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箏糸 新製品

箏糸メーカー最大手のサエグサファクトリーが廃業して「常盤強力テトロン」は市中の在庫のみになりました。箏楽舎はこれまで使ったことのない箏糸をいろいろ試してきました。この度「竹生」という製品で知られる糸工房ショーエーの新製品が良いという話を耳にして、さっそく取り寄せて締めてみました。

ショーエーは1製品だけだったのが4製品のラインナップに進化しています。

「竹生」「竹生特選」「竹生特選黄色」「竹生ゴールド」それぞれに17.5匁と18匁のオプションがあります。

これまで締めてみたことがあるのは「竹生 17.5」「竹生 18」の2種類で、どちらもお稽古場でそのまま使っています。今回取り寄せて締めてみたのは「竹生 ゴールド 17.5」です。

ロゴがゴールドになっています

従来品の「竹生 17.5」は「常盤 17.5」より細く感じる糸でしたが、「竹生 ゴールド」はすこし太いという評判でした。それが今回取り寄せてみた動機です。実際にはどうでしょう。

紐は従来品と同じ?

見た感じでは「常盤」よりはやはり細い感じがしますが、従来品の「竹生」よりは太そうです。

袋の裏面には製品のバージョンとロット番号が!

クラフトジンみたいです

まだ改良を続けているということでしょうね。

今回は箏楽舎の本番用の楽器に締めてあった丸三ハシモトの「富貴 強力」を外しました。糸留めは「富貴」よりも小ぶりです。

「富貴」は「常盤」よりも大ぶりでした

「竹生 ゴールド」は糸の一方の先端も「ゴールド」になっていました。

締めた後でも「ゴールド糸」だと確認できます

糸を芯座に通してみました。丸三の「富貴」はこの段階で糸にコラーゲンが入っているかのようなしっとりした手触りだったり、糸の弾力に「常盤」とは全く違う性格がすぐにわかりましたが、「竹生 ゴールド」にはそのような特徴は感じませんでした。ただ、作業の細かいところではとても扱いやすく「素直」な糸でした。

「素直」って抽象的ですね

糸留めの芯もゴールドみたいです。

針金だとは思いますが

初めて締める糸はどのくらいのチカラがいるのか、どれくらい伸びるのかがわからないので、とりあえず「常盤 特選 17.5」を締めていた時と同じ感覚で締め始めてみました。「常盤」を8本ほどの強さで締めていくときは松ヤニを使って引っ張った糸が戻るのを防いでいましたので、今回も同様に松ヤニを糸に少しだけつけて締めてみました。

3本目まで締めたところ

ここでどうやら松ヤニなしでも糸が落ち着きそうな気がしたので、4本目からはそのまま締めてみました。

締め終わりました

驚くほど締めやすい糸でした。まだ箏柱を立てて確認していませんが、おそらく七より上は9本近くの強さに締め上がっていると思います。松ヤニなしでも一本も締め直すことなく、ねらったバランスにピッタリ決まったように思います。今まで締めた製品の中では、締めやすさという点ではダントツでした。とにかく糸が「素直」です。よく伸びるけれど腰がないわけではなく、伸びすぎという印象はありませんでした。

作業完了

弾いてみた時の感じが気になるところですが、とりあえず一晩はこのまま落ち着かせます。

音や長時間箏柱を立てっぱなしでお稽古をした時の弾力については、改めてレポートします。

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