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ブログ調(おすすめ漫画紹介)

「きのう何食べた?」を20回以上読み込んだアラフォー 主婦目線で語る何食べの魅力4選

みなさんは、グルメ漫画と言えばどの作品を思い浮かべるでしょうか。美味しんぼ?孤独のグルメ?いつかティファニーで朝食を?たくさんありますね。

筆者がおすすめしたいのは圧倒的に「きのう何食べた?」
(以下、”何食べ”とします)

この漫画は数々の名作を世に輩出してきた漫画家・よしながふみさんの代表作のひとつです。2019年にテレビ東京でドラマ化され、俳優の西島秀俊さんと内野聖陽さんの名演技も話題になりましたね!

2021年には公開された劇場版の興行収入はなんと13.9億。いくら固定ファンがいる漫画原作映画とはいえ、「何食べ」はアクションもミステリー要素もない日常モノの作品ですから、この興行収入は大ヒットといって間違いないでしょう。
現在もモーニング(講談社)にて月1ペースで連載中。単行本は20巻まで発売されています。

ここで筆者のプロフィールを少しばかり。
私は漫画好きのアラフォー主婦です。特に好きなジャンルはやっぱりグルメ漫画で、食べ歩き物より、献立の参考になる料理要素が強い作品が大好物です。
他にも好きな作品は『山と食欲と私』や『舞妓さんちのまかないさん』などなど。

さて、肝心の「何食べ」愛についてお話していきます。
現在30巻まで出ている何食べですが、筆者は各巻20回は読み返しており、これからもその回数は増える見通しです。もはやバイブルといっても過言ではないでしょう。
息抜きとしてリビングで読むこともあれば、献立に悩んだキッチンでアイデアを求めて料理本代わりに開くことも多々あります。大抵そのまま読み出しちゃって、「ママごはんは?」と子どもに突っ込まれています。

ちなみに推しキャラは佳代子さんとシロさんの事務所の事務員・山田さんです~!!(同じ人いたらうれしいな)

きのう何食べた?あらすじ

弁護士のシロさんと一緒に暮らす美容師のケンジ。ふたりは中年ゲイカップルです。
仕事柄休みが合わないふたりが大切にしているのが一緒に夕食を食べること。特売品が大好きなシロさんが作るごくふつうの手料理を味わいながら、その日の出来事や家族のことを語り合う日常がひたすら続きます。

そこに時折顔を覗かせる同性愛者が抱える社会問題はハッと気づきを与えるものが多く、LGBT教育の参考書にしてほしいくらい。
しかし、どんな苦悩も必要以上に大げさでないのが何食べの魅力であり、ごくごくライトに描かれており、非常にリアル。
「そうそう、生きる上での悩みってけっこう淡々としてるんだよね」なんてウンウン頷いています。

基本的には嫉妬や浮気など、恋愛漫画的な修羅場は起こりませんから、安心して見ていられる体力のいらない漫画でもあります。

きのう何食べた?の魅力4選

①読んでるだけでレパートリーが増える!シロさんの「ふつう」の家庭料理やはりシロさんが作る料理の数々!「厚揚げとニラとキャベツとひき肉のみそ炒め」「玉ねぎたっぷり豚の生姜焼き」「長ネギのコンソメ煮」「さつまいもごはん」いい感じでしょう?
どれもふつうの食材で作るふつうの料理なので、ついマネしたくなっちゃうの。ちゃんと分量も載ってるからぜひトライしてください~!

手際よく料理を作るシロさんの心の声にも注目。
「ポテサラの玉ねぎはじゃがいもがアツアツのうちに和えると辛みが早く飛ぶんだよな」とかちょっとした豆知識があるのもうれしい。

20巻では「食材別 登場全メニュー逆引きBOOK」がセットになった特装版が登場しました。このことからも、どれだけ料理に定評がある漫画なのかおわかりいただけるでしょう。

ちなみに筆者おすすめは18巻142話で登場した「ゆで塩鮭レモンおろし添え」。
鮭の切り身を茹でるという発想がなかったので驚きました。身がふわふわになってとても美味しいです。

②特売品片手にスーパーで献立を構築!リアルな頭脳戦の数々
シロさんの料理は買い物から始まっています。
愛してやまない激安スーパー中村屋では、「ピーマン2袋100円」「めんつゆ1ℓ215円」「低脂肪乳92円」など、絶妙にリアルなお買い得価格の商品がいっぱいです。

それを見つけて内心ウキウキしつつ『冷凍庫のあさりと合わせて炒め煮にしよう…』など、ストックを思い起こしながらまるでAIのように献立を構築するシロさん。全主婦が「わかる~~!」とアガる場面ではないでしょうか。
冷蔵庫を空っぽにできそうな献立思いついたときの興奮、半端ないですよね。

不愛想なスーパーの店員さんとか、特売品が前に出されていなくて探し回る描写とか、スーパーあるあるもいい味出しています。

③「食材かぶり」に内心ツッコミ!?料理に現れる登場人物の性格模様
シロさんはカロリーや味のバランス(甘い、しょっぱい、すっぱい)にもうるさいのですが、友人のジルベールや同僚のタブチくんとか、大雑把なサブキャラクターが主人公になる回もあります。

そんなときはシロさんがやらないであろう背徳めしが出てきたり、手際が悪かったり、食材かぶりもバンバンあったりして、妙にリアル。
なんだか知人の台所をのぞいているような不思議な気分に襲われるんですよね。料理も性格も、完璧な人が出てこないのも何食べの魅力でしょう。

ちなみに4巻の27話では、風邪で寝込んだシロさんのためにケンジが料理をふるまうシーンがあるのですが、そのメニューは「鶏肉の卵雑炊」「卵焼き」「ほうれん草の白和え」。

内心シロさんは『雑炊と卵焼き、卵使い過ぎだろ!』『卵焼きの甘みと白和えの甘さがかぶってる!』と小言を連発しています。
でも、ケンジにはただ「ウマイよ…」とだけ返すんです。

普段料理をしない旦那さんが、休日にめちゃくちゃお金と時間をかけた料理を作ってくれたときの心境に似ています(笑)。

④ゲイカップルの前に立ちはだかる「ふつう」の壁の高さ
やはり語らずにはいられないのが、ゲイカップルであるふたりを取り巻く環境です。
ふたりとも社会的にも人間的にも立派な人物ですが、結婚という選択や子どもを持てないこと、いわゆる日本社会の「ふつう」になれないことに、落ち込んだり不甲斐なさを感じたりしています。

7巻50話ではシロさんの両親とケンジが初対面を果たします。
会食は緊張しながらもにこやかに終わりますが、その帰り道。

いつも明るいケンジは「恋人の実家に行って一緒にごはん食べる日なんて俺には永久に来ないと思ってた。もうここで死んでもいい」
そう言って、涙を流すんです。

これだけ社会的にも成功しているふたりでも「ふつう」の壁は高いのかぁ…そう思うと切なくなりました。
(まぁ、この話はめでたしめでたし、とはならない続きがあるのですが…)

まとめ

最後は社会的なことも少し書かせていただきましたが、基本的には料理本代わりとして大変おすすめの作品です。
我が家もキッチンに余裕があれば常備しておきたい。
(さすがに20巻は存在感がありすぎるのでリビングの本棚で我慢しています)

近年においては、シロさんとケンジというふたりを応援したいという気持ちで購入している側面もあります。お歳玉とかお歳暮を贈る感覚だね。
「新刊=ふたりからの年賀状、暑中お見舞い」として、これからもひっそり楽しみにしていくでしょう。

老若男女にハマるであろう「きのう何食べた?」。
これから料理を始めたい新社会人の方なんていかがでしょうか。
ぜひ読んでみてください。


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