第1回 エビチリ×心理学――「食べ物の好き嫌い」の呪い │ 山口貴史
突然ですが、みなさんの嫌いな食べ物は何でしょうか?
私が“あいつ”と出会ったのは、小学3年生の時でした。
銀の皿に乗った赤い食べ物。テカテカしていて、生臭くて、芋虫を赤く染め上げたようにしか見えない。嫌な予感しかしない。思い切って口に入れてみる。
「なんだこれ…」
思わず声が出る。食べられたものじゃない。でも、残したら、昼休みに外で遊べない。必死に飲み込もうとする。ああ、ダメだ。あまりに気持ち悪くて吐きそうになる。
これが、私と「エビチリ」の出会いです。それ以