧ソ連の劣化コピーに過ぎず、国家安全局ほか下部組織の諜報機関・法執行機関が勝手に振舞っている状態にある。
現局長であるゼリンスキーはIOP代表ハーヴェル、正規軍のカーター将軍、そしてグリフィン社長のクルーガーと面識がある。
またM16A1と416はかつて国家安全局に所属していた。

ゴリアテ
電脳空間内に鉄血が展開する攻性防壁プログラムの一種。ネットワーク上の外敵をオーバーロードさせる。場合によっては人形の演算装置やコアを物理的に焼き切ってしまう危険な相手。
のちに自走式爆弾のような兵器として現実世界でも大量に出現するようになる。

■さ行

サイレントモード
戦術人形の使用する隠密行動モード。外部との接続を絶ったオフライン状態になることで敵に発見されにくくなるが、代わりにツェナー・ネットワークを用いたあらゆる支援が受けられなくなってしまう。
コミックス「人形之歌」にて潜伏中のM4A1が鉄血の追跡から逃れるため使用している。

『The Flying Dead』
ゾンビパニックを題材にした海外ドラマ。長寿作品だったが第三次世界大戦の勃発によりシーズン26で打ち切りとなっている。404小隊のG11はこのドラマの大ファンである。

シナモンロール
北アメリカやヨーロッパで広く食される小麦粉菓子。ロール状に巻いたパン生地に砂糖・シナモンを振りかけて焼いたもの。
グリフィンの人形留置所では拘留中の人形にm45の焼いたシナモンロールが振舞われているが、毎日同じメニューが続くことに不満を持つ人形も少なくない。
???「今日もシナモンロール……? くそっ」

シベリアライフライン計画
2031年に新ソ連がスタートさせた国家プロジェクト。
汚染されたシベリアにおける鉱山採掘から工場、農業にいたる全ての産業を完全にオートメーション化し、シベリア鉄道を通じてモスクワほかの居住地へ輸送するもの。
この計画により従来のロボットアームやクローラーに代わり人型ロボット=自律人形が普及した。

ジャック・ダニエル
アメリカ・テネシー州に本社を置く酒造メーカー、および同社が製造するウイスキーのこと。世界的に有名なブランドであるため「ジャック・ダニエル」はウイスキーを指す俗語としても使われる。M16A1やトンプソンなどが愛飲している。

重装部隊
劣勢に立たされたグリフィンがIOP、16LABの協力を得て投入した切り札。
PMC条約で禁止された重火器を運用する人形ユニット。
対戦車兵器型の「BGM-71」。迫撃砲型の「2B14」「M2」。擲弾発射器型の「AGS-30」が存在している。
メンタルモデルを同期させた3~4体の人形がチームを組むことで従来不可能とされた重火器を運用可能にしているが、これらの技術はペルシカがグリフィンの捕虜となったアーキテクトの協力を得て完成させたものである。

新ソビエト連邦
2060年代におけるロシア。
北蘭島事件以降、内乱状態になったロシア連邦内で赤旗派が第二次ロシア革命を成功させたことで新ソビエト連邦が誕生した。
「シベリアライフライン計画」の成功により高い国力を維持することに成功。第三次世界大戦には武装蜂起した東ドイツを支援する形で参戦し、アメリカの進軍を阻止してイタリア・フランスを撃破するなど軍事力もトップクラス。
戦後は「国連同盟」を主導する立場となり、大陸の覇権を握っている。

スティグマ・システム(烙印システム)
正式名称は「Advance Statistic Session Tool(ASST)」、高度統合ツールという意味合いになる。ペルシカが考案した「エッチング理論」に基づく技術であり、人形とASST処理を施した銃器の間に特別な〝繋がり〟を持たせる。これにより第二世代型戦術人形は銃器を自身の体の一部のように扱うことができる。
スティグマとメンタルモデルには相性のようなものがあり、グリフィンの戦術人形には各々が使用する銃器に最適化されたメンタルが与えられているとされる。
また人形のメンタルもスティグマの影響を受けるようで、自分の扱う銃の派生モデルを持つ人形を姉妹のように認識したり、銃の開発国の料理に愛着を持ったりしている。

セーフハウス
軍隊や諜報機関、またはテロリストなどが使用する秘密の活動拠点のこと。
スパイ活動や長期的な潜伏のための隠れ家や、要人や亡命者などの重要人物を匿うために用意された安全な施設・住居などを指す。

正規軍
新ソビエト連邦に所属する正規部隊のこと。「新ソ連軍参謀本部・特殊作戦司令部(KCCO)」隷下の特殊部隊であり、主にカーター将軍率いる地上部隊を指す。(KCCOはカーターの所属する司令部のことであり、部隊の正式名称はおそらく「ソビエト特殊作戦軍」であると推測される)
鉄血との戦いに介入し、グリフィンと合同によるエルダーブレイン殲滅作戦を展開するも、その裏にはとある陰謀が渦巻いていた。

世界の輝きを更新せよ
ロクサット主義者の使う合言葉でありスローガン。クルーガーやハーヴェルらが口にしているが、カリーナなどは半ば挨拶代わりに使っており、人によって言葉の重みが異なる模様。

セカンダリレベル
「セカンダリ」はコンピュータ用語におけるサブ、2番目などの意味。
人形のメンタルモデルにおいては意識が深層に沈んでいるスリープ状態、つまり人間で言う「眠っている(睡眠)」状態を指す。メンテナンス中や電子戦などはこのセカンダリレベルの状態で行われる。
また会話のなかでは後述の「セカンダリ領域」と同じ意味で用いられることもある。

セカンダリ領域
ツェナー・ネットワークをセカンダリレベルから見た状態、つまりSFでいう電脳空間のこと。電子戦用でない人形でもメンタルモデルの意識をセカンダリ領域に送ることで電子戦が可能になる。(この場合、現実での人形本体は眠った状態)
セカンダリ領域での電子戦は敵性プログラムを鉄血人形などのアイコンに置き換えることで通常の戦闘と同じ要領で行われる。
また一部の人形はセカンダリ領域をカスタマイズし、ゲーム感覚で電脳空間へダイブしていたりもするようだ。

戦術人形
IOP社が提供する新型の戦闘用自律人形シリーズ。
第三次世界大戦に新ソ連軍がプロトタイプといえる戦闘用自律人形を採用し、戦後のPMC台頭による需要拡大に応える形で開発された。
2054年に完成した「第一世代型」に続き、現在では2057年に発表された新モデルである「第二世代型戦術人形」が大きなシェアを誇っている。
第二世代型の特徴として「ツェナー・プロトコル」「ダミーネットワーク・システム」「スティグマ・システム」などの新技術が上げられる。これにより第二世代型は人間をはるかに上回る作戦能力を獲得している。
戦術人形は主に民生用(PMC向け)のSST-05シリーズと非戦闘用(一般企業向け)のSSDシリーズに分かれており、グリフィンに所属する人形の大半はSST-05A型である。

指揮官
戦術人形に命令を下す役職の人間。グリフィン内では人間の指揮官が複数の人形たちを率いて現場指揮を執る体制が確立されている。
人間の指揮官による的確な命令指揮があってこそ戦術人形は真価を発揮する。

指揮官権限
通常、戦術人形は人間の指揮官なしには高度な意思決定や指揮・命令を行うことはできないが、限定的に指揮官権限を付与された人形は指揮官なしでも部隊全体の指揮を行うことができる。
グリフィン人形ではM4A1、RO635、UMP45などが他の人形部隊を指揮できる権限を与えられている。

自律人形
ELID災害により失われた労働力を補完するために実用化されたアンドロイドの総称。
汚染された土地の工業・農業を完全にオートメーション化することで生産能力を維持するために、新ソ連・中国内では新たな労働力としてアンドロイド(人型ロボット)が普及した。
欧米は非汚染地域で産業を回す方針を採ったため当初は自律人形が普及しなかったが、2035年にオーロラ事件が発生して以降はヨーロッパでも人形需要が拡大している。
自律人形には有機素材が多く取り入れられており、従来のロボットと違い外見は人間とほとんど見分けがつかない。これは自律人形を人間社会に溶け込ませるための措置と考えられる。
2060年代ではカフェ店員から鉱山労働者に至るまで幅広い分野で自律人形が労働力として活躍しており、社会にとって必要不可欠な存在となっている。

ジャミング(電波妨害)
レーダー、無線通信に対する妨害のこと。原理としては相手の電磁波により強い電磁波(妨害波)をぶつけることで攪乱・無力化を図る。
相手の周波数にノイズ波を被せることで妨害するノイズ・ジャミングや、レーダー波に欺瞞信号を放射することで攪乱するディセプション(欺瞞)と呼ばれる技術が存在する。

受託区域
PMCが国家から管理を委託された管轄地域を指す。受託区域は入札によって管理する企業が決定され、各PMCによる競争が活発になっている。場合によってはメディアを利用したフェイクニュースやデマによる誹謗中傷などでライバル企業を蹴落とすような骨肉の争いが繰り広げられる。

ジュピター
鉄血がグリフィンを殲滅するために開発した新兵器。強大な火力を持つ大砲で、軍のデータを基に鉄血が独自開発した切り札のひとつと考えられる。起動には大電力が必要で、周辺地区からの電力供給を断つことで大幅に弱体化できる。また大型のため運搬・設置に時間がかかるという欠点もある。「低体温症」作戦においてグリフィンが一基を鹵獲することに成功し、研究材料として16LABへ運ばれている。

深度演算
電子戦に秀でたAK-12が使用する演算モード。正規軍の人形に対抗できるほど高度な演算処理を可能にするが、それ相応のリスクがあるのか限られた状況でしか使用していない。

スティグマ
スティグマ・システムで用いられるスティグマ(烙印)のこと。これにより戦術人形は使用銃器と一心同体になる。銃器の開発メーカーが同一の場合、スティグマも類似するらしい。


■た行

ダーティー・ボム(汚い爆弾)
放射性物質を拡散する爆弾または装置。核爆発に伴い副次的な放射能汚染を起こす通常の核兵器とは異なり、ダーティー・ボムは爆発により意図的に汚染物質を拡散することを目的にした爆弾を指す。
コーラップス爆弾もダーティー・ボムの一種に含まれる。

第一遺跡(Ukunde 01)
1938年にドイツのライプツィヒ付近で発見された遺跡。
第二次世界大戦末期にソ連軍が接収し、内部に存在する遺跡設備・タバサール‐B「ヒトデ」を本国へ移送した。

第3セーフハウス
S09地区の鉄血との紛争地帯内に存在するグリフィンの秘密拠点のひとつ。ここに残されていたとある研究データをAR小隊が回収したことで鉄血からつけ狙われる羽目になってしまった。

第三次世界大戦
2045年に起こった三度目の世界大戦。ELID災害により地球各地が汚染され人類の生存圏が大きく失われた結果、国際関係が劇的に悪化し世界中が戦禍に見舞われた。
6年間続いたこの戦争によって残された土地はさらに汚染が広がり、国家の衰退と人口減による深刻な労働力不足を招く。

大陸横断鉄道
大陸を端から端までつなぐ鉄道網を指す。ユーラシア大陸の場合はシベリアを横断してヨーロッパへ至るシベリア鉄道および第二シベリア鉄道(バイカル・アムール鉄道)がこれに相当する。
通常、縦横に路線が走るヨーロッパの鉄道は大陸横断鉄道に含まれないが、主な国際鉄道として東欧と中欧をつなぐユーロシティやレイルジェット、海峡トンネルを通って英仏をつなぐユーロスターなどが存在している。

タバサール‐B
東ドイツの第一遺跡より発見された遺跡設備。周囲の物質を取り込む機能があり、タバサール‐Bが自動的に生産した活動物体「イジオート」を軍事利用することでソ連の遺産兵器開発が加速した。

タブレット
いわゆるタブレット端末。スマホとPCの中間に位置する板状のデジタル機器。
グリフィンでは後方幕僚であるカリーナがタブレット端末を携帯しているほか、人形たちの間でも「戦術タブレット」が普及している。

ダミーネットワーク・システム
第二世代型戦術人形に搭載される機能。主機(メインフレーム)が最大4体の従機(ダミー)を統制することで高い戦闘能力を発揮する。
ダミーの演算装置は簡略化されているため自律行動はできず、あくまで主機の命令を実行することしかできない。

通信モジュール
戦術人形に実装されている専用の無線通信装置。これにより人形たちは無線機器を用いずともグリフィン本部や他の人形と通信を行える。ジャミングなどで妨害されたり、通信傍受で位置を逆探知されるリスクがあるなど弱点もある。

ツェナー・プロトコル(ツェナー・ネットワーク)
グリフィンの用いる広域通信プロトコル。ホストコンピュータや通信衛星の補助なしに広範囲な通信網を確保できる。電子戦モジュールを実装している人形は電脳空間内の仮想フィールド上を現実のように動き回ることができるようになる。

データストリーム
人形の電脳およびメンタルモデルにおけるデータの送受信や処理時に起る連続したデータの流れを指す。高度な演算処理など、扱うデータ量が多くなればなるほどデータストリームが増大するため、これをモニタリングすることでメンタルの活動状況を把握することができる。
また特定施設や部隊のデータストリームを監視することで相手の状況を推定することができる。(諜報活動の一種である「SIGINT(シギント)」)

鉄血工造(SANGVIS FERRI)
正式名称は「鉄血工造株式会社」。2030年代に創業したウクライナの兵器メーカーで、第三次大戦中はIOP社と業務提携し戦術人形市場へ参入している。大戦後にはIOPから技術者引き抜きを行ない独自に次世代型戦術人形の開発を進めていたが、2061年の「胡蝶事件」で兵器の制御を上位AI「エリザ」に奪われ、自社の開発した鉄血人形に乗っ取られる形で事実上壊滅した。
現在はもっぱら人類に叛旗をひるがえした鉄血人形らの勢力を指す。兵器メーカー時代の製造ラインは生きており、これにより鉄血人形は戦力の拡充や新兵器開発を行っている。

鉄血人形
鉄血工造製の戦術人形を指す。「胡蝶事件」による暴走以後は人類に敵対するイリーガルな存在となった。
鉄血人形は上位AIである「エリザ=エルダーブレイン」を筆頭に独自のヒエラルキーを持っている。各エリアごとに高い戦闘能力とメンタルモデルを有する上級人形=ボスが存在している。

電磁シールド
【傘 -Parapluie-】計画の一環で鉄血が用いたジャミング兵器のひとつ。広範囲に渡る電磁シールドを展開し、影響圏内では一切の通信も人形の追跡も不可能になる。

電子戦(電子ネットワーク戦)
主に電磁波を用いた軍事活動を指す言葉であり、一般的にはジャミングなどの「電子攻撃(EW)」や敵の電子攻撃から友軍を守る「電子防護(EP)」、レーダー・通信などの傍受により友軍を支援する「電子戦支援(ES)」のことをいう。
SF作品などに見られる通信ネットワーク、または電脳空間上で行われるハッキング・クラッキングなどは「サイバー攻撃」と呼ばれるものだが、近年ではロシア・中国をはじめ電磁波領域とサイバー領域での軍事活動を一体化させた新たな戦術が登場しつつあり(網電一体戦術)、これらを大きくひと括りにして「電子ネットワーク戦(略して電子戦)」と呼ぶのもあながち間違いとはいえない。
(ドルフロでも深層映写などでは「電子ネットワーク戦」と表現されている)


■な行

南極連邦
2045年に南極に誕生した独立国家。
国連遺跡科学署が中心となりコーラップス汚染とやがてくる世界大戦によって人類が滅亡する事態を防ぐため、南極地下の大空洞を巨大なシェルターとする「ビーコン計画」により人類最後の砦として築かれた。
大戦前に賛同者と政財界の上位層を招致し、960万人を超える人々が南極に集いバリアゲートを閉ざし眠りについた。
2060年代では大戦前後の混乱により、その存在は外の世界の人々から忘れ去られている。

ネゲヴ小隊
グリフィン所属のエリート小隊のひとつ。
ネゲヴをリーダーに、TAR-21、ガリルが所属している。

人間居住区
PMCの受託区域内に点在する人間たちの居住区のこと。グリフィン人形たちは人間居住区の警備・防衛のほか物資の運搬、犯罪の取締りなど治安活動も行っている。

■は行

配給
戦術人形に提供される戦闘糧食。ゲーム画面では缶詰とMRE(Meal, Ready-to-Eat=アメリカ軍が採用しているレーション)が確認できる。
戦術人形のメイン動力はバッテリーで賄われているものの、生体部品の維持やサブ的なエネルギー補充手段として食事も可能である。
また各個体ごとに味の好みが存在するようで、甘党や辛党の人形がいたり千差万別である。またメンタルモデルの趣味嗜好なのか自分で料理をする人形も多いようだ。
なお設定資料集のイラストでは16LAB製のMREや各種携帯食も確認できる。

バラクーダ
米ソ冷戦時代にソ連軍が開発した遺跡兵器。東ドイツの第一遺跡より回収された「タバサール‐B」が自動生成した活動体を兵器化したもの。
1981年のアフガニスタンで実戦投入され多大な戦火をあげるも、ELID感染症
の拡散を招く危険性から1983年の「ジュネーブ声明」をもって封印されたとされる。

パラデウス
秩序乱流イベントより登場する新たな敵。偏向障壁をはじめとした高度な技術により正規軍を上回るほどの戦闘力を持った正体不明の勢力であり、保有兵器が白いカラーリングであることからグリフィンからは「白い敵」と呼ばれている。
「ネイト」と呼ばれる同じ外見をした少女たちによって統制され、ELID感染者を「受洗者」と呼ぶなどカルト教団的な振る舞いをみせる。

パレット小隊
グリフィン所属の人形小隊のひとつ。RO635の古巣でもある。
92式、AAT‐52、ステンMK-Ⅱが所属している。36号ファイル捜索のため臨時に結成された小隊であり、任務達成後は解散された。

反逆小隊
アンジェリアの率いる特殊な人形小隊。正式名称は「特務部隊【反逆】(TASK FORCE DEFY)」。軍用レベルの戦闘力・電子戦力を持つなどグリフィン人形よりも強力な人形たちが所属している。
現在の主なメンバーはAN-94、AK-12、AR-15、そしてM4A1である。本来は国家安全局の特務部隊扱いだったが、特異点・秩序乱流イベント後にアンジェリアが組織を離反したため文字通りの反逆者となっている。

汎ヨーロッパ軍事連盟(汎ヨーロッパ連合)
第三次世界大戦後、EUに代わる形でヨーロッパに登場した国家同盟。
大戦後のヨーロッパはアフリカ各地の内紛により植民地政策に失敗し、さらにアメリカの支援も途絶えたため極度の政情不安に陥っている。
非汚染地域であるフランスやスペインだけでは食料自給率が足らず、新ソ連やウクライナなどの東欧圏からの輸入に大きく依存している状況である。それらの運搬と地方の治安維持をPMCに委託したことで、大戦後の世界ではPMCが大きな力を持つようになった。

北蘭島事件(ベイラン島事件)
2030年に中国の上海・北蘭島において発生したコーラップス液の大規模流出事件。島ごと封鎖されていた【遺跡】に無断で立ち入った学生グループを救出する過程で【遺跡】が崩壊。これによって流出したコーラップス液が世界中に拡散したことで、世界レベルでの大災害に発展したとされる。
この汚染により北半球の大部分が居住不可能となり、ELID感染により世界人口は激減した。

非常用電源
戦術人形に備わっている予備バッテリー。外部機器と接続することで小型通信機を充電するなど裏技的な使い方がある。

フューチャーコード
情報転送やデータ通信の分野で活用されるキーワードのこと。戦術人形も外界と通信や本部へデータをアップロードする際に特定のフューチャーコードを用いている。

プライマリレベル
「プライマリ」はコンピュータ用語におけるメイン、1番目などの意味。
人形のメンタルモデルにおいては意識が表層に現れたデフォルトの状態、つまり人間で言う「起きている(覚醒)」状態を指す。作戦行動や日常生活など人形の一般的な活動はこのプライマリレベルの状態で行われる。

プリンセス・マリオン
S05地区にあるグリフィン所有の人形留置所。
任務中に問題が発見された戦術人形を一時的に隔離し各種検査を行うための設備である。AR15失踪事件で【傘】ウィルスへの感染が疑われたAR小隊とネゲヴ小隊が一時この施設に収容された。その後、鉄血の攻撃により壊滅している。

フレシェット弾
1980年代のACR(次世代戦闘銃)プログラムで開発されていた「フレシェット(フランス語でダーツ)」と呼ばれるダーツ状の弾体。通常のライフル弾を大きくしのぐ初速(時速1200m/s)と弾体がスピンすることで起る二次破壊により高い殺傷力を発揮するとされていた。だが、ケースレス弾同様に様々な理由により普及しなかった。
ドルフロではIWS2000、S‐ACRがこのフレシェット弾を使用している。

ベルグラード
バルカン半島の中央に位置するセルビア共和国の首都。セルビア語ではベオグラード、ハンガリー語では「ベルグラード」になる。
隔離壁に囲われたグリーンエリアのひとつであり、内部には近代的な都市が広がっている。

■ま行

マックス・プランクコンビューター研究所
ドイツ西部に存在する研究施設。ペルシカとリコリスが第三次世界大戦勃発にともない東ドイツのカール・マルクス大学から移動した。
研究所在籍中に「90wish」メンバーがインターネット声明を行ない、またペルシカは所長の一人娘である「ルニシア」と交流を深めている。

マルチタスク処理
コンピュータにおいて複数のタスク(作業)を切り替えて実行できること。
戦術人形のメンタルモデルも「四肢を操作しながら、索敵を行いつつ、敵戦力を分析し、戦術を立てる」などのような並列処理を行える。もっとも処理能力に関しては人形ごとの個体差があり、また電子戦などに演算能力を大きく費やすとその他の行動が行えないなど限界はある。

メモリー領域
戦術人形のメンタルモデルにおける記憶領域。現在の任務に必要ない古い記憶データなどはストレージ領域に保管されている。

メンタルモデル
戦術人形に搭載されているメモリーチップ、またはそれによって構成される人形たちの擬似人格を指す。
チップには戦術人形の人格・記憶に相当するメインデータが保存されている。人形たちは作戦前に本部サーバーへ情報をアップロードすることで自身のメンタルモデルのバックアップを取っている。メンタルモデルさえ無事であれば、例えボディを失っても新たなボディを得ることで復活することが可能。
また作戦行動中は映像ログの形で記憶を保存することができる。この映像ログを回収することができれば作戦行動中のデータをある程度までは復旧できる。

メンテナンスポッド
戦術人形に定期メンテナンスを行うための設備。ボディ各部のチェックのほか、メンタルモデルのバックアップや各種モジュール・プログラムのアップデートも行える。

モジュール
システムを構成する要素、部品のこと。戦術人形の場合は五感をはじめとした各機能機器のことを指す。
主なものとして、視覚モジュール、聴覚モジュール、通信モジュール、記憶モジュール、感情モジュール、電子戦モジュール、指揮モジュール、信号処理モジュール、駆動モジュール、冷却モジュールなどがある。

モスクワ
ロシア連邦および後継国家である新ソビエト連邦の首都であり、モスクワ州の州都。
クレムリン(旧ロシア帝国の宮殿)を中心に広がる街であり、ソ連共産党の中枢が置かれたことから「モスクワ」や「クレムリン」がソ連共産党を指す俗称としても使われている。


■や行

妖精
正式名称は「戦術妖精」。グリフィンが開発した戦闘支援ドローンの総称。小型だが自律AIや様々な支援機能が実装されており、戦闘をサポートする心強い味方である。
本体はあくまでドローンであり、妖精のような小人は空間投影されるホログラム映像にすぎない。「ドローンのAIが自分のことを〝妖精〟だと思い込んでいるだけ」であるらしいが、こうした戦闘には不必要な機能がついているのは開発者であるペルシカの趣味らしい。
実はグリフィンが密かに回収していたウロボロスの戦闘データを元に開発したというエピソードがある。


■ら行

ラテンアメリカ連合
北蘭島事件後、南アメリカに誕生した国家同盟。南アメリカ諸国が一体となり連合化するも、南アメリカ統一をよしとしないアメリカの内政干渉により2038年に瓦解した。
アメリカによる中南米への内政干渉と、アフリカ・東ヨーロッパでの相次ぐ紛争(アルジェリア戦争・ウクライナ内戦)により国際間の衝突が強まり、それらの問題を理由に三大理事国が脱退したことで2044年に国連は崩壊した。

レッドゾーン(レッドエリア)
コーラップス液により汚染された土地。レッドゾーンは汚染レベルの高い土地であり、重度汚染区とも呼ばれる。
この地域では人類の居住は不可能であり、防護服を着用しての調査も難しく人類は立ち入ることができない。
レッドエリア内ではELID感染症により変異した生物が独自の生態系を形成していると考えられており、人知の及ばぬ異界と化している。
現在のところ確認できている主なレッドゾーンは次の通り。
1.北蘭島を中心とした極東(中国東部と朝鮮半島・日本列島の一部)
2.アメリカ大陸西部(ソルトレイクシティを中心にした半径160km)
3.北欧(スカンジナビア半島の大半)
4.ベトナム北部
5.アフガニスタン東部
6.ルーマニア東部(M4A1が起爆したコーラップス爆弾によるもの)

ロボット工学三原則
SF作家アイザック・アシモフが提唱したロボットが従うべき三つの原則のこと。
第一条、ロボットは人間に危害を加えてはならない。
第二条、ロボットは命令に服従しなくてはならない。ただし第一条に反する場合はこの限りではない。
第三条、ロボットは前二条に反しない限り、自己を守らなければならない。
この三原則は戦術人形のメンタルモデルにも採用されている。
※なおロボットを兵器として運用するには第一条を無効にしたり、敵の命令には従わないよう第二条に制限を設けるなどさらに細かな条件をプログラムする必要がある。ロボット三原則はあくまで基礎的なルールであり、戦術人形のAIにはより複雑な条件付けがプログラムされているのだろう。

ロクサット主義
元国連遺跡署局長、レーザー・ロクサットの遺言と告発により芽生えた思想。
未曾有の危機に直面しても各国が争いを止めなかったことに悲観したロクサット氏の「次は人類が一丸となり滅亡の危機を乗り越えて欲しい」という願いに共感した人々による世界統一政府思想といえるもの。
「世界統一による文明再生」の目標に突き動かされたロクサット主義者たちの行動は、あるものは南極をノアの箱舟とする「ビーコン計画」、あるものは世界統一を志す「国連同盟」、そして禁断の技術へ手を伸ばす「プロメテウス計画」へと結実してゆく。


■わ行

わーちゃん
可愛い。

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