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お茶にしましょう

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文人会の若宗匠・如翺(ジョコウ)先生とその弟子・寿(ジュ)との往復書簡。 茶とは? 花とは? 日本的教養とは? 江戸時代以来の「文人茶」を継承しつつ、令和時代の「新しい茶会」を実…
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#文人

3│ラテとソフトクリーム

寿から如翺先生へ ◇    スタバで「お茶」 「お茶にしましょう」  先生がスタバのドリップコーヒーで「お茶して」いらっしゃる姿を思い浮かべた私は、つい最近、私も同じように言って娘とスタバに入った時のことを思い出していました。   「抹茶ラテ、ふたつ」  娘がカウンターでそう言うと、お店の方に、 「抹茶ティーラテ、ふたつですね」 と言い直されたそうなのです。  テーブルに戻ってそう報告する娘に、私は思わず反論していました。 「抹茶ラテ、でしょ。抹茶ティーラテじゃ、まるで

1|パイナップルとバナナ

寿から如翺先生へ ◇   鳳梨酥と高山茶 「お茶にしましょう」  おみやげの鳳梨酥にあわせて、今日は「高山茶(*1)」を淹れましょう。  台湾出身のお客様によれば、パイナップルを意味する「鳳梨」は「旺来」(繁盛)に通じ、とても縁起の良いお菓子なのだとか、また「元祖パイナップルケーキはハワイの日本人移民が考案した」という説もあるのだとか、あれこれ教えていただきつつ、楽しくお喋りしていた時のこと、   「日本には、なぜ、抹茶と煎茶と、二種類のお茶があるのですか?」   と、