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マルチ商法企業主催のイベント会場に行ってみた時の事。

こんにちは、十河です。

実は大学生の頃、マルチ信者の恋人がいました。この方の話は置いておきますが、マルチ商法会社主催のイベントに行ったことがあります。その時に私が体験した恐怖について今回は話していこうかと思います。

私は当時若かったこともありマルチ商法の実態というものがいまいち分かっていませんでした。ただ、なんとなく危なそうで怪しそうでってイメージでしたね。ネズミ講と同じような認識でした。

だからイベント会場に行くまでは彼女にどうしたらいいか、どんな感じにしていればいいか聞いていました。

会場はものすごく大きなところで、イベントなんかのときによく使われる場所で行われました。彼女と中に入ると本当に、意外なほど普通だったんです。むしろみんな笑顔で非常に楽しそうな感じです。受付を済ませると、マルチ商法にありがちな”偉い人”と話しをする機会がありました。というより、会場の入り口に立っていたので全ての人に挨拶をしていたんでしょうね。

今回は坊主さんと呼ばせていただきますが、坊主さんは私に手を伸ばしてきました。
坊主さん「よくきてくれたね。ありがとう。ぜひ楽しんでくれ。」そして私は坊主さんと握手を交わし非常に面白い経験をさせてもらいました。
「あれ?目が赤いね。花粉症かな?ならアレルギーを治す飲み物があるからそれを体験して見るといいよ。」
私はあまりの衝撃と期待でつい、言ってしまいました。
「(そんなもんあるなら20年以上花粉症に苦しんでねえ!)本当ですか!?そんなものがあるんですか!」
これは悪手でした。彼らに食いつかせる餌を私は手放しに与えてしまったのです。
坊主さん「おお!いい反応だね。その製品はこうした材料が入っていてこんな効果があって……」
「……」
坊主さん「それでこれにはこんな味があって…………」
謎の人物「あれ?Aちゃんともしかして彼氏くんかなー?」
私は思わぬところから助け舟が来た!と期待を寄せて見るとそこには人の良さそうな、そしておしゃべり好きそうなにこやかなおばちゃんがずかずかとこちらに向かって近づいてきました。
おばちゃんA「よくきたね!ここにはこんな製品があって(以下略」幸い彼女が間に入り話を切りあげてくれましたが、彼らの熱量はすごいですね。二言目には商品紹介するエリート揃いです。そんな事もありましたが、会場にやっと入れた私(私たち)は順番に商品を試していきました。
おばちゃんB・おばちゃんC・おばちゃんD「「「これにはこんなにいい素材が使われていて!!」」」
着実に愛想笑いの技術がレベルアップしていた私は彼女に「もう帰って遊びに行かない?」と尋ねました。その時の彼女の天使のようで、悪戯っ子のような笑顔は今でも忘れられません。
天使「んー。今から〇〇さんが来てお話ししてくれるからもう少しだけ付き合って!お願い!」
私は二つ返事で食い気味にもちろんいいよ!と最高の笑顔で返しました。恐らくキモかったでしょう。

時間になり別の会場に移るとそこにはステージの前にたくさんの椅子が並べられていました。皆さんがぞろぞろと会場に入る中私たちがどこに座ろっか、と悩んでいると「ここに座っていいよ!」と優しい方が席を譲ってくれ前の方に座ることができました。座らされた、と言うべきでしょうか。私たちが席に着くとすぐに後ろに椅子が運ばれ前後左右逃げ場のない布陣を敷かれてしまいました。

そして会場に全員揃うと5分ほどした後でしょうか。がやがやとした中、司会の方が「皆さんお集まりいただきありがとうございます。私は本社で営業部部長を務めている〇〇です。今回は副社長である〇〇が本日の講義を務めさせてもらいます。ではよろしくお願いします。」と、副社長を呼んだのです。

その時に恐怖を覚えました。

なんと表現したらいいのか分からない、急に外国の言葉も通じない知らない街に飛ばされたような、といったらいいのでしょうか。一斉にほとんどの人がメモ帳を取り出し物音一つ立たない異質な空間が生まれました。

偉い人が来たから当然だと思いましたか?もしそうだとしたら、私の拙い文章表現ではあの異様な熱気と言うか、狂気と言えるような空気感は伝えきれません。とにかく空気が変わったんです。

そして、偉い人がステージにやってきました。彼はライトに照らされて、輝いていました。誰もが注目するようなオーラを放っていたと言いますか、とにかくライトに照らされて私なんかでは直視できませんでした。

彼の話の一言一句を聞き逃すまいと、会場にいたほとんどの人が食い入るように彼を見て。うなずき。メモを取り。笑い。一挙手一投足に反応していました。

その時に思ったんです。宗教みたいだ、と。

実際宗教というものについて学んだことはなく、大半の日本人のように神道と仏教になんとなく影響を受けているだけです。

でもなぜかあの時は「ああ、これが宗教なのか」と、しっくりきました。

宗教を悪く言っているわけではないですよ。ただ、その時は宗教の悪い面をイメージして思ったんです。

結局私は偉い人の話は全く頭に入らず、ただ異質な空気感に呑まれたまま黙っていました。

話が終わりその後は交流会があるようでしたが私はさすがにもうその場に居たくないと思い、彼女を半ば強引に説得して他の人に止められながらも会場を後にしました。

これが私がマルチ商法を行う会社が主催したイベント会場に行った時の話です。

今回の恐怖郵便は以上です。

この後も何度かイベントやパーティーに参加することになるのですがその話はまた次回にでも。

こんな話を最後までを読んでいただきありがとうございました。

素敵なあなたの今日という日が良い一日になりますように。またね。


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