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自分の歴史を音楽と振り返る(17ー2)ZARD「負けないで」

私の人生でこの3曲を挙げるとするなら、2曲目はZARD「負けないで」だ。1993年1月リリースで初登場2位だがのち1位になり、165万枚の大ヒットに。当時はBeingのアーティストがCDチャートを席巻しており、同時期にはWANDS「時の扉」B'z「愛のままにわがままに 僕は君だけを傷つけない」T-BOLAN「Bye For Now」大黒摩季「チョット」DEEN「このまま君だけを奪い去りたい」などがランクインしており、当時中1の私もよく聴いていた。

この曲はドラマ「白鳥麗子でございます!」主題歌だが、某チャリティー番組のマラソンのゴール寸前で合唱する定番曲と言った方がわかるだろう。作詞はボーカルの坂井泉水、作曲は織田哲郎というゴールデンコンビ。ZARDはこの曲の大ブレイクをきっかけに「揺れる想い」「マイ フレンド」などのヒット曲を連発することになる。

MVは当時のZARDによくある、本人のなんちゃってライブ映像である。しかしZARDはテレビ番組で歌唱することが極めて稀で(1992〜93年ごろ、ちょうど「負けないで」まではMステなどに出ていたがそこからは音楽番組に全く出演していない)、口パクだとしても坂井泉水の歌う映像、ちょっと緊張しながらリズムを取る姿は大変貴重なのだ。そしてジャケット写真と全く同じとわかる人が、動いている。これがとにかく衝撃的だった。

歌詞について

坂井泉水の透き通る声が強く歌い上げる。それがストレートに心に響いてくる。いったいなんなんだこれは。このやわらかいのに真っすぐな強い声は。中1だった私にとって、こんな体験は初めてのことであり、頭を強く殴られたような衝撃だったことをよく覚えている。

この曲の歌詞について簡単に触れておきたい。当時中1の自分にもわかりやすい詞だった。そんな中、特に

「パステルカラーの季節に恋した」
「追いかけて 遥かな夢を」
「どうにかなるサと おどけてみせるの」

というフレーズに、作詞した坂井のかわいらしさや真っすぐさがとても表れていると改めて思う。そしてサビの歌詞は極めてシンプル。

負けないで ほらそこに
ゴールは近づいてる
どんなに 離れてても
心は そばにいるわ
感じてね 見つめる瞳

負けないで 歌詞より

この、どんなに遠くてもそばにいて応援してるよ、というメッセージが特に気に入っている。

当時の自分は

ちなみに、当時の私は心身の不調から不登校になり中学受験に失敗、その心の傷を負っていた。中学校でもそれを引きずるように登校できない日が多かった。その時にこの曲に出会う。「そばにいるわ」と言ってくれるのがまるで自分に対してのようで、繰り返し聴いては歌っていた。中2ぐらいから学校に通えるようになったのは、もしかしたらこの曲のおかげかもしれない。そして、ZARDという、初めての推しにめぐり会い、出すたびにCDを買い、CDチャートを追いかけて、私の青春の彩りになっていった。それもこの曲がきっかけである。


という感じ。ZARDについても実は色々と書いてみたがあまりにたくさんありすぎたため、そのうち別枠でその魅力について語ってみたい。

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