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エピグラフの本(仮)| 山本貴光・藤本なほ子

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ただいま創元社では『エピグラフの本』(仮題)を制作中です(2023年4月刊行予定)。出版に先行し、ウェブ連載を開始いたします。毎月15日は、編著者の山本貴光さんによる「異界をつな…
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#書誌学

【連載】エピグラフ旅日記 第7回|藤本なほ子

エピグラフ旅日記(10月)10月某日(2)つづき──サトクリフ『思い出の青い丘』  図書館のいちばん端の棚から……ということで、日本十進分類表のおしりのほうから手をつけてしまい、900番台後半の、その他の諸言語文学、ロシア・ソビエト文学、イタリア文学、スペイン文学、フランス文学あたりの棚をうろうろし続けている。分類番号の並びを気にせず、手あたりしだいに見ていたのだが、「もっとちゃんと、整然と進めよう」と反省し、棚の区切りで93-番台「英米文学」に飛び、番号の順に見てゆくこと

【連載】異界をつなぐエピグラフ 第7回|これが最初のエピグラフ?|山本貴光

第7回|これが最初のエピグラフ? さて、ここまでのところ、いくつかのエピグラフを眺めてきた。といっても、どれだけあるかも分からないエピグラフの全体からしたら、私が触れたのは砂浜でたまさか手に触れた一握りの砂といったところかもしれない(いや、もっと少ないかも)。  他方で、藤本なほ子さんによる姉妹連載「エピグラフ旅日記」をご覧いただくとお分かりのように、藤本さんはエピグラフ・ハンターとして書棚のあいだを探索していらっしゃる。その結果をまとめつつあるリストを見ると、なんとたくさ