第11回|はるホエーヌを卒業する③
犬と暮らそうとボクが思ったきっかけは、山本央子先生の愛犬、察子さんとの出会いだった。犬は吠える。当時のボクはそう信じていた。というか、吠えない犬がいるなんて、想像すらしていなかった。犬は人懐っこく、四六時中かまってもらいたがる。ボクはそう信じてもいた。人と距離を置いて静かに佇む察子さんは、これもボクの思い込みだったことを教えてくれた。
吠えなくてもいいときに吠えることを、犬業界では「無駄吠え」という。ご飯が欲しいと吠えるのは「無駄」である。なぜなら吠えなくてもご飯はもら