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お茶にしましょう

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文人会の若宗匠・如翺(ジョコウ)先生とその弟子・寿(ジュ)との往復書簡。 茶とは? 花とは? 日本的教養とは? 江戸時代以来の「文人茶」を継承しつつ、令和時代の「新しい茶会」を実…
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#文人会一茶庵

6|新茶を交わす煎茶会と、絵入りで残す煎茶図録

如翺から寿さんへ ◇ 新茶はお好きでしょうか?  今年も「新茶」の時期になりました。  新茶を摘むのは、立春から数えて88日目、いわゆる「八十八夜」を基準にします。年によってズレはありますが、だいたい5月2日ごろ、今年は5月1日だったそうです。新茶が、私たちの手に届くのは毎年GWが明けた頃で、年によって異なる味覚を楽しんでいます。  新茶の魅力は何ですか、というご質問をよくいただきます。私は、みずみずしく爽やかで、かつ、茶の「葉」そのものの青々しさが素直に感じられるところ

4|桜-sakura-の大川と、「ひま」な人たち

如翺から寿さんへ ◇ 大川沿いの桜並木で  京都から南西へおよそ60キロ。  小さな旅を続けてきた淀川の流れは、大阪市都島区毛馬のあたりで新淀川と旧淀川とに分岐して、旧淀川(現大川)は真南へと向きを変えます。遥か大阪城を正面に望みながらも、流れはお城の手前でぐいと曲がって今度は西に。ほぼ直角に流れが折れるその角には、帝国ホテル大阪があったり、一般的な桜の時期に少し遅れて満開になる、造幣局の桜並木があったりして、今も人々が往来します。  私もこの辺りを散歩しながら、外国人

3│ラテとソフトクリーム

寿から如翺先生へ ◇    スタバで「お茶」 「お茶にしましょう」  先生がスタバのドリップコーヒーで「お茶して」いらっしゃる姿を思い浮かべた私は、つい最近、私も同じように言って娘とスタバに入った時のことを思い出していました。   「抹茶ラテ、ふたつ」  娘がカウンターでそう言うと、お店の方に、 「抹茶ティーラテ、ふたつですね」 と言い直されたそうなのです。  テーブルに戻ってそう報告する娘に、私は思わず反論していました。 「抹茶ラテ、でしょ。抹茶ティーラテじゃ、まるで

1|パイナップルとバナナ

寿から如翺先生へ ◇   鳳梨酥と高山茶 「お茶にしましょう」  おみやげの鳳梨酥にあわせて、今日は「高山茶(*1)」を淹れましょう。  台湾出身のお客様によれば、パイナップルを意味する「鳳梨」は「旺来」(繁盛)に通じ、とても縁起の良いお菓子なのだとか、また「元祖パイナップルケーキはハワイの日本人移民が考案した」という説もあるのだとか、あれこれ教えていただきつつ、楽しくお喋りしていた時のこと、   「日本には、なぜ、抹茶と煎茶と、二種類のお茶があるのですか?」   と、