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FRB(米連邦準備理事会)のバランスシートが拡大するとどうなる?


コロナショックの経済危機を受けて、米国の中央銀行にあたるFRB(米連邦準備理事会)が未曾有の金融緩和を行っていることが、この一年間たびたびニュースのヘッドラインを飾りました。


この金融緩和、FRBは具体的に何をしてコロナ危機から国民を救おうとしているかというと、それは、以下2つの資産を買い入れて、そのバランスシートを拡大することで市場へカネの供給量を増やしている、ということになります。これを「量的緩和政策」と呼びます。

米国債(米国債務証券): 買入額 毎月800億ドル(約 84兆円)
住宅ローン担保証券(MBS): 買入額 毎月 400億ドル(約 42兆円)


これにより、FRBのバランスシートにある総資産は、コロナ前の4兆ドルから直近(20年12月)の7兆ドルと、直近10ヵ月で3兆ドル(約315兆円プラス!)も増えていることになります。これは、同時に3兆ドルのキャッシュが、市中に放出されている(いわゆる、市中がカネでジャブジャブになっている)ということです。


市中に放出されたキャッシュは、もちろん、コロナ影響で苦しんでいる人たちの生活費に充てられたり、サービス業や飲食店など中小企業への支援金に回される訳ですが、コロナでも生活に特に困ってない比較的に裕福な個人は、余ったキャッシュを車のローンやクレジットカードの債務の返済に回したり、一部は株式や債券などの金融資産に回します
これが、コロナ禍で雇用や経済が厳しい状況にある中でも、株高をはじめとする金融資産の資産価格の高騰を生んでいる訳です。

「富める者はますます富み、貧しい者はますます貧しくなっていく」とよく言われますが、コロナにより経済格差が更に拡がることは避けられそうにありません。


只、FRBはそれを分かっている上で行っています。


なぜなら、そうでもしない限り本当に生活に苦しんでいる貧困層は、毎月の家賃も払えず、日々の生活もままならない状況に陥っている為です。

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