「HOPE Day」オープニングセッション〜自分の意志で“希望を創る”のに必要なこと〜
NewsPicksさんが立ち上げた、「若者の未来に、HOPE(希望)を。」というメッセージを掲げた、学生向けの新メディア、『HOPE by NewsPicks』のキックオフイベントに参加してきました!
「HOPE Day」という今回のイベント、興奮が冷めないうちにオープニングセッションの書き起こしをしたのでぜひご覧ください。
※写真、皆さんが載せているツイッターからとりました、、、無断で申し訳ないです。
登壇者
モデレーター
大澤陽樹さん:オープンワーク株式会社取締役副社長
パネリスト
北野唯我さん:著述家/ワンキャリア最高戦略責任者
休日課長さん:ゲスの極み乙女。ベーシスト
「自分の意志で”希望を創る”のに必要なこと」
大澤陽樹氏(以下、大澤):みなさんこんにちは!今回はオープニングセッションとして、「自分の意志で”希望を創る”のに必要なこと」をテーマにお二人に話していただきたいと思います。まずは、課長さんから自己紹介をお願いします。
休日課長氏(以下、課長):ベースを弾いています。休日課長です、お願いします。
(会場拍手)
課長:あ、まだ話した方がいいですか(笑)。
大澤:後でおいおい聞いていきますね(笑)。
ベーシストの課長さんと、続いては北野さんお願いします!
北野唯我氏(以下、北野):北野と申します。二つの顔がありまして、
一つは経営者として、ワンキャリアという会社と、あとオープンワークさんも手伝わせて頂いてます。もう一つは、本を書いてます。『転職の思考法』や、『天才を殺す凡人』、来年には漫画が出たり、再来年には長編のファンタジーを書きます。
よろしくお願いします!
(会場拍手)
大澤:はい、続々とセッションに期待するものを書いていただいてますが、会場のみなさんが書いている間に、今日の目的の擦り合わせを簡単にしていきます。
今日のテーマは、「自分の意志で”希望を創る”のに必要なこと」
もともと課長さんは、新卒で電機メーカーに入られていますよね。
すごい有名な電機メーカーで勤められたあと、ベーシストとしてデビューされてると。
課長:そうです。3年勤めてエープリルフールに会社辞めますと言ったら、上司から「お前嘘だろ」と。「ほんとです」と言って辞めました(笑)。
大澤:アーティストに転向した課長と、北野さんは、、、
北野:博報堂で3年半勤めて辞めて、英語も全く喋れない中、とりあえずアメリカにいこうと思って飛び込んで、ボコボコにされて年収も0になりました。僕20代で年収が2回半分になってるんですよ(笑)。
大澤:まじっすか(笑)。
北野:そうなんですよ。そこら辺も課長さんと少し似てるなと思い、親近感湧きました(笑)。
課長:僕もすごくいま距離近くなったなと感じました。
岐路に立った時は、全ての選択が成功したことをイメージする
大澤:僕らからすると、すごい面白いキャリアを歩んでいるお二人から、「自分の意志で人生を創っていくことに必要なこと」というのをテーマに話していきたいと思っています。
限りある時間なので、最初にテーマを決めてきました。自分の人生を決める上で大事なこと3つに絞って深掘って行きます。
一つ目は、「決めること」。人生悩むじゃないですか、この道の方が安定してそうだけど、この道の方が面白そうという岐路に立たされたときに、お二人は決断されて今の道を進んでると思いますが、決めるときにどんなことを考えてきたか。
二つ目は、「考えること」。なにが自分にとって大事か、優良な意思決定をする上で、どんなことを考えていたか。なにが自分にとって大事か、どんなことを考えていたかを教えて欲しいです。
三つ目が、「挑戦すること」。考えて決断したら挑戦するだけじゃないですか。挑戦するときも失敗が怖かったりすると思うんですけど、どうやってお二人が挑戦してきたか。
「決めること」、「考えること」、「挑戦すること」、この三つを二人のキャリアの歩みから深掘っていきたいなと思います。
北野:僕、課長のインタビューでめっちゃ好きだったのが、会社を辞めるときに、「失敗しても後悔しない方を選ぶ」んじゃなくて、「もし成功できたらいい方を選ぶ」。
あの話がめっちゃいい話だと思って、もう一回聞きたいですね。
課長:上司の言葉なんですけど、僕が会社を辞めるか悩んでるときに、上司と飲みに言ったんですよ。そのときに言われたのが、「10年後、自分が悩んでる2つの道どっちも成功してたら、どっちを選ぶかイメージしてみろ」と。
「その答えがアーティストで明確ならそっちに舵を切った方がいいんじゃないの。」と言ってもらい、その話が僕の背中を押してミュージシャンの道を選んだんですよ。
そこから岐路に立ったときは、全ての選択肢が上手くいった時のことを考えて、どれが一番楽しいかなということを考えて決断してます。
北野:その時の2つの道は、会社員として働いて出世するパターンか、アーティストとして挑戦するパターンってこと?
課長:そうですね。
北野:リスクとか怖くなかったんですか?
課長:その時の心情は就職してから3年経つくらいだったんですけど、安定に対する執着がなくなってきたタイミングだったんですよね。「お金ってそんな必要か?」とか。
だいたい企業で勤めてたら将来稼げる額なんてわかるじゃないですか。
「果たしてお金に人生を全て左右されるのっていいのか?」って感覚になってきて、安定した収入を失うことに対して、就活の時ほどは執着持っていなかったですね。
大澤:やってみて給料なくてもなんとかなるってのはわかるんですけど、成功できるかってことに対する不安はなかったんですか?
課長:会社に勤めてても成功できるかはわからなかったので、そこに悩んでもしょうがないなとは思ってました。
大澤:会社にいても守ってくれるとは限らないですからね。
課長:会社にいても守ってくれるという考え方が危険ですよね。会社の中で生き残っていくことも実はサバイバルだし。
大澤:最近、トヨタさんですら終身雇用は辞めますって話をしてましたもんね。
その面で見たら、アーティストでも企業でサバイバルしてても変わらないんじゃないかなと、そこでフラットにどっちが魅力かを考えたときにアーティストの方がワクワクしたんですね。
課長:そうですね。
北野:その時はスパッと辞めたんですか?
課長:会社員やりながらアーティストもやってたので、徐々にですね。
大澤:当時どのくらいの比率だったんですか?会社で働く時間と音楽活動の。
課長:会社に行っている時間以外は全てバンドでしたね。
水曜日はノー残業dayだったので、水曜の仕事終わりと土日はずっとバンドやってましたね。
大澤:北野さんはどのタイミングで博報堂を辞めたんですか?
北野:2つの道ってとこで、課長と一緒だなと思って聞いてました。博報堂に3年勤めて、赤坂にオフィスがあるんですけど、帰りの電車で急に涙が出てきた時があったんですよ。当時仕事は楽しかったんですけど、このまま生きてても絶対後悔するなという感覚があって。
本当は、心の中では自分の人生を生きていきたいとか、自分がやりたいことをやりたいと思ってたんですよ。けど、悩むタイプで根暗なので。
めちゃめちゃ参考になったのが就活の時、自己分析で使う『絶対内定』って本だったんですよ。自己分析って必要か不要か、意見がわかれると思うんですけど、僕は自分のタイプを理解する必要があるなとは思ってました。
そこで書いていたのが、太陽タイプ、月タイプの2つがあるという話。
自分は月タイプで、物事を根暗に占ってしまうタイプ。太陽タイプは、生まれながらに明るくて周りを惹きつける人。めっちゃ明るくてみんなが集まってくる。
太陽タイプは、自分のことを知らなくていいんだけど、捻くれた月タイプの自分は、自分のことを理解しないと商品も売れないなと思って、自己分析してたんですよ。
それで博報堂で働き始めてから、久しぶりに、実家の兵庫に帰ってたまたま『絶対内定』を手に取ったんですよ。
本の中にめっちゃいいことが書いてあって、「あなたが心からワクワクする写真やイメージを貼ってください。」というのがあったんですよ。なに貼ります?
課長:えー妄想でもいいんですか?
自分の家の台所で料理している彼女を後ろから抱きしめてる写真ですね。
(会場笑)
北野:僕が思い浮かんだのは、スティーブ・ジョブズがスタンフォード大学の卒業式でスピーチしている写真だったんですよ。そこから、ジョブズの写真がたくさんある中で、なぜ俺はこの写真なんだろうと考えて。なんで面白いのかと考えたときに、知識じゃなくて体験だから面白いなと思ったんですよ。
自分がビジネスを作って失敗して裏切られて、死ぬギリギリまで追い込まれて、復活して。だから面白いなと思ったんですよ。「自分は人生でこれを求めてるんだな」と思ったんですよ。
自分が死を間近になったとき、こうやって未来を担う若い人の前で堂々と語れるだけの人生を生きたいと思ったんですよ。
その当時二つの道がありました。
一つは博報堂で働く道。新卒で経営企画で入ったんですけど、新卒で経営企画に配属はされることは、博報堂史上初だったんですよ。だからある程度出世することはわかってた。
一方で、なにが起きるかわからない道。
ずっとコンプレックスあった英語とかアメリカ行きたい気持ちを抑えずに、なにがあるかわからないけど飛び込んでみる。
自分が60,70歳になったときに、どっちの方が若い人に対して希望を語れるかなと思ったら絶対に後者だったんですよ。「不安で心配でなにが起きるかわからなかったけど、でも飛び込んだ」と。
そのときに自分が心から求めてるのはこっちだなと思ったんですよ。
大澤:課長も北野さんも似てますね。
課長:俺も月タイプなんですよ。
北野:絶対そうですよね。
課長:こんなおっさんが街中にいても誰も声かけないでしょ。
(会場笑)
課長:人とか物を紹介するときも、絶対に自分が触れたものじゃないとできないんですよ。
準備して準備してのタイプなので、今話聞いてて似てるなと思いました。
「べき論」ではなく、「好きなものを好きだ」と言える人生
北野:そうですよね。めっちゃ一緒。3つ目の質問に飛んでしまうんですけど、後悔するとか後悔しないとかあるじゃないですか。
唯一、人生で後悔するのって、好きなのに好きって言わなかったときだと思うんですよ。
例えば、恋愛もそうだし、自分が好きなものがあって、本当はやってみたいし挑戦したいのに、やるべきことがあることがあるとか、こうしてはいけないとかで、好きか好きじゃないかを言わなかったときに後悔するんですよ。
家族もそうで、本当は両親に感謝しているのに、恥ずかしくて、好きなのに好きと言わないかとか。
課長さんが本当にすごいなと思ったのはテラスハウス。あれはすごい。
(会場笑)
大澤:それ持ってきます(笑)?
北野:あれ、すげえいいなと思ったのは、言わないと絶対後悔するから好きと言った。
これ、高学歴の人の方が「べき論」とか、「好き嫌いじゃないよね」ってことに縛られていると思いますよね。
課長:今世の中が、肯定することをしずらい世の中になっているじゃないですか。
好きって言いずらい。むしろ否定する方が簡単だし。SNSも否定ばかりじゃないですか。
確かにどっちも正しいんだけど。
好きってことを肯定するのは勇気がいることだし、肯定することでしか人生を判断することができない。
さっき話した、「成功した時のイメージで判断する」ってのと繋がってて、肯定でしか前に進まないし、勇気も必要だし、エネルギーも必要。
それをやんないと前に進まないなと20代後半で僕は思いました。
北野:「好き」っていうのって傷つくことと表裏一体なんですよね。
ビジネスでも大事な投資の時とか、経営の際に大事にしていることは、
「一番最初に絶対嫌いなものは省きましょう」ということは言うんですよ。
5つある選択肢の中で、絶対に嫌いなのは省こう。選んだとしても絶対に後悔するから。
べき論って否定されないけど、好きって言うのは、勇気もいるし、決断もいるし、ある種絶望と向き合う表裏一体のもの。
けど、希望を語るとか自分の人生を生きていくには、好きってものと向き合わざるを得ないと思うんですよね。
大澤:ありがとうございます。「決めること」って話をしたけど、次のテーマにいきましょうか。「考えること」について。今までの話の中でヒント出てきたと思うんですけど、お二人の就職活動時代の話。どんな考え方で就活をしていたのか、いまどんな考え方でキャリアを選ぶのか。自己分析とか、課長さんされてましたか?
課長:「HOPE」の記事でも語ったんですけど、「就活の面接は早めに受けとけ」と先輩に言われて受けたんですよ。そしたらボロボロで。
その後、3日間家で自己分析したんですよ。
「なんとなく好きでやってることって、なんで好きなんだろう」と深ぼっていったら割と軸ができて、なんでこの会社受けたのか、なんでこの会社に自分が入れば活躍できるのかとか割と整理できたんですよね。
「俺趣味ってなんだっけ?カレーだよね。カレーがなんで趣味なんだろう」
大澤:その時からカレー好きだったんですね(笑)。
課長:「カレー作りで培った、俺の適性はなんなんだろう?」
北野:それなんだったんですか(笑)。
課長:結局僕は凝り性なんですよ。スパイスの分量とかを全部エクセルにまとめて。
(会場笑)
課長:このスパイスの配分が一番女の子に受けそうだな。
(会場爆笑)
課長:女の子とはいわなかったけど、その話を面接で言ったところは受かりました。
「その適性があるから、この会社の、もしこの仕事できたらたぶん活躍できますよ。」と言っていました。好きでやってることを分析してるから面接官に聞かれても答えられるんですよ。
好きなことを突き詰めてたら、意外とこういう仕事好きかも、とか広がっていきましたね。
大澤:就活って企業ブランドとか給料を気にしちゃって、自分と向き合えないこととかあると思うんですけど、課長はなかったんですか?
課長:僕も最初、『就職四季報』で給料と勤続年数が長いかは見てましたね。
けど、結局短いからって悪い会社じゃないし、入ってみないとわからないし、部署によっても違うじゃないですか。
行けたところが運命なんじゃないかなとは徐々になりました。
大澤:そうですよね。軸を持っていると数字に惑わされずに意思決定できるから、軸を持つことは大事ですよね。北野さんに難しめのテーマいっていいですか?
北野:僕、20代の前半の時に脚本を習っていたんですよ。『ストロベリーナイト』とか『ドクターX』を書いている巨匠の先生に。なので、映画の脚本とかストーリーを分析していた時期があって。その中で、「ジブリの労働と食事の法則」ってのがあって、ジブリの作品って「労働の伴う食事は善」であり、「労働の伴わない食事は悪」であると描かれてるんですよ。
『天空の城ラピュタ』とか、『魔女の宅急便』、『千と千尋の神隠し』もそうなんですよ。
これは、人生そのものを表しているなと思って。何か一生懸命、目標に対して頑張って、頑張った対価としてお金をもらって、お金を食事に変換し、仲間と一緒にご飯を食べたら、親友ができる。
つまり、仕事っていうものは、目的と仲間さえいれば、自分の成長とお金と親友っていう、人生を豊かにしてくれる全ての要素をもたらしてくれることを表しているんですよ。
だから、初期のころ、ジブリはあんなに多くの人の心を動かしたんだと思って。
働くってことも一緒で、例えば僕2ヶ月前に肺炎になったんですよ。
40度近い熱が出て、死にかけて、火曜からいろんなミーティングを欠席しまくり、日曜にようやく回復して、月曜日に久しぶりに出社したんですよ。
その時に、やっぱり仕事って面白いなと、やっと戻って来れたと思ったんですよ。
「仕事って苦しいもの」って思ってる人もいるんだけど、本当は人生を豊かにしてくれる、全ての要素をもたらしてくれるものだと思うんですよね。
大澤:たまに北野さんが本を書くときの、のめり込み方がすごくて心配になるんですけど、今の話の通り、新しい世界を切り開く仲間が増えていくことがあるからこそやり切れるんですね。
北野:ただ、経営者とクリエイターとしての側面の働くって全く違いますね。クリエイターとして、本書くとか物を作るとか、毎日絶望ですよ。
課長:めっちゃ絶望しますよ。好きなことだからなおですけど、「ここで否定されたら、俺なんもなくなっちゃうよ」という部分でやっているので。絶望は常にありますね。
「HOPE」と「絶望」は表裏一体
大澤:次の「挑戦すること」に進みましょう。
「挑戦すること」で聞いてみたかったことで、「挑戦」と「失敗」は表裏一体だと思うんですけど、課長さんは最初、拍手喝采をもらえないとか、北野さんも尖った主張をされていますよね。先ほどから「絶望」ということがキーワードで出てきていて。絶望と失敗をどう捉えているんですか?
北野:これは課長さんに聞きたくて。
僕はこれから物語形式の本を今度書くんですけど、「物語を作る」って「砂漠の上に城を築く」感覚なんですよ。
ビジネス本は、自分の経験を抽象化して書くだけなんですけど。
物語は、「砂漠の上にこの木を置いてみる」みたいな、絶望からスタートするんですよ。かつ、自己模倣したら手抜いたなと思われるし、コンテンツって嫌いとか面白くないと思われたら終わりじゃないですか。
課長さんはどうやって向き合ってるか、めっちゃ気になってるんですよ。
課長:僕は、人にどう言われるかはあまり気にしないですね。自分達が作り出しているものに絶対の自信もあるので。
ただ、自分にいじめられる方が多いですね。作り出したフレーズが、合わせてみたらめちゃダサかったときとかは絶望しますね。
北野:その時はどうモチベートしてるんですか?
課長:絶望を「点」にしていく、期間じゃなくて「瞬間」にすることをしてますね。
「絶望」と「HOPEは」表裏一体だと思っていて、絶望の後に「あ、こう切り開いていけばいいんだ」と自分なりに考えがまとまればそれがHOPEになっていくというか。
最近は、絶望を点にして、絶望することに慣れてきたので、割と向き合えてきているのかなと思います。
北野:これキャリア論の文脈でいうと、自分の市場価値とかビジネスパーソンの価値は、いくつかの掛け算で証明できると言っているんですね。
ただ、ここに一個ルールがあって、覚悟を決めたときにその人のビジネスパーソンの能力が、掛け算になるんですよ。
経験とか足し算でしかなかったものが、一度覚悟を決めた瞬間に、足し算から掛け算になって、信じられないバリューを発揮する人とかいるんですよ。
「HOPE Picker」の寺口さんとかまさにそうで。
寺口さんは、ワンキャリアで働いていて、入社した時はダメダメだったんですよ。けど、あるタイミングで覚悟決めて、一気にバリュー出し始めたんですね。
絶望がなぜ希望に繋がるかというと、覚悟が決まった後は、もうやるしかないから、希望しかないんですよね。
一方で、実は人がなにかを辞めるときって、上手くいったりダメになったとき。上手くいったりダメなときの揺らぎがあるときがやめようかなとか思うんですよ。
一回自分に絶望して、覚悟持ってやるしかないとなったときが、成果を出すんですよ。
大澤:挑戦する時は、絶対に絶望が待っていると。そこで覚悟を決めてやり抜けば、希望が待っているということですね。だから絶望を点で捉えるのは本当に大事ですね。
課長:絶望が来たときはちょっと嬉しくなってくるんですよね。
「これ俺の人生の転機だ」と。これ以上悪くならないし、やるしかないし。覚悟は本当に大事ですね。
北野:これ、ワンキャリアのインターン生にもよく言うんですけど、他の人とは違うビジネスパーソンになりたい場合、重要なのは、人生のどこかのタイミングで孤独になる期間を決めること。10代でも60代70代でもいいんだけど、他の人と同じことをやっている限りは、「あなただからこの仕事を任せる」とは絶対にならないんですよ。
だから、井戸を掘ってる時間が大事。その時間は孤独だし、他の人からバカにされるけど、自分がオリジナルになりたいのであれば、人生のどこかで耐える期間を持つ必要は本当にある。20代でもいいし、30代でもいいんだけど、どこかで井戸を掘る時間を持たないとオリジナルにはなれない。
課長:今の話聞いてて思ったんですけど、それぞれがなんとなく好きな趣味とか、事柄とか、バイトとかでもいいと思うんですけど、なんかあるんですよ。それを突き詰めて、「なんでこんなに好きなんだろう」と考えることが大事で、それをヒントに、覚悟を決める材料にしていけばいいのかなと思いますね。
恐れずに覚悟決めてやっていく。
ただ、覚悟だけど、これで一生終わるというわけではないので。
北野:なんとなく好きとかで思うのは、手を抜けば抜くほどめんどくさくなって、手を混みいれるほど好きになっていくんですよね。
仕事も自分の好きなものも、効率とか考えると逆にめんどくさくなって、手をかければかけるほど、愛情が湧いてきてどんどん上手くなっていくから、突き詰めるのは大事ですね。
課長:なんとなく好きなことから、覚悟を決めることを探して、覚悟決めたらなんとなくで終わらせないことが大切ですよね。
大澤:あと一個だけいいですか。挑戦をするとき、なにを大事にしていますか。
「誰とやるか」とか、「どこでどんなテーマで勝負するか」とか。
挑戦をする上で、成功確度を上げるためにやってることはなんですか?
課長さんは、川谷絵音さんと転換期は一緒にいるなと思うんですけど、なんかありますか?
課長:どれも大切ですけど、「誰と」は大事にしていますね。
自分の役割を変えることには柔軟で、ベーシストかサポートであるとか、某恋愛リアリティーとか。自分の肩書きは状況で変えていいと思ってるけど、「誰と」は重要ですかね。
北野:なんでそこがそんなに大事なんですか?
**
課長:**人から受ける刺激が自分の人生を変えてきたし、より多くの人と一緒にやってきたいなと思っているので。「誰と」は大事ですね。
**
北野:僕も全部大事ですけど、やっぱり「誰と」だと思いますね。**
20代のときに年収2回半分になってるんですけど、博報堂からアメリカにいって年収0円になって、コンサルからスタートアップに転職して年収半分になって。
その時に、「こいつと同じ船に乗って、挑戦して、失敗しても、後悔しないな」という仲間が一人いて、そいつが一緒にいたのはでかかったです。
スタートアップっていつ潰れるかわからない中で、この人とこの船に乗り込んで、一緒に戦って、仮に船が沈んでも、こいつと一緒だったら後悔しないなと思ったんですよね。
彼は、国籍の関係で苦労していて、僕は、そいつのせいじゃないのに、その人の可能性が阻害されてしまうことに猛烈な怒りを感じるタイプなんですよ。
その人の話を聞いた時に、自分の能力を全て注いでこいつと一緒にやって、仮に会社が潰れたとしても後悔しないなと決めたんですよ。
みんなにとって大事なのは、ここに来てる人とか、同年代だったりするんですよ。
人生をかけられる仲間っていうのは、同年代とか今日ここに来てる人とか、一番最初に働く同期とかだと思うんですよ。
人軸で働くときは、尊敬するあの人のためにじゃなくて、自分と一緒に戦う同士や仲間のためにかけるのであれば、意味のある意思決定だと思いますね。
大澤:いつも本を一人で書いている北野さんからその言葉が出るのは意外ですね(笑)。
あっという間に時間が来てしまったので、最後におさらいをして終わりにしようと思います。今日は、「君たちがHOPEだ」というテーマで、皆さんに少しでもヒントをお渡しできたらなと思い、自分のキャリアを築く上で、「決めること」「考えること」「挑戦すること」の3つに分けてお二人からいろんな話を聞いてきました。
もしかしたら、5年後10年後に北野さんや課長さんを超えるタレントが出てくるんじゃないかなと思っていて、循環が回って今度はみなさんがここに立っていただいて自分のHOPEを語って欲しいなと思います。
そのようなまとめでトークセッションを終わりにさせていただいます。
最後にパネラーの皆様に大きな拍手をお願いいたします。本日はありがとうございました!
(会場拍手)
まとめ
「自分の意志で”希望を創る”のに必要なこと」
岐路に立った時は、全ての選択が成功したことをイメージする
「べき論」ではなく、「好きなものを好きだ」と言える人生
「HOPE」と「絶望」は表裏一体